こう見えて、超涙もろい。
悲しくて泣くことはないが、感動すれば、ちょっとしたことでも泣いてしまう(^_^;)
だから、事実に基づく映画ってだけで、絶対泣くなって思って観に行きました。
が、全然泣けなかった。
思いっきり期待ハズレ・・・
映画を観ている最中から、なぜ泣けないか考え始める。
第二次世界大戦中、満州ハルピンで暮らす山本幡男(二宮和也)は日本の敗戦を悟り、妻や子どもたちを日本へ帰国させようとするのだが、帰国間際、日ソ中立条約を破ったソ連がハルピンを空襲。
この時のハルピンの街並みがいかにもセットという感じで安っぽくリアリティがない(^_^;)
空襲から逃げ惑う中、子どもを助けようとした山本(二宮和也)が負傷。
しかし、妻(北川景子)や子どもたちは山本を安全な場所に避難させることもなく「日本で会おう」という約束をしてアッサリその場を去って行く・・・
離ればなれになった家族の愛を描くストーリーのはずが、家族愛を全く感じさせない始まり。
そして、それ以前の家族の様子もほとんど描写されていないので、家族の絆や離ればなれになった辛さを感じることが出来ず全然感情移入出来ない。
その後、山本はソ連軍に捕まり、シベリアの強制収容所に抑留される。
抑留生活の中、山本は周りの仲間から信頼を得ていくのだが、その過程のエピソードも何かリアリティを感じられず、山本を助けるために仲間が命を掛けるのも納得がいかない。
話の途中、1匹の迷い犬クロが出て来るのだが、これがまたおかしい。
お腹を減らしたクロに食べ物をあげたのは、片足が不自由な青年新谷健雄(中島健人)なのに、なぜか食事を与えるのを躊躇っていた山本に懐く???
そして後半、山本が闘病生活を送る中、クロは病室でジッと山本を見守ることになる。
山本とクロはいつどうやってそんなに仲良くなったのか?
けっきょく、山本は家族に会うことなく死亡。
その数年後、抑留されていた日本兵たちは帰国出来ることになり、船でソ連を出発、凍てついた海を日本に帰っていくのだが、その船を追いクロが凍った海を走ってついて来て(おそらく何キロも走る)、日本兵と一緒に日本へ・・・
もうここまで来ると、嘘っぽさマックスで、全然リアリティないでしょ(^_^;)
最後は山本の家族に、抑留されていた日本兵の仲間たちが会いに行き、山本の意思(遺書)を伝えるという場面で本来は号泣するところなのだろうが、そこまでの過程があまりにもリアリティがなさ過ぎで、感情移入が全く出来ず1ミリも涙が出なかった。
俳優さんたちの演技は上手かったと思うし、ストーリー自体も感動出来そうなのに、作り話っぽいエピソードを入れたことで、リアリティをなくしたことが原因だったのではないかな?
でも、前に座っていた女性は大泣きしていたので、感受性豊かな方は泣けるのかもね。
僕は涙もろいですが、感情移入に出来ないものには全く泣けません。
なので、これから見る方は「事実に基づく」ものだと思って観ちゃうと、嘘っぽさを感じてイマイチって思うかもですね。