今朝の産経新聞の「正論」は、民主党時代の元防衛相、森本敏氏だった。
【産経・正論】前防衛相・森本敏 中国の不条理、粘り強くはね返せ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130128/plc13012803070002-n1.htm
いつものように要約すると。
とまあこんな感じである。
もっともらしい事を言っているが…。2つ不満がある。うち1つは致命的とすら言える。
まず1つが、海上警備についてしか述べていない点。
何故ゆえに安倍政権が検討している「尖閣諸島への設備設置」に触れないのか。彼はもう公人ではない。「私人として」と前置きしているぐらいだ。言えないわけはない。
「尖閣諸島が我が国固有の領土である」事は「一点のくもりもない」のだろう?森本氏。中国人に尖閣諸島に上陸される事はなんとしても避けなければならないのであれば、自衛隊の尖閣諸島常駐が筋ではないのか。これは中国への挑発行為にはあたらないだろう。純粋な「一番効果的な防衛力の強化」だ。「一点のくもりもない」のなら。
そしてもうひとつ…。こっちが本命というか、致命的なのだが。
政府関係者は、具体的には小野寺五典防衛相は、そんな事を言っていない。
【拙】朝日は中国に戦争を煽り、日本に無防備を強要する
http://blog.goo.ne.jp/jpakiyo/e/5e6c596a25b2f946e65b6021ff561e38
単に「国際的なルールに則って対処する」と述べたのを朝日新聞が拡大解釈し、「警告射撃」と誤報しただけだ。
これには中国も流石に「まずい」と、即刻政府広報を使い、「問題の件は朝日新聞の誤報である」と火消しに走っている。
国際政治に詳しい森本氏がそんな事を知らないわけがない。
森本氏は、この「外国に日本を攻撃するように煽る朝日新聞のウソ」をそのまま引用し、「ほら。中国は事態のエスカレートを狙っているであろう?」という1つの判例として、「日本が挑発に乗ってしまい不利になった時の例」として使用している。
森本氏にその意図があるのか否かは不明だが、このような引用を繰り返す事は好ましい事ではないだろう。従軍慰安婦だって、早い段階で捏造であることがはっきりわかっているにもかかわらず、
「(あれは捏造だが)可哀想なのは事実」
という繰り返し報道により事実のようにすり替えられてきたのである。
実際、読んでみればわかるが、小野寺防衛相があたかも国益に反する発言をした事を非難しているようにしか取れないコラムになっている。
なんの問題もなかった「自民党の閣僚」を「架空の報道」で叩いているのである。
森本氏は、海上自衛隊の動員について語っているので、海上保安庁のみで対処を強いていた民主党の頃に比べればマシだが、事態を保留しようとする気マンマンで、解消しようという気概が感じられない。
フィリピンの毅然とした態度で、共産党軍が撤退したごく最近の話を、彼は知らないわけはなかろう。
【石平】中国監視船が退散、フィリピンは中国に勝った!
http://ggai.me/2012/04/24/6476.html
確かに、当面は海上自衛隊の動員までできれば上出来と言えると思うが、やはり本筋は尖閣諸島への基地設置だ。
森本敏氏がもし、「尖閣諸島への基地設置が中国への挑発行為である」と述べるのであれば、それは暗に「尖閣諸島に領有権問題が存在する」と認める事になりはしないか。むしろそちらの方に大きな問題があると思う。
俺は、マスコミに登場する「保守の論客」はどうも好きになれない。どいつもこいつも、「中国の思うツボ」とか言いながらも、結局中国の意にそっているようにしか見えないからだ。
違うと言うのであれば、何故尖閣諸島に基地を設置するのが挑発行為にあたるのかと、小野寺氏の発言をよりによって朝日新聞の誤報を信じて糾弾したのか、理由を述べてほしい。
破壊外交-民主党政権の3年間で日本は何を失ったか-完全まとめ
【産経・正論】前防衛相・森本敏 中国の不条理、粘り強くはね返せ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130128/plc13012803070002-n1.htm
いつものように要約すると。
