新芽を挿したチングルマが根付き、紅葉さえ見せてくれた。 いまはもう茶褐色に枯れ果てた姿を鉢上に晒しているだけと思ったのだが、その頭頂部、冬芽が見えていないだろうか。 丈はまだまだ小さい。5cmをちょっと上回る程度だろうか。 先日もご紹介した通り、親木の方はあまり塩梅がよくなさそうだったので、地植えとした。 果たして、まだ血が巡っているのだろうか? 花を咲かせようとの意欲があるのだろうか? いまは黒々として寂びた姿のみをとどめているだけで、芽らしきものも見当たらない。 そんな訳で、今年はこの挿し芽にした末裔たちが花を見せてくれると嬉しいのだが。 ムラサキセンブリが、厳冬の最中、ロゼット状の姿のまま生きている。 あるものはそのいく葉かを枯らし、またあるものはその一部に緑を残しつつ生きている。 📷2022年1月9日:ロゼット状の姿のまま春を待つムラサキセンブリ。
📷2022年1月9日:ムラサキセンブリだって十草十色なのだよ。
ヒメシャガに春の息吹が見られた。 こちらは白だったか、青だったか。 猫の額に移り住んで四年目、今年も花 期待してるからね。 📷2022年1月9日:ヒメシャガはいいよ。小振りで、なんとも可愛さが香るのだよ。
淡いブルーの五弁花が印象的なチョウジソウ、この子もまだ深い眠りの中にいた。 もう4~5年になろうか、この坪庭の隅っこを安住の地と定めてから。 生えるがまま、何の手入れもしてやってない。だいぶ込み入ってきたね。 今年の花後、ちょっと手を入れてやろうか。 📷2022年1月9日:変わった姿をしているでしょう。これがチョウジソウの冬芽なのだ。
小石川植物園(東京大学大学院理学系研究科附属植物園)から散逸したとされる植物の一つに、コゴメイヌノフグリがある。 本草は、地中海沿岸を中心に南ヨーロッパにかけて広く分布すると言われるオオバコ科クワガタソウ属の一年草とされる。 三年ほど前だったか、入間川河畔を散歩中に見つけ、その一群れを摘んできた。 純白の小さな花が目を奪う。まっ、所詮、雑草としか思われていないのか、その存在すら知らぬ人も多い。 📷2022年1月9日:あのオオイヌノフグリ同様、半端ない繁殖力がある。
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榊を買いに花屋を訪れた。 正月用の榊には、松が一枝添えられている。 何が添えられるかは、地域によって異なるようだ。 京都の花屋では、松竹梅が添えられるという。南天や水引などを添える地域もあるとか。 榊、サカキは、ご存知の通り、サカキ科サカキ属の常緑広葉樹である。 一般的に、本州中南部(茨城県~石川県)以西に分布すると言われている。 そこで、関東地方以北では、ツバキ科ヒサカキ属の常緑広葉・低木である姫榊(ヒサカキ)をサカキと称して用いることが多い。 サカキはサカキであるにも関わらず、上記のような事情から、「本榊(ホンサカキ)」とか「真榊(マサカキ)」などと呼んで区別されることもある。 これは、サカキにとって屈辱以外の何物でもない。 「僕は “榊” であって、“本榊” でも、“真榊” でもないのだぁ~~~っ」 なんていう悲憤の肉声が聞こえるかのようだよ。 もっとも、私どもの地域でも本榊が店頭を飾ることも珍しくない。 今回も、その本榊に松が添えられたモノを購入し、店を後にしようと思ったのだが・・・。 店の奥に、千両がたくさん飾られていたのが目に入った。 「おっ、鶴首に一本飾ったら面白そうだな!」 そう思い、2本贖い、2本ある鶴首にそれぞれ挿して玄関と居間に飾った。 さて、この “千両” の “両” であるが、計数貨幣であった江戸時代の金貨の価の名称である。 植物の世界、特に樹木には、この “両” を冠した名前がいくつもあり、いずれも縁起の良い「金生樹」とされている。そう、この子たちを飾って置きさえすれば、大判小判がザックザク ザックザク🎵 という訳だ(あっ、念の為に申し上げておくが、飾ったからといって誰もが大金持ちに成れるわけではないということだけは肝に銘じておいて欲しい 笑)。 では、手元に画像があるものはそれを添えて、金生樹を手短に列挙してみよう。 ●一両:アリドオシ(蟻通、有り通し) アカネ科アリドオシ属の常緑低木。 「地方によってはセンリョウ(千両)、マンリョウ(万両)とともに植え、「千両万両有り通し」と称して正月の縁起物とする」(by Wikipedia) ●十両:ヤブコウジ(藪柑子) サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑広葉・低木である。日本では北海道から九州まで、さらに東アジアに分布する常緑の小低木。7~8月頃白い花が咲き、秋に赤い実をつける。 より樹高の小さい屋久島ヤブコウジ、斑入り種などの亜種がいくつか存在する。 📷2016年12月2日:自庭にて
📷2016年10月28日:屋久島ヤブコウジ。埼玉県狭山市都市緑化植物園にて
📷2016年2月5日:斑入りヤブコウジ。花はつくが実はつかないとされている。これは偽実である。
