(クマノミ くるくる回るのは生殖行動だそうだ 僕はしない 近所の水族館で)
本論
1980年11月12日に電子レンジを買った。今まで、ベルトがキイキイいったのでシリコングリスを塗ったこと、室内灯の電球を交換したこと以外問題ない。
オーブン機能は温まるのに時間がかかるが、必要なことだ。土鍋だ石釜だと意味のないことを宣伝し、消費者をだまそうとメーカーはご焦心だが、つられるバカも悪い。
リサイクルショップには早くも新型が飽きられて並ぶ。中学の理科の時点で学習を放棄していたに違いない。
エレックさんありがとう。解説は100pages、All coloured。現在のメーカーは、売ったが最後、それ以上カネをかけたら損だという姿勢だ。分かるはずない不親切で手抜きで小さく薄い紙の取説。その分買う前のカタログはやたら親切。
このレンジで僕の子供たちは何十回Cakeにありついたことだろう。今はミルクをあっためるだけだが、後50年は働いてくれる。低脳たちは、35年前のレンジなんて省エネじゃないと言う。ほう。今のレンジは電源以外のところから熱が発生するわけだな。アッホ。
動く限りはとことん使え。それが最高の省エネだ。
チンがいい。その音が家中に響き渡る。貧乏を象徴する音を知っているか。電子音だ。ピーピープープー。これに貧しさを感じないのは本人が貧しいからだ。
35年前の電子レンジ、エレックさんには直径10センチのチンが入っている。お寺の木魚の横にある鈴(りん)の大きさだ。高く澄んだ音で5秒間は響く。
時計もそうだ。時報を告げるとき、気色(きしょく)の悪い粗雑なつくりの鳩まがいの鶏が電子音にあわせてかすれた声を出す家庭がある。貧乏人が買いたがる鳩時計と称するブロイラー時計。8時だ、と家族総出でゲームをやめてバラエティーを見る。脳がイカれないはずない。
僕の家は一ヶ月巻きの柱時計がある。実際は一度巻くと2ヶ月動く。これの時報がまたいい。50年間問題ない。
僕は人が指示する仕事というものが嫌いで積極的に働いたことはない。だがモノを使うときは全知全能を傾けて工夫しモノを大事に使う。それが最高にうれしい。
昭和。
塗装にしろ、歯車のひとつにしろ、ゆとりあるモーターにしろ、銭儲けのみを考えたあくどい素人だましの手抜き製品ではない。