おはようございます。
社労士事務所人事アップ 社会保険労務士・人事コンシェルジュの岩切勝造です。
毎週土曜日は、資格学校TACで非常勤講師をしています。
講座名は、社会保険労務士 上級本科生クラスです。
生徒さんは、受験経験者ということもあり、非常にレベルが高いと感じます。
それだけに、講師しての私も手を抜くことができませんので、とても緊張感があり充実しています。
さて、講義の方も、労働基準法から労働者災害補償保険法が終わり、雇用保険法に突入いたしました。
ものすごく速いですね。しかし、このスピードが社労士試験の難しさなのでしょう。
雇用保険法の中で、ここは注意しておいきたい、試験対策だけでもなく、一般にありえる
ケースの箇所がありましたので、ご紹介いたします。
平成23年の改正点です。
「離職証明書の添付が不要の被保険者資格喪失事由」についてです。
これだけでは、受験生には解るかどうか、一般の方は、意味不明?ではないでしょうか。
では、具体的に説明していきます。
簡単にいうと、会社が離職票の発行をするかどうかの問題です。
平成23年3月10日前は、
雇用保険から外れる理由(雇用保険に入れない)として
●取締役、役員になった
●1週間の所定労働時間が20時間未満になった
場合、一旦「資格喪失届」のみを提出して、後日、事業主との雇用関係が終了した時点で
離職票を発行することになっていました。
しかし、
平成23年3月10日以降は、従業員本人が離職票を希望する場合は資格喪失届に離職票を添付することとなったのです。
例えば、
さくらさんが、1週間20時間勤務で10年ぐらい働いていたとします。
しかし、今年会社の仕事が少なくなったので、合意の上、1週間16時間で働く契約に変更になりました。
さくらさんは、当然雇用保険から外れてしまいます。
こういうケースは、よく会社でおきていますよね。
さぁここからです。
ここで、さくらさんが会社に雇用保険が外れる際に「離職票の交付」を希望する必要があるのです。
離職票を交付してもらった場合、
さくらさんは、ハローワークに行き、待機期間を済ませ、週20時間以上の会社(雇用保険加入)
で働きたいという意思で、求職活動を行うと、その間は失業保険を受給することができることになります。
もちろん、現在働いている日は、停止がかかります。
ですから、失業保険を週16時間の給与がもらえることになります。
これを知らない場合は、もちろん「離職票の希望することさえしらない」状態になりますので、
今まで雇用保険にかかっていた期間すべて、自然消滅になる恐れが発生します。
従業員からすると、本当は
「希望する場合、離職証明書を添付するのではなく」、
「希望しない場合、離職証明書を添付しなくてもよい」にした方が、損することはないのではないでしょうか。
受験対策でこの点を取り上げましたが、
「知らないと損をする制度」なので、身近にこのような方は多くいると思います。
損をしないように、対策を打ちましょう!