OUR HOME ISLAND - いおうとう(硫黄島)

戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

2009年 今年の硫黄島を去る時の島一周(3)

2009年06月25日 | 硫黄島・小笠原村
小笠原丸が島の北東側をまわって、また、南の擂鉢山に近づく時間帯が
日没で、船から西側になる島に沈む夕日が見える頃なのですが、
今年は、だんだんと、厚くなる雲にさえぎられて、
空を染める夕日が落ちるところを見ることができませんでした。

その時間帯に擂鉢山が左に写る写真を撮ったのがこれです。

左から、擂鉢山の左側と右側から、島の高台にかけて、
スコールになっている様子が、分かると思います。

この後、小笠原丸は擂鉢山の裏側、島のすぐ南を通過して、
それから北上して、硫黄島を離れます。

この写真でスコールになっている場所に、近づいていく
ということです。
「スコールも動くだろうし、小笠原丸がコースを変えて
昨年より擂鉢山から離れたところをまわるのかもしれない。」
と、思っていた時間帯です。

結果としては、昨年と同じ、擂鉢山裏側すぐのところを
回りました。その時には、スコールは、もっと北側に移動していて、
雨がぱらつく程度の時間に、島の南を回りました。

空もだんだんと暗さを増して、島を離れる時が近づいてきました。
皆での海への献花は、予定されていた18:30から10分遅れて
18:40とアナウンスされました。
スコールに突入して、かなりの雨が降り始めたのは、
小笠原丸が、また島の西側に回りこんだ位置の18:35頃でした。

献花の時間には雨でした。
虹から始まって、スコールに入り雨の中での献花で終わった
硫黄島を離れる1周でした。

毎年、この、1周には、いろいろなドラマがあります。
献花が終わると、雨に急かされて、皆、デッキから船内に入り、
すっかり暗くなった海の上を小笠原丸は北上し始めました。

今年の島とのお別れの雨は、
戻れずに島で果てた兵士たちの無念の涙だったと感じましたが、
私たちが、全日程を終えるまでは、待ってくれました。


硫黄島を離れる時点での天気予報では、
翌日の父島は前線の影響で雨という予報でした。
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