あるウソつきのブログ

日本の左翼が売国的すぎて、本当の左翼がいない事を嘆く、多分左翼的な人のブログです。

日本にはエリートがいない?

2013年01月13日 23時05分00秒 | Weblog
【東洋経済】なぜ日本では本物のエリートが育たないか?
http://toyokeizai.net/articles/-/12477

 なかなか面白いコラムだった。ワリと長いので、いつものように要約すると…って要約難しいな。これ。

日本人は基礎能力は高いけど元々エリート教育が教育制度に含まれていない。
 能力の高い日本人をエリート化するのは簡単で、「答えは1つではない事を知る」「多くの人の中で正しく主張できる対話力を磨く」「理論の枠組みを知る」を実践することだ。


 とまあ、こんな感じか。
 うん。わかるわ。日本国内でも、これができる人は確実にエリートだよ。

 ただ…。日本でホンモノのエリートが育たない理由は、俺、これじゃないと思うんだよね。

 だってね。実際に優秀な社会人ってのは、この要素をみんな持っているのだもの。この人の弁の通りであれば、日本人はエリートだらけだよ。
 一番の問題は、エリートが正しく機能できない仕組みなんだと思う。

 たとえば、俺が勤めている企業ってのは、所謂IT系企業で、現在のメインの仕事がカーナビのプログラムなんだけど。
 大手のメーカー企業ってのは、ほとんど自分のトコでは何もやってないんだよね。ウチみたいな中小企業が技術の大半を持っていて、そーゆー中小企業の人材を、安く買い叩く事で、低コストを実現しているわけだ。

 メーカー企業の偉い人が、これを実現するのにどれだけコストが掛かるか、まったく無頓着に無理難題を中小企業に押し付けてきて、そいつを下々の優秀な技術者が血の小便を流しながらなんとか形にしてしまう。
 で、エリートっつーのは、メーカーサイドにいないのだ。どっちかと言えば中小の優秀な技術者がそれにあたる。で、理不尽なメーカーサイドの連中と口八丁手八丁で渡り合い、自社もメーカーサイドも納得できる精度のものを納入してしまう。それがエリートさんなわけだけど。

 わかると思うが、これが出来る人っつーのは、滅私奉公を強要されるのね。
 そりゃそーよ。理不尽な事を言われても揺るがない鉄のハートといい、旗下の技術者からのカリスマといい、落とし所を見つけるマネジメント力といい、実に損な役回りではないか。

 他に適任がいない…というより、自身に秘めたる野望とかがない限り、そんな損な役回りに立ちたくないんだよ。普通は。
 優秀なんだから普通にやってりゃ食いっぱくれる事はないし、命削ってまで仕事にやり甲斐を求める人って、いったいどれくらいいるってのよ。

 で、その「エリート枠」を自ら望む人ってのは、たいていエリートじゃないんだよね。実際超迷惑な奴がそのポジションに収まる事が多い。※しぶしぶやってる可哀想な人が、だいたいエリートである。

 で、エリートの片鱗でもあろう人は、その自分よりも無能な上司を苦々しく思いながらも、自分でその位置に立とうとは思わないの。責任の重さがダンチだから。

 要するに、日本という社会は、責任を押し付けあう社会なんだな。例えば、社長が最終的なケツ持ちをしてくれるとしても、前向きに失敗した部下を、上司がネチネチ責めている図を、見たことはないか?
 俺は、何回かビジネスの失敗で、社会的に抹殺された連中を目の当たりにした事がある。

「エリートである事がイコール苦行という会社が多すぎる」

 それが、今の日本と言えるだろう。日本は精度を求められすぎているんだよな。

 日本が大量にエリートを輩出するには、エリートでいる事に多大なメリットがなければいけないんだよ。
 それは、きっと欧米や中国のように激しい格差があり、エリートが下々の者から搾取するような構図でもなければ、できない事なんじゃないかな。

 俺は、上記著者のいうエリート像は間違ってはいないと思う。
 でも、著者はなんか日本がよく解っていないと思うんだよなぁ。この国は「能ある鷹は爪を隠す」ということわざのある国なんだぜ?

 賢い奴は、楽して生きてるんだよ。

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なぜ、日本では本物のエリートが育たないのか?