ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

戦後詩によるメーソン殲滅作戦

2017-10-28 11:32:16 | Weblog
魚の骨のある風景より(那珂太郎)

ガラスの螺旋階段を
全身毛の抜けた よぼよぼの怪獣がのぼってゆく
ただ孤り取り残された 盲の生物
のはるか眼下に茫々とひらける砂漠
巨大な魚の骨のようなものが疎(まばら)につき刺さり
そのひとつに
紙凧(かみだこ)のようにひっかかっている
ひからびた神の幻像

*「戦後詩によるメーソン殲滅作戦」開始

モモ

2017-10-28 11:19:02 | Weblog


『モモ』冒頭の詩文より

やみにきらめくおまえの光、
どこからくるのか、わたしは知らない。
ちかいとも見え、とおいとも見える、
おまえの名をわたしは知らない。
たとえおまえがなんであれ、
ひかれ、ひかれ、小さな星よ!
(アイルランドの子どもの歌より)

放蕩息子の炬火

2017-10-28 10:15:47 | Weblog
放蕩息子の炬火(きょか)

村八分にされた農場は
おまえは 雲よ その前をとおりすぎる

抵抗運動の雲
あこがれの洞窟に影さす雲よ
ねむる心をうながすものよ

*炬火。松明の光

ルネ・シャール『あるじのいない槌(つち)』

死の商人に

2017-10-28 01:11:23 | Weblog
夜の土地(死の商人に)

いぶる この炉に
血を流す この家に
おなじ愛が まためぐり来るためには
だが うつろなままの方がよいだろう
蛇のとぐろまく屋根裏部屋で
人殺しをした者たちが 幸福であるよりは

ルネ・シャール『原初の沖積土』