キキョウ、秋の七草のひとつである。だが、今年の天候はというと、いまだ秋というには程遠い。残暑どころの騒ぎじゃない。夏、真っ盛りなのである。
夏に咲くという玉川ホトトギスも、本葉を枯らし、脇芽が出てきてやっと命脈を保っているという情けない状況である。白花ホトトギスや黄花ホトトギスも同様で、茶枯れた葉ばかりが目立ち、本当につぼみなど付けるのか疑わしい状況である。小さな鉢物などは、何鉢見送ったことか。
事程左様に、今年の夏は惨憺たるものだったのだが、このキキョウがきてくれたお陰でほっと一息ついた思いがするのである。
ハマトラノオ、九州南西部・奄美大島・琉球(慶良間列島の座間味島)などに自然分布するとされているが、絶滅危惧Ⅱ類 (VU)に分類されている。
もちろん、栽培品を購入した訳だが、坪庭の一角で主に踏み拉かれながら枯れるでもなく歳月を重ねている。
穂が経つ状態は、昨年と比べると2週間ほど遅いかもしれない。これも、暑さの影響なのか? そこここに爪痕を残しながら、今年の夏はまだ終わることを潔しとしていない。
どう、スズムシグサのつぼみ、いい味出してるでしょ!
生老病死--人生における免れることができない四つの苦悩を表した仏語とされる。文字通り、生まれること、年老いること、病に罹かかること、死ぬことの四つを指す。
だがね、生まれてより年を重ねることによって遭遇するかずかずの喜びを忘れちゃいけないね。そう、年を重ねるってことは悪いことばかりじゃないかもしれないよ。
生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば
弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける
あっ、別に真宗に帰依している訳じゃないけどね。