PHP文庫の菊池道人さん著「二つの時代を生き抜いた最期の剣客 新選組三番隊組長 斎藤一」を
読みました。
現代小説から、久々の幕末小説。
しかも新選組!
ああぁあぁぁ…もう、やっぱり夢中になって読んでしまいました(;;)
斎藤一を取り上げている本って、かなり少ないです。
そして、数ある新選組本では、なんだか寡黙だけど、えらく謙の腕が立つ人、みたいな感じで、
あんまり斎藤さんの感情的な部分に触れることってないのです。
高台寺党に潜り込み、間諜として近藤暗殺を密告し、それゆえ油小路にて伊東甲子太郎暗殺が
起こるわけですが、それも淡々と局長命令を受けて冷徹に指令を遂行したかに思いこみがちですが、
やっぱり、それによって人を欺き、裏切り、挙句の果てには陥れて殺した、という
良心の呵責にずっと耐えきれずにいたのです。
大義のため、と自分に言い聞かせることで。
しかし、時代が激変、薩長が錦旗を翻すと、自分たちが朝敵に…。
今まで、幕府側のものとして、朝廷を、京を警護していた自分たちが、朝敵。
自分が信じていた大義とは一体何だったのか…。
どうしても、新選組を読んでいると、土方さん目線が多いので、
彼らと分離してからの、会津にて新選組を率いた斎藤一のことはあまり詳しく語られません。
なぜ、彼が会津に残り、会津と運命を共にすることにしたのか。
会津藩士や、白虎隊の少年たちとの関わりなど、
昨年、私も実際に会津にて、飯盛山でお参りし、鶴我城を眺め、(工事中でしたが…)
そして郊外の天寧寺にて、近藤勇のお墓に手を合わせてきたので、
この会津戦争に関しては、悲しいばかりです。
それから、青森の地にうつされ、妻を亡くし、東京に出て時尾さんと再婚し、
かつての敵であった薩摩の川路から警官になるように懇願された一。
そして今度は、西南の役で今度は薩摩を政府の立場で抜刀隊として攻撃。
本当に激動の時代を生き抜いた武士だなぁと思います。
それにしても、来年は「るろうに剣心」の実写版もできるそうで、
龍馬伝から始まって、まだまだ世間の幕末熱は続いているなぁと思います。
昨年は寺田屋や霊山歴史館や黒谷さんをさ迷ってきましたが、またそのあたりとか、
久々に壬生のあたりでも散策したいなぁ…と思ってしまいました。