●百両:カラタチバナ「唐橘」 サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木。 日本原産の植物で、7月頃、10個ほどの白い花を下向きにつける。その実は、11月頃に赤色に熟する。 ●千両:クササンゴ「草珊瑚」 センリョウ科センリョウ属に属する常緑小低木。 6~7月頃、穂状花序をつけ、冬に5~7ミリほどの真っ赤、もしくは黄色の果実をつける。 📷2017年11月1日:通りすがりの路傍にて
📷2016年10月28日:黄色の実をつけるキミノセンリョウ。通りすがりの路傍にて
●万両:ヤブタチバナ「藪橘」 サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木。 7月頃、小枝の先に白色の花をつけ、その蒴果が10月頃に赤く熟す。こちらも、白実や黄実の品種が存在する。 📷2018年1月15日:通りすがりの林縁にて
📷2016年12月7日:埼玉県所沢市中富・多聞院境内にて
●億両:ミヤマシキミ「深山樒」 金生樹の中でも一際目を引くのは、このミヤマシキミである。なんてったって、億両だからね 笑 ご存知の通り、雌雄異株で、ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木である。 本州から九州の山地に見られる自生種は、3~5月頃、白色の香りのある花を多数つけ、12月~翌年2月頃に赤く熟した核果を見ることができる。 実はね、シキミ(樒)のことなんだけど、毒があって「悪しき実(アシキミ)」と呼ばれていたのだが、その「ア」が取れて「シキミ」となったという説がある。 そう、シキミ(樒)自体は、植物界で唯一劇物指定されている猛毒の持ち主だっていうじゃない。 東京都福祉保健局のHPによると、全草が有毒なのだが、誤食部位として特にその実をあげている。中華料理などで使われる大茴香 、そう、八角に似ているだって。 毒成分として、アニサチン、イリシン、ハナノミンなどを含み、とりわけアニサチンは植物由来の毒として最強のものの一つなのだとか。 そう、このミヤマシキミもアルカロイドのシキミアニンを含み、全草有毒なのだよ。怖い、(ノll゚Д゚llヽ) だから、取り扱い注意商品だよ。 上述の通り、ミヤマシキミは日本の山野に自生するわけだけど、この画像はスキミア・ルベラとかいう品種かな。もちろん、この子もミカン科ミヤマシキミ属だけど、いまだこの子の実は見たことがない。。。 📷2016年3月15日:通りすがりのお宅のお庭にて
📷2017年4月7日:埼玉県所沢市・多聞院境内にて(上記画像とはちょっと印象が異なる)
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遠い、遠~~~い昔のことであったとさ。 一匹の猫が干支に選ばれなかったことで気を病み、何事も手が付かず、日々臥せっていたという。 その猫は神使(しんし)となることを切望し、長きに渡って小さな徳を積み重ねてきたのだが、その願いが叶うことなく選からもれてしまったのだ。 そんな猫を哀れんだか、神は一年に一度、とても大切なお役を申し付けたのだという。 それが、年の初めに間に合うように、その年の干支を高天原から現し世へと遣わせる役目であった。 そのお役を仰せつかってからというもの、猫は幾年(いくとせ)となくその役目を全うすることに励んでいるとのことであった。 椿のつぼみたちも、一所懸命お役目に精を出す猫の姿を見守りながら、「がんばれよ~」と優しく囁くのであった。 どんぴんからりん、すっからりん。 あはっ、花のネタがないので、つぼみのままの椿にかこつけてこんなおはなしをひねりだした次第 汗 干支の寅さんは、「彫刻家 三枝 惣太郎 作 伝統美術工芸品「ひぞっこ」」である。 📷2022年1月1日:彫刻家 三枝 惣太郎 作 伝統美術工芸品「ひぞっこ」。猫さんは、茨木県笠間市の工房から連れてきた。
ちなみに、昨年の干支も同氏作の丑さんだったが、ご覧の通り、やはり猫さんに導かれて猫の額にやってきたものである。 📷2021年12月23日:こちらの丑さんも三枝 惣太郎 作
椿であるが、真っ白な花をつける。35年ほど前、こちらに引っ越した折に盆栽にしようと思い買ってきた苗である。 そう、あえなく挫折し、鰻の寝床状の小庭に植えてほったらかし。それでも、季節ごとに忘れずに咲いてくれている。 そんなやつを一枝手折って挿しておいた。 📷2022年1月1日:いまとなっては、品種名さえ忘れてしまったが・・・
昨年12月1日の日記でニリンソウの萌芽の話をした。そう、厳寒の冬へと向かうこんな時期に、何を間違ったのか芽が萌え出てきたのである。 いや、内心ではそのうちへたり込むであろうと思っていたのだが、いまでもなんとか持ちこたえている。 いち早く花が、なんて虫の良いことは考えないではないが、それは無理なことなのだろうなぁ。 📷2022年1月1日:萌え出たニリンソウの葉。現在は、ビニ温暮らし 笑
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