広報てしかが7月に掲載された川湯エコミュージアムセンターの連載枠。
テーマは、「雲海」です。
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上から目線で雲海を見ませんか
(EMCスタッフが撮影した摩周湖の雲海)
摩周湖と屈斜路湖。
町内にある2つの湖は、ともにカルデラです。
カルデラとは、火山活動によって生じたくぼみのことで、「鍋」を表しています。
鍋の縁は外輪山と呼ばれ、底にたまった水(=湖)をグルリと取り囲んでいます。
この鍋のような形こそが、水だけでなく雲もためるのです。
摩周湖は霧で有名ですが、現象として雲と霧は同じものです。
地面に接したものが霧で、浮かんでいるのが雲です。
広がる雲が海のように見える雲海は、高い場所から見下ろした状態を指します。
摩周第3展望台からは、摩周カルデラと屈斜路カルデラに漂う雲海を、同時に目にする可能性があります。
藻琴峠や小清水峠、津別峠、美幌峠など、見下ろすことができる場所が多くある屈斜路湖上では、
スケールの大きい雲海が期待できます。
環境条件が揃わなければ見られませんが、ちょっと早起きしてでも見る価値はあります。
たかが霧、されどこの霧、どこからやってくるかご存じですか?
EMC館内にある解説展示をご覧のうえ現地に立つと、よりご理解いただけると思います。
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アイヌの自然“視” ハル イッケウ(食糧の・背骨)
(成長中のオオウバユリ)
ギョウジャニンニクと並んで、食糧の中心的存在だったのが
「トゥレップ」(オオウバユリの鱗(りん)茎(けい)=厚い鱗片が集まって多肉化した根)です。
6月中旬から7月にかけて、女性たちが採取する役割を担っていました。
デンプンを抽出し、乾燥させて保存食に加工できるオオウバユリの鱗茎はとても重宝したのです。
行動はつねに複数人で行われ、ヒグマ対策とともに、年下の代へ伝える貴重な時間であったといいます。
【参考文献】北の歳時記/計良光範 著
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川湯エコミュージアムセンター http://www6.marimo.or.jp/k_emc