飛行機が苦手である。とは言え、仕事となればそうも言っていられない時があった。
一番の遠距離は米国本土上陸である。もちろん、鉄砲担いで一線を交えたわけではない。サンフランシスコやロサンゼルスへと赴き、ブックフェアの視察である。
その回数だって、十指を折るほどのこともない。こんな具合だから、最北の地にはとうとう降着することなくいまに至っている。だからなのか、北の大地に咲くという野草にはことのほか焦がれるのである。
昨年、Y園芸からオオバタケシマラン、エゾノレイジンソウ、リシリヒナゲシ、エゾエンゴサクなどの種子を取り寄せ播種してみたが、全滅の憂き目に遭った。
それではと、昨年末に、同所からエゾエンゴサク、エゾゴゼンタチバナ、ネムロコザクラなどの苗を取り寄せた。リベンジである!
エゾエンゴサクはケシ科キケマン属の多年草で、北海道では早春の公園や路傍でよく見られるという。それほど珍しい野草ではないのだろう。
花色はさまざまに変化すると記述されていたが、心に刺さったのは水縹(みはなだ、みずはなだ)をおびたものだった。
2016年4月のこと、別所温泉にある中禅寺を訪れた折り、ヤマエンゴサクだろうか、命の輝きを感じさせる生き生きとした水色が美しいエンゴサクに出会った。一目でやられたね。
エゾエンゴサクはいろいろなメディアでしか目にしたことがないが、やはりその水縹に魅かれたのである。
さて、思いは遂げることができるだろうか? その答えは間もなく出ることだろう。
一昨年だったか、エゾを冠しないゴゼンタチバナを仮住まいさせたことがあった。お察しの通り、相性が合わなかったようなのである。
このエゾゴゼンタチバナは、ゴゼンタチバナと大きく異なるところが二点あるという。葉の付き方と花色である。
1)ゴゼンタチバナは輪生状。エゾゴゼンタチバナは十字対生。
2)ゴゼンタチバナは薄黄色。エゾゴゼンタチバナは濃い紫色。(白い花びらのように見える部分は苞葉)
いずれもが、ミズキ科ゴゼンタチバナ亜属の多年草のようであるが、前回は花は見ることができたが、残念ながら実までは行き着かなかった。当地では、夏越しが難しいようである。さて、どこまでたどり着けるやら。
こちらも、根室という地名を冠した北の大地のサクラソウの仲間である。
すでに花を見ることができたが、こちらも夏越しがどうであろうか? 花後、早々に地植えにしてしまったほうがいいのかな?
もし、来年、この子の名前に触れることがなかった場合でも、深掘りはご遠慮いただきたい。なにせ、多年草、宿根草でも、一年草にしてしまう特技の持ち主なので・・・。
📷2023年3年月10日 光岳麒麟草が立ち上がってきた。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2023年3年月10日 カワラナデシコの萌芽。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
おまけの話題。
テカリダケキリンソウ(光岳麒麟草)は、赤石山脈(南アルプス)南部の光岳に自生するというキリンソウの仲間である。猫の額に仮住まいしてから4~5年になる。
カワラナデシコは、昨年、農産物直売所で桃色と白を求めたのだが、花後、種を取り置きしていたものの一部である。大雑把な播種だが、まぁ、何本かが大きくなってくれればしめたものと思っている。
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