定家 春を經てみゆきに馴るゝ花のかげふり行身をも哀とや思ふ 春を經て年毎に馴ぬる我身の老おとろへたる姿を花はあは れとや思ふらんとよめる。哥なれども下の心は花を天子にたとへ 奉りて我先祖高官に侍りし中にも釋阿四代までの師徳 にまいりたる其子の●ながら中納言にて老果ぬる事を不 便とおぼしめされよと歎きたる哥ぞかし。誠に有心体也。 ※出典不明。