ADHDのさまざまな精神疾患との合併率の高さが、これまで観察研究や診断基準などから示唆されてきていましたが、
このたび、中国・重慶医科大学のYanwei Guo氏らが、ADHDと6つの精神疾患との潜在的な遺伝的関連性を調査するため、
メンデルランダム化(MR)研究を実施したところ、以下のような結果が得られたとのことです。
なお、この研究は、2サンプルのMRデザインを用いて、ADHDと6つの精神疾患のゲノムワイド関連研究(GWAS)に基づき、
遺伝的操作変数(IV)をシステマティックにスクリーニングしたもので、分析の主なアプローチとしては、逆分散重み付け(IVW)法が用いられています。
・IVW MR分析では、ADHDと自閉スペクトラム症リスクとの間に正の相関が認められた(オッズ比[OR]:2.328、95%信頼区間[CI]:1.241~4.368)。
・ADHDは、統合失調症のリスク増加に対する正の関連も認められた(OR:1.867、95%CI:1.260~2.767)。
・ADHDとチック症、知的障害、気分障害、不安症との関連は認められなかった。
ADHDはASDや統合失調症との合併のリスクが考えられ、気分障害との合併リスクはさほどではないようです。
<文 献>
Guo, Y., Li, J., Hu, R., Luo, H., Zhang, Z., Tan, J. & Luo, Q., 2024 Associations between ADHD and risk of six psychiatric disorders: a Mendelian randomization study, in BMC psychiatry, vol.24, no.1,p.99.
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