奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

澱む夏

2012-08-02 | 心詩~こころうた・己
熱に浮かされた頭が
人生を悲観する

地を這う肉体は
体温と同じ空気に
根負けする

なにもできないのは
暑さのせいだったか

猛暑をいいわけに
曖昧な決心を
やり過ごそうとしている


己の怠惰を
己の無力を
痛感する季節

ああ 早く
時が経てばいい

夏が終われば
本当の自分が
息を吹き返す

そう念じて
幾度の夏を
越えたのか


妄想の世界だけが
思いどおりの人生を
築き上げていく

その足元で
ヘドロのように
停滞する 現実


いつから夏が
嫌いになったのだろう