年末から正月に掛けて、原発事故や地震に関するニュースが幾つも流れた。
第一に取り上げるのは、浜岡原発の再稼働を地元・静岡県知事が「認めぬ」
という方向を明確にした、というニュース。
浜岡原発再稼働、津波対策しても知事「認めぬ」
(読売新聞) - 2012年1月1日(日)20:14
読売新聞によると
【川勝平太・静岡県知事は「福島第一原発事故で(浜岡原発と同じ)沸騰水型は危ないというのが日本人の共通認識になった」として中部電の津波対策が完了しても再稼働を認めない方針を初めて明言した
中部電は東日本大震災後、高さ18メートルの防波壁の建設などを柱とする約1000億円の対策工事に着手。川勝知事は、「津波対策ができても再稼働の話にはならない。事故を繰り返さないためにはパラダイムを変えるしかない」と述べた。】
とのこと。
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二つ目に取り上げるのは、年末年始の緊急対応中に、全国すべての原発の
原子炉内部の状況を長時間に亘って全くモニターできなくなったこと。
原子炉状況、丸1日「見えず」…保安院で不具合
(2012年1月1日11時45分 読売新聞)
これは、再び大地震などが発生しても状況を確認できず、コントロールも
指示もできない状況にあったというわけであり、システムの根本的弱点を露呈
したものである。
これも読売新聞によると
【原子力発電所の事故に備えた経済産業省原子力安全・保安院の「緊急時対策支援システム」(ERSS)が、30日昼過ぎから31日午後まで丸1日停止し、保安院で原子炉内部の状況を把握できなくなった。
ERSSは、国内の全原発から原子炉内の温度や放射線量、水位などのデータを収集する。事故の際には、ERSSの計算を基に、「SPEEDI」という別のシステムで放射性物質の拡散を予測する。】
とのこと。 監視システムの根幹をなす装置の欠陥であったようである。
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三つ目に取り上げるのは、2012年1月1日午後2時28分頃、
伊豆諸島の鳥島近海でM7・0地震、東北から関東まで震度4に達する
大地震が発生したこと。 幸い大きな津波は無かった。
鳥島近海でM7・0地震、東北から関東まで震度4
(2012年1月2日18時28分 読売新聞)
ちょっと状況が異なれば、原発監視システム不調の元、新たな原発事故も
起こり得た事態である。
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【関連記事】
事故対策施設「オフサイトセンター」 大半が「原発近すぎる」
(河北新報) - 2011年12月30日(金)08:15
去年の記事であるが、当ブログで、書いていなかったので・・・
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浜岡原発再稼働、津波対策しても知事「認めぬ」
(読売新聞) - 2012年1月1日(日)20:14
菅直人前首相の要請で全面停止している中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)について、川勝平太・静岡県知事は、読売新聞の取材に「福島第一原発事故で(浜岡原発と同じ)沸騰水型は危ないというのが日本人の共通認識になった」として、中部電の津波対策が完了しても再稼働を認めない方針を初めて明言した。
静岡県や地元4市は中部電と安全協定を結んでおり、知事が容認しなければ、再稼働は実現しない。
中部電は東日本大震災後、高さ18メートルの防波壁の建設などを柱とする約1000億円の対策工事に着手。2012年末までに完成させる予定だが、川勝知事は、浜岡原発3、4号機が福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉、5号機がその改良型であることを問題視し、「津波対策ができても再稼働の話にはならない。事故を繰り返さないためにはパラダイム(思考の枠組み)を変えるしかない」と述べた。
原子炉状況、丸1日「見えず」…保安院で不具合
(2012年1月1日11時45分 読売新聞)
原子力発電所の事故に備えた経済産業省原子力安全・保安院の「緊急時対策支援システム」(ERSS)が、30日昼過ぎから31日午後まで丸1日停止し、保安院で原子炉内部の状況を把握できなくなった。
保安院によると、運転中の各原発からは炉内のデータが正常に集まっていたが、それを入力するシステムに不具合が起きたという。
ERSSは、国内の全原発から原子炉内の温度や放射線量、水位などのデータを収集する。事故の際には、ERSSの計算を基に、「SPEEDI」という別のシステムで放射性物質の拡散を予測する。しかし、東京電力福島第一原発の事故の際には、通信回線の不調でデータが集まらず、住民避難に生かせなかった。
鳥島近海でM7・0地震、東北から関東まで震度4
(2012年1月2日18時28分 読売新聞)
1日午後2時28分頃、伊豆諸島の鳥島近海を震源とする地震があり、東北から関東の広い地域で震度4を観測した。
気象庁によると、震源の深さは約370キロ、マグニチュード7・0と推定される。各地の主な震度は以下の通り。
▽震度4 宮城県岩沼市、福島県いわき市、水戸市、宇都宮市、群馬県邑楽町、さいたま市、千葉市、東京都千代田区、横浜市
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事故対策施設「オフサイトセンター」 大半が「原発近すぎる」
(河北新報) - 2011年12月30日(金)08:15
東京電力福島第1原発事故を受け、原発事故の対策拠点「オフサイトセンター」は、福島県の施設を除く15施設のうち12施設について、設置した自治体が「原発に近すぎる」などとして立地場所や代替施設の再検討が必要と考えていることが29日、共同通信の取材で分かった。
残る3施設のうち、宮城県女川町のセンターは3月11日の地震と津波で被災したため、国が約50キロ離れた仙台市内で暫定施設の運用を決めている。
オフサイトセンターは13道県に計16施設(福井県は4施設、他は1施設)あり、原発からは2~13キロ。それぞれ代替施設が指定されている。福島原発事故で、原発から5キロにあるセンターは機能せず、政府が設置した事故調査・検証委員会は問題があったと指摘した。
東北電力東通原発を対象としたセンターは青森県東通村、他は道や県が設置しており、担当課長らに第1原発事故を受けた見直しを尋ねた。
鹿児島県は、九州電力川内原発から11キロにあるセンターと代替施設が近接しており、24キロ離れた県消防学校を新たな代替施設とすると決定。佐賀県も九州電力玄海原発から13キロにセンターと代替施設があり、大規模事故の場合、50キロ以上離れた県庁に機能を移す方針。
中部電力浜岡原発から2キロにセンターがある静岡県は、20キロ離れた静岡空港への移転を国に提案している。
[オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)] 1999年の東海村臨界事故を受けて、原発や使用済み核燃料再処理工場、燃料加工工場、研究炉などの事故に備えて設置された。テレビ会議システムや通信設備を備え、国や地元自治体、電力会社などの関係者が集まり、事故対応に当たるとの想定。高速増殖炉原型炉もんじゅを含め国内には18カ所に55基の原発があるが、それに対応するオフサイトセンターは16施設(福島県は1施設で2カ所、福井県は4施設で5カ所を担当)。建設費は国が自治体に全額を交付し、合計約120億円。
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