詩人 野村喜和男 2016-11-14 14:33:44 | Weblog 「言葉たちは 芝居をつづけよ、つまり 移動を、移動を」 (野村喜和男) 薄明 私らは還ってきた、 ーー私ら、私とそのかたわれども またその淡い影たち おしなべてはぐれものの系譜をひき 眼欠き、ホシ欠いて ほこりのない貘(バク)という貘は還ってきた *貘。かたちどる。 *「戦後詩によるメーソン殲滅作戦」
戦後詩によるメーソン殲滅作戦 2016-11-14 10:38:32 | Weblog 魚の骨のある風景より(那珂太郎) ガラスの螺旋階段を 全身毛の抜けた よぼよぼの怪獣がのぼってゆく ただ孤り取り残された 盲の生物 のはるか眼下に茫々とひらける砂漠 巨大な魚の骨のようなものが疎(まばら)につき刺さり そのひとつに 紙凧(かみだこ)のようにひっかかっている ひからびた神の幻像 *「戦後詩によるメーソン殲滅作戦」開始