六本木ヒルズの森美術館にやってきたのは「メタボリズムの未来都市展」を見るためでした。
「メタボリズム」は生物学用語で「新陳代謝」という意味です。
戦後日本の建築・都市デザインの原点となった丹下健三氏の戦災復興計画「ヒロシマピースセンター」にはじまり、丹下氏の影響を受けた黒川紀章、菊竹清訓、槙文彦各氏などの建築家を中心に展開された建築運動の名称が「メタボリズム」です。
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広い会場に当時の設計図、建築模型、建築物の写真などが圧倒的なボリュームで展示されていましたが、写真撮影は禁止でしたので、パンフレットでの紹介です。
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画期的な海上都市などさまざまなアイデアの中には実現できたものもあり、実現できなかったものもありますが、建築家たちの夢見た理想の都市像には目を瞠るものがありました。
建築家だけではなく、官僚や企業人も巻き込んだ運動体であったメタボリズム、未曾有の震災の復興を目指す、いまの時代に、考える視点を教えてくれた展示でした。
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建築雑誌などの資料を集めたコーナーには机や椅子も置かれて、自由に読んで勉強できるようにもなっていました。
若い人たちの姿も見られましたが、彼らに一石を投じた展示会になってくれていたら、うれしいです。