平成28年10月22日に神奈川県横浜市青葉区の青葉公会堂で
公益社団法人日本吟道学院公認 修神会(会長井上邦神)秋季吟道大会が開催されました。
今回、私はいくつかの吟声を録音しました。その吟の様子を数回連載でお送りします。
先ずプログラム番号8番目に登場した
「事に感ず」(于濆(うふん)(唐)作) 吟者大陽日酸本社教場 平原正洲さんです。
私たちはこれからも詩吟の世界を探究していくつもりです。
皆様からの批評をお待ちしております。
以下は、詩文に加え、平原さんの自己PR、感想、詩の心等です。
『私(平原正吟)は、修神会大陽日酸本社教場の詩吟仲間に入れてもらって早や2年がたちました。
この間、春・秋の大会参加や昇段審査の受審のため、老齢ながら努力を続けた結果
何とかの初伝の位を得ることができ、嬉しく思っております。
詩を吟ずるに当たっては、先ず詩の内容を十分に理解することが大切と言われていますが、
私(平原)も教本の中から初心者に適した短く覚えやすい詩を読んで、
その内容に感銘を受けたものを優先して勉強(吟じ)させてもらっています。
古昔(いにしえ)のものでありながら、短い詩文の中に花鳥風月は勿論、
現代の世相・人情に通ずるものが多くあり、これらを著した先達の偉大さを改めて実感しております。
この秋の大会では、これらの中から『事に感ず』<于濆(うふん)(唐)作>を、未熟ながら吟じさせてもらいました。
*詩文
花 開けば 蝶 枝に満つ
花 謝(しゃ)すれば 蝶 還(また) 稀(まれ)なり
惟(ただ) 旧巣(きゅうそう)の燕 有り
主人 貧しきも 亦(また) 帰る
*詩の内容
花・蝶・燕を題材に、一読しただけでは、ごく自然な現象を詠ったように作りながら、
実の内容は、権勢を誇っている者(花)には阿(おも)ね群がりながら、没落(謝する)すると、
とたんに去って行く者(蝶)を風刺し、燕のように主人の権力・貧富の有無に関係なく、
毎年、必ず飛び来る燕の様に、平穏な世でありたいと願う作者の気概を詠ったものです。
サラリーマンの世界でもよくある事例で、現代に置き換えても十分通じ、心情も良く理解できますね!
貴方(女)は蝶ですか? 燕ですか?
以上』
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