【「硫黄島のがじゅまるの木の根元の話」は、1996年の小笠原村主催の「硫黄島訪島事業(墓参)」開始より前に訪問した時のことを思い出して書いています。】
ワシモ(WaShimo)様が、
「故郷の廃家」について、このブログに書いたものを
ご紹介下さっているメール・マガジンが届きました。
「照れくさい」ですが、硫黄島での慰霊祭、島民の集いについても
書いていただき本当にありがたいと思います。
(前回(3)からの続き)
落下したショックの衝撃は感じませんでした。
落ちた場所が柔らかかったからだと思います。
落下した垂直の高さは、
その後にこの話を、人にすると時には、
「5メートルはあっただろう。」などと、オーバーに
言ったこともありましたし、「2メートルぐらいだったと思います。」
と伝えたこともありました。
正直なところ、どれぐらい落下したのかは、自分でも
よく覚えていません。
身長よりは高かったので、「2メートルから3メートルの間」
ぐらいだったと思います。
気がつかずに落下した理由についても、
「がじゅまるの枝が、あのように斜め下に向けて
入り組んで、大きな幹でつながっている下は
細かく枝分かれして下方に枝・根を向けている。
その部分に上から落ち葉
(落葉樹の葉がそれほど多い植生かは疑問ですので、
他の低木の葉などだったかもしれません)などが落ちて
重なると普通の地面に見える。
まさか、枝と枝の間に大きな窪みがあるとは思わずに
走り抜けた。」と話すことが多いです。
しかし、本当にそうだったのか、
薄暗かったことは間違いありませんので、
枝の間は注意してみれば、間が十分に人体が落下するぐらい
の隙間があるのが見えるはずだったのに、
パニックで慌てて全速力で走っていたので、不注意で
落下したのか、
そのどちらかが、今、冷静に思い出そうとしても
分かりません。
落下した箇所がどのような場所であるのかは、
案外、冷静に分析できました。
がじゅまるの枝・根が、何本も斜め上方にも斜め下方にも
何本も向かっているのが見えたからです。
上を見上げると、ますます、空は見えませんでした。
がじゅまるの枝は、堅くて、
摑んでもしなるようなことはありませんでした。
あまり、腕の力が強いほうではありませんが、
何本かの枝につかまりながら、
おそらく足も枝を捕らえて、しっかりと足場も確保して
上って行きました。
細かい枝々が大きな幹になる高さ、
その辺りの本当の地面の高さまで上るのに
5分はかからなかったと思います。
今度は慎重に、がじゅまるの枝の間に落ちないように
うまく足場を選んで、地面にたどりつくことができました。
安堵して、息を整えながら、
「どっちに向かえば、舗装道路で、戻れるだろうか?」が
分からなくなっていることに気がつきました。
森に入って、200メートルから300メートルぐらいだったはずで、
どんなに長くても500メートルは入っていないのは分かっていました。
「落下」までは、「来た方向へ戻ればいい。」という方向感覚が
ありましたが、
落下して這い上がってみて、向かっていた方向、入ってきた方向が
全く分からなくなっていることに気がつきました。
その時、初めて、「この森から、出られるだろうか?」
「集合時間に間に合うかという、当面の問題もあるが、
それよりも、ひょっとすると、この森から出られず、
島からも帰れないかもしれない、、、、、」と、
ちょっと、怖くなりました。
(次回(4)へ続く)
(2008年6月6日 写真を掲載しました。
手前 硫黄ヶ丘から、島中央部、空港方向を撮影)
ワシモ(WaShimo)様が、
「故郷の廃家」について、このブログに書いたものを
ご紹介下さっているメール・マガジンが届きました。
「照れくさい」ですが、硫黄島での慰霊祭、島民の集いについても
書いていただき本当にありがたいと思います。
(前回(3)からの続き)
落下したショックの衝撃は感じませんでした。
落ちた場所が柔らかかったからだと思います。
落下した垂直の高さは、
その後にこの話を、人にすると時には、
「5メートルはあっただろう。」などと、オーバーに
言ったこともありましたし、「2メートルぐらいだったと思います。」
と伝えたこともありました。
正直なところ、どれぐらい落下したのかは、自分でも
よく覚えていません。
身長よりは高かったので、「2メートルから3メートルの間」
ぐらいだったと思います。
気がつかずに落下した理由についても、
「がじゅまるの枝が、あのように斜め下に向けて
入り組んで、大きな幹でつながっている下は
細かく枝分かれして下方に枝・根を向けている。
その部分に上から落ち葉
(落葉樹の葉がそれほど多い植生かは疑問ですので、
他の低木の葉などだったかもしれません)などが落ちて
重なると普通の地面に見える。
まさか、枝と枝の間に大きな窪みがあるとは思わずに
走り抜けた。」と話すことが多いです。
しかし、本当にそうだったのか、
薄暗かったことは間違いありませんので、
枝の間は注意してみれば、間が十分に人体が落下するぐらい
の隙間があるのが見えるはずだったのに、
パニックで慌てて全速力で走っていたので、不注意で
落下したのか、
そのどちらかが、今、冷静に思い出そうとしても
分かりません。
落下した箇所がどのような場所であるのかは、
案外、冷静に分析できました。
がじゅまるの枝・根が、何本も斜め上方にも斜め下方にも
何本も向かっているのが見えたからです。
上を見上げると、ますます、空は見えませんでした。
がじゅまるの枝は、堅くて、
摑んでもしなるようなことはありませんでした。
あまり、腕の力が強いほうではありませんが、
何本かの枝につかまりながら、
おそらく足も枝を捕らえて、しっかりと足場も確保して
上って行きました。
細かい枝々が大きな幹になる高さ、
その辺りの本当の地面の高さまで上るのに
5分はかからなかったと思います。
今度は慎重に、がじゅまるの枝の間に落ちないように
うまく足場を選んで、地面にたどりつくことができました。
安堵して、息を整えながら、
「どっちに向かえば、舗装道路で、戻れるだろうか?」が
分からなくなっていることに気がつきました。
森に入って、200メートルから300メートルぐらいだったはずで、
どんなに長くても500メートルは入っていないのは分かっていました。
「落下」までは、「来た方向へ戻ればいい。」という方向感覚が
ありましたが、
落下して這い上がってみて、向かっていた方向、入ってきた方向が
全く分からなくなっていることに気がつきました。
その時、初めて、「この森から、出られるだろうか?」
「集合時間に間に合うかという、当面の問題もあるが、
それよりも、ひょっとすると、この森から出られず、
島からも帰れないかもしれない、、、、、」と、
ちょっと、怖くなりました。
(次回(4)へ続く)
(2008年6月6日 写真を掲載しました。
手前 硫黄ヶ丘から、島中央部、空港方向を撮影)