写真にある、斜めに置いた穴の開いた板。工作台の天板。こいつが雨に当たるとがたがたにふやけた。なぜ木で作らんのか。これは木に似せた紙だ。
こういう単純な構造だが、さほど一般の家庭にあるものでもない。だが、単純な構造のようで意外と多くの問題・課題を工夫・克服して出現している。問題は、この手の道具は改良のチャンスに恵まれないこと。
たとえば、どこにもあるものとしてクルマ。一台車を世に出すと、多くのクレームや酷評が待ちうけ、生産中止に怯え、生産者は狂ったように改善する。
ただの作業台にはそれほどの試練は無い。実際作ってみると外野で騒ぐ以上に困難があることもわかった上での話だ。
アマチュアは、時間をタダだと考える。労賃も計算に入れない。商売になるとそうは行かない。いろんなコストを考えたうえで消費者の満足を得ることは、生半可なことでは出来ない。
コストを考えないなら良いものを作るのは簡単だ。ベントレーに試乗したが、じつによく出来た車だ。人類社会にはこういうものも必要だ。世の中はひがみだけで生きている貧乏人ばかりではない。安いので2000万。
作業台の金属部分は、いつ考えたのか誰が考えたのかと驚くほど良く出来ていた。力のかかるところは3mmの鉄板、それ以外は2mm、1.6mmというように使い分けられていた。曲げ加工はふつうはしない方法だったが工作機械が少ない中小企業のすばらしい工夫だ。
天板は木製に替えた。天板にコストカットをして紙にしたもんだからせっかくのその他の工夫がパーになった。
ところが僕も素人だ。穴をあけてみると取付金具とぶつかった。ジスクで削ったが、かっこ悪くなった。
上から見るとわからないので、よしとしよう。今回はケガもなく、修理前より頑丈な作業台が出来た。
今見ると肉抜きまであって、憎い、憎い。