私は元防衛相として中国を見てきたが、奴らは本気で尖閣を取ろうとしていることがよくわかった。だが、日本は中国の挑発に乗ってはならない。奴らはエスカレートを狙っているのだ。防衛に力を入れ、盤石な体制をつくる事はもちろんだが、余計な事をせず、我慢強くいく必要がある
とまあこんな感じである。
もっともらしい事を言っているが…。2つ不満がある。うち1つは致命的とすら言える。
まず1つが、海上警備についてしか述べていない点。
今後は、艦艇レーダーや移動警戒レーダー、無人機の展開や、海上へのレーダープラットフォームの設置を含めて、総合的な手段を駆使し、警戒監視機能を強化する必要がある。
何故ゆえに安倍政権が検討している「尖閣諸島への設備設置」に触れないのか。彼はもう公人ではない。「私人として」と前置きしているぐらいだ。言えないわけはない。
「尖閣諸島が我が国固有の領土である」事は「一点のくもりもない」のだろう?森本氏。中国人に尖閣諸島に上陸される事はなんとしても避けなければならないのであれば、自衛隊の尖閣諸島常駐が筋ではないのか。これは中国への挑発行為にはあたらないだろう。純粋な「一番効果的な防衛力の強化」だ。「一点のくもりもない」のなら。
そしてもうひとつ…。こっちが本命というか、致命的なのだが。
侵入する中国機に警告射撃を検討している、などと政府関係者が発言することは国益に反する。(中略)現に、警告射撃発言の直後、中国の戦闘機が日本の防空識別圏に接近してきている。
政府関係者は、具体的には小野寺五典防衛相は、そんな事を言っていない。
【拙】朝日は中国に戦争を煽り、日本に無防備を強要する
http://blog.goo.ne.jp/jpakiyo/e/5e6c596a25b2f946e65b6021ff561e38
単に「国際的なルールに則って対処する」と述べたのを朝日新聞が拡大解釈し、「警告射撃」と誤報しただけだ。
これには中国も流石に「まずい」と、即刻政府広報を使い、「問題の件は朝日新聞の誤報である」と火消しに走っている。
国際政治に詳しい森本氏がそんな事を知らないわけがない。
森本氏は、この「外国に日本を攻撃するように煽る朝日新聞のウソ」をそのまま引用し、「ほら。中国は事態のエスカレートを狙っているであろう?」という1つの判例として、「日本が挑発に乗ってしまい不利になった時の例」として使用している。
森本氏にその意図があるのか否かは不明だが、このような引用を繰り返す事は好ましい事ではないだろう。従軍慰安婦だって、早い段階で捏造であることがはっきりわかっているにもかかわらず、
「(あれは捏造だが)可哀想なのは事実」
という繰り返し報道により事実のようにすり替えられてきたのである。
実際、読んでみればわかるが、小野寺防衛相があたかも国益に反する発言をした事を非難しているようにしか取れないコラムになっている。
なんの問題もなかった「自民党の閣僚」を「架空の報道」で叩いているのである。
森本氏は、海上自衛隊の動員について語っているので、海上保安庁のみで対処を強いていた民主党の頃に比べればマシだが、事態を保留しようとする気マンマンで、解消しようという気概が感じられない。
フィリピンの毅然とした態度で、共産党軍が撤退したごく最近の話を、彼は知らないわけはなかろう。
【石平】中国監視船が退散、フィリピンは中国に勝った!
http://ggai.me/2012/04/24/6476.html
確かに、当面は海上自衛隊の動員までできれば上出来と言えると思うが、やはり本筋は尖閣諸島への基地設置だ。
森本敏氏がもし、「尖閣諸島への基地設置が中国への挑発行為である」と述べるのであれば、それは暗に「尖閣諸島に領有権問題が存在する」と認める事になりはしないか。むしろそちらの方に大きな問題があると思う。
俺は、マスコミに登場する「保守の論客」はどうも好きになれない。どいつもこいつも、「中国の思うツボ」とか言いながらも、結局中国の意にそっているようにしか見えないからだ。
違うと言うのであれば、何故尖閣諸島に基地を設置するのが挑発行為にあたるのかと、小野寺氏の発言をよりによって朝日新聞の誤報を信じて糾弾したのか、理由を述べてほしい。
破壊外交-民主党政権の3年間で日本は何を失ったか-完全まとめ