あぐね(頼 山陽)
海岸一帯、大波の逆巻くところ、奇岩怪石が
高く乱立している。目を見張って遠く西南の方を
眺めても、大洋の果て無きを見るのみで、一点の
山影さえ認めない。目に入るものはただ海面低く
飛び迷うクマタカ、波間に出没する帆影だけ。
遠く彼方に水と相接してほうふつたるところ
台湾であろう。
海岸一帯、大波の逆巻くところ、奇岩怪石が
高く乱立している。目を見張って遠く西南の方を
眺めても、大洋の果て無きを見るのみで、一点の
山影さえ認めない。目に入るものはただ海面低く
飛び迷うクマタカ、波間に出没する帆影だけ。
遠く彼方に水と相接してほうふつたるところ
台湾であろう。