kebaneco日記

日々の出来事、考えたこと、行った場所、見たもの、なんかを記録してます

崇高な試み

2009年02月28日 | 仕事&いろんなお道具

木曜日と金曜日は、昨年末の国連決議に基づいて来週からオープンエンド作業部会がニューヨークの国連本部で開催される、武器貿易条約(ATT)関係の仕事だった。

今までの対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)やクラスター爆禁止条約(オスロ条約)は、その名が示すとおり国連の場ではない場所で交渉され結実した。この武器貿易条約は、国連という多国間の枠組みの中で交渉しつつも、意味ある何かを作り出しうるのだということを示す、あるいは国際社会にとってきわめて重要かつ複雑な事項は国連という場所で決めるという体勢を取り戻すための、試みといってもいいかもしれない。

国連加盟国には武器製造国も輸出国も輸入国も存在し、それぞれが異なる立場を持っている。武器のない社会・武器を必要としない社会を希求しつつも、異なる立場の各国が全て交渉のテーブルに留まるよう、国連憲章が認める自衛のための武装の必要性を前提とした、「責任ある武器移転」を各国に求める法的拘束力のある文書を目指した交渉となる。

それゆえこの条約自体は、即平和に繋がるものにはならない。どちらかというと貿易協定的な性格を持つもので、交戦国や著しい人権侵害が起こっている国には武器を売らないといった、ある意味「常識」を定めるものに留まるのかもしれない。日本の刑法だと「これをこの人に売ればきっと犯罪に使われる」と分かっていて何かを売るのはたぶん犯罪行為。でも国際社会ではそうじゃないんだね、なんちゅ~無節操な無法地帯なんだ、と改めて痛感。そういえば、イスラエルに武器供給してる国があるわけで・・・。

日本は、この条約に関してはEUと足並みをそろえて推進国。メディアもしっかり報道して欲しいな。ケバさんも眼を見開いて監視してますから~~

最新の画像もっと見る

コメントを投稿