暦の上ではすでに秋、季節を違わず咲くオケラ。
綻んだばかりだからか、あまりにも桃色寄った花色が初々しい。
この日、家人をクリニックへ送ろうと車庫へと足を向けた。南北に走る小道が、我が家を起点として南側に向かって緩い坂となっている。隣の藪との境界は擁壁で仕切られ、そこが車庫となっており、その上に二階建ての母屋がある。地下一階地上二階建てと言えばいいのか、三階建てなのか、あまり深く考えた事はない。
隣りの藪の小道側には、かつて我が町内会が手を下した柵がある。この時期、いろいろな野の草が絡まり、もつれ合って、ただでさえ狭い小道を容赦なくさらに狭くしている。
もう数年前になるが、まだ自由に藪に出入り出来ていた折り、各所で出逢った野の草を移植して楽しんでいた。その名残が季節の折々に息を吹き返す。そう、このマメアサガオやホシアサガオなどもその一つなのだ。
クワ科の草本ってことなのだ。あたかも木本のクワのような球状の花序を葉腋に付ける。いや、クワと言うよりヒメコウゾに似ているのかな。異なるのは、その果実の色、それほどに赤くはならず黄褐色系のようだ。
道ばたや畑、荒地などでよく見られるというが、8月の下旬に見つけたエノキグサ同様初見なのである。いかにも観察眼の乏しさに、慙愧の念ここに極まれり 汗