いくら足が不自由だとは家にばかりいてはきぶっせいだろうと思い、久方ぶりに旅に連れ出そうと思った。
何処がいいか? あまり遠距離では僕の方も参ってしまう。せいぜい200㎞圏内か。もちろん、温泉はマストアイテムである。さらに、ユニバーサルタイプで、温泉掛け流し風呂付きの部屋が望ましい。いや、贅沢したいわけではない。そう、介護しながら入湯しなければならないため、男女別の大浴場という選択肢は却下なのだ。欲を言えば、当然、それなりのお値段になってしまう。年金生活の身にとってご予算がもっとも重要なアイテムだ。
距離的には、新潟県の湯沢町がよいだろう。しかし、温泉掛け流し風呂付の部屋で、ユニバーサルタイプという要件がなかなか見当たらない。あちらを立てれば、こちらが立たずという陥穽にはまってしまう。「温泉掛け流し風呂付の部屋」が空いてはいても、客室がユニバーサルタイプではない。ユニバーサルタイプの部屋が空いてはいても、「温泉掛け流し風呂付の部屋」ではない。堂々巡りの末、いつもの石和にするかとあきらめかけたとき、ユニバーサルタイプの部屋で「貸し切り湯」がいくつかある宿を発見した。これならそれぞれのピースを組み合わせれば、ジグソーパズルの完成だ。
今回のテーマは、「秋の野草を探しに、トンネルを抜けて魚沼の里を目指す」というもの。そう、もう一つのピースは「秋の野草」なのである。さて、どんな野草に出逢えるのか、期待を胸にKカーを始動させた。
(画像をクリックすると大きな画像が表示される。{戻る}ボタンで元のページに復帰)
上記イラストは「魚沼の里」のホームページより引用。
はて、いきなり登場した「魚沼の里」とは何であろうか?
新潟県魚沼にある「魚沼の里」とは、清酒・八海山で知られる八海醸造株式会社が運営する工場や会社があり、2013年頃から随時関連施設がオープンしている。いわば「食とお酒のテーマパーク」とでも言えばいいのであろうか。魚沼の里のホームページには次のようにある。
『霊峰・八海山の麓、南魚沼市長森の一角にあるのどかな里山には、清酒八海山を製造する第二浩和蔵を中心に、カフェや売店、キッチン雑貨店等を併設した「八海山雪室」、「そば屋長森」、菓子処「さとや」、「つつみや 八蔵」など心安らぐスポットが点在しています。』
左党の方であれば、八海山の名を知らぬということがないほどに人口に膾炙した酒である。もちろん、この日はハンドルを握っているため、口へ運ぶという訳にはいかない。
せいぜいこの地で命をつなぐ野の花を撮ることにしよう。
8時過ぎに狭山を出、関越に乗る。駒寄PAまでは三車線なのだが、ホームポジションはセンター。左車線は合流があるのでうざったい。追い越し車線(右車線)は、レースをしている訳ではないので滅多に使うことはない。途中、赤城高原SAにてのんびりと休憩する。再度、本車線に戻り、六日町ICを目指す。魚沼の里は六日町ICで降り、さらに車で20分ほどだ。
11時過ぎ、魚沼の里に着く。そそくさと下車して「そば屋長森」へと向かう。まずは、花より団子である。そう、そう、とれ立ての新米を炊いた塩むすびがあるとのおすすめに従いオプションで1個付けてもらった。ここは魚沼、ましてや新米、まずかろうはずがない。
館から館へと巡り、今夜の宿で喉を潤す酒とか、土産物などを物色する。
あっ、カフェの「雪室コーヒーはなかなか美味いよ。
我が家のフジバカマは、依然として粟粒のままである。そう言えば、ススキにしてからがまださほど目立った立ち姿を見せていない。
トンネルを抜けると、秋色が深まるのが早いのだろうか。
さて、さて、里山での遊弋はこれくらいにして、そろそろ宿へと向かおうか。な~に、ここからなら宿への道中は数十分足らず、ゆるり、ゆるりと参るとしよう。
魚沼の里には、すでに秋の草花が咲き競っていた
📸2024年9月25日:「魚沼の里」は食とお酒のテーマパークなのであった!
魚沼の里で秋の草花を探す