倒れて眠ってしまった真実の天使さまを、天の国の天使さまたちは、大事に岩小屋に寝かせました。そして、何もかもを忘れる香を焚きしめて、つらいことをみんな忘れさせてしまいました。もう、真実の天使さまは二度とは地球に生まれなくていいと、天使さまたちはみんなで決めました。
それほど、人間たちが、真実の天使さまにしたことが、ひどすぎたのです。
お釈迦様は、怒りました。
今まで、怒ったことなど一度もないかと思えるほど、お優しいお釈迦様が、怒りました。
そして月に描かれた自分の顔に魔法をかけて、その顔から、地球世界にいる人間たちに言ったのです。
人間たちはもう、長い髪をしてはならない。おまえたちは、長い髪の天使をいじめて、あんなものはいやだと言って殺したのだから、二度と長く髪を伸ばしてはならない。
人間たちはびっくりしました。髪を長く伸ばせないなんて聞いただけで、とてもつらくて、何も考えられませんでした。
(つづく)