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2024年(R6年)二級建築士試験問題解説・知っ得講座 ⑤「構造強度・構造計算」

2024-09-13 08:41:08 | ビジネス・教育学習

◇本年度(2024年)の二級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説を進めていきます。
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

◇「No.6、No.7、No.8」の問題のキーワードは「構造計算規定に注目!」・・・はて?
◇建築確認の規定で現在の二号建築物がなくなる事で、法20条の構造規定も来年から変わります。
◇来年(R7年4月)施行の改正法による、構造計算を必要とする木造建築物の規定が変更になるのです!
◇木造建築物は、確認申請(省エネ適合判定を含む)だけではなく、構造計算も適用範囲が変わるのです!

◇法6条の二号建築物が無くなり「新・二号建築物」では300㎡以上の木造にも構造計算義務が生じます!
◇勿論、保有水平耐力計算までは求めず、従来の許容応力度計算でいいのですが・・・!
◇その影響だと推察しますが、今年の試験では、木構造の規定に触れていません!
◇でもこの処、荷重・外力規定(令83条~令88条)、許容応力度規定(令89条~令94条)がよく出ている!
◇10月から展開される国交省の改正法説明会(当然、私は申込済です!)は、注目したいと思っています!
◇来年(R7年)の試験は、木構造+構造計算規定が狙い目となるかもぉ~???・・・知らんけどぉ~・・・!

◇余計な話、一級建築士試験では、保有水平耐力計算・限界耐力計算の場合の仕様規定の控除条項の出題!
◇過去問を調べると、一級建築士試験では、結構、この部分を試験問題としていますねっ!
◇そして、構造計算規定の令81条以降の条項からの出題に集中している???・・・はて?
◇て事で、今年(R6年)の二級建築士試験「No.6、No.7、No.8(構造強度)」についての解説を記述します。

「No.6」正答1
1.適合しない。令67条1項:接合される鋼材がステンレス鋼の場合、高力ボルト接合、溶接接合、又は大臣認定による接合方法でなければならず、リベット接合は認められて
 いない(適合しない)。
2.適合する。令62条の8第二号かっこ書き:高さ2m以下の塀にあっては、壁の厚さは10㎝以上とすることができる。
3.適合する。令48条1項一号、令46条4項の表1(5)項:9㎝角以上の木材の筋かいで適合する。
4.適合する。令47条1項、同2項:条文参照。
5.適合する。令77条五号:条文参照。

「No.7」正答3
1.正しい。令86条6項:条文参照。
2.正しい。令85条3項:条文参照。
3.誤り。令66条ただし書き:「滑節構造の場合においては、この限りではない。」とただし書きの記述があるので、基礎にアンカーボルトで緊結する必要はない。
4.正しい。令83条1項、同2項:条文参照。
5.正しい。令88条:条文中のかっこ書きで、令86条2項ただし書きの規定による特定行政庁が指定する多雪地域については、積載荷重の上積み規定があるが、それ以外の地域
 については、条文中のかっこ書き部分を除くと、条文そのままで設問の記述となる。

「No.8」正答5
1.正しい。令82条の6第二号、同三号:許容応力度計算を行う場合、各階の剛性率を6/10以上とし、各階の偏心率を15/100を超えないようにする(15/100以下にする)ことと規
 定しているので、」設問は正しい。
2.正しい。法2条三号、法20条1項三号イ、令129条の2の3第三号:煙突は建築設備であり、法20条1項三号に規定する建築物に設ける場合は、令129条の2の3第三号の規定に
 基づき、設問に記述されている技術的基準への適合が求められている。
3.正しい。令82条の6第一号、令82条の2:許容応力度計算の規定(令82条の6)の第一号において、層間変形角の規定(令82条の2)に定めるところとしており、設問はその技術的
 基準(令82条の2)の条文を記述している。
4.正しい。令38条2項:条文参照。
5.誤り。令79条1項:捨てコンクリートの部分を除いて、6㎝以上としなければならない。設問の「含めて」という記述は、誤り。

2024年9月13日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士
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2024年(R6年)二級建築士試験問題解説・知っ得講座 ④「一般構造」

2024-09-12 08:55:21 | ビジネス・教育学習

◇本年度(2024年)の二級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説を進めていきます。
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

◇「No.4、No.5」の問題のキーワードは「住まいの健康?」・・・はて?
◇法36条に「この章(第2章の単体規定)の規定を実施し、補足するために必要な技術的基準」とあります。
◇安全で健康に暮らす為の住まいの技術的基準を、政令(令19条~129条の15)に定めるという事です!
◇傾向分析表を参照して頂くと、ほとんどが、政令を参照して回答できることが分かると思います!
◇政令の目次に、それぞれ題目が記述されていますので、インデックスを貼ってない条文も検索できます!
◇そして今年の出題は、敷地の衛生、階段形状から1問、採光有効面積の図形問題1問でしたねっ!

◇余計な話ですが、一級建築士試験では、昇降機機械室の階段形状(戸建て住宅に同じ)が出題でした!
◇また、採光有効面積については、図形問題ではなく、文章題で採光補正係数を算出する問題でした!
◇という事は、法令の文言で理解する事の重要性を求めているという事なのでしょうか?・・・はて?
◇という事で、今年(R6年)の二級建築士試験「No.4、No.5」の一般構造についての問題解説を記述します。

「No.4」正答 5
1.適合する。法19条1項ただし書き:条文参照。
2.適合する。法19条3項、法36条、令129条の2の4第1項、同第3項四号:条文参照。
3.適合する。法36条、令23条ただし書き:条文参照。
4.適合する。法36条、令23条の表(4)項、令24条、:設問の住宅で踊り場を必要とするのは、高さが4mを超えるものでああり、設問のものは、令23条の表より、踊り場の幅75
 ㎝以上で適合する。
5.適合しない。法36条、令25条1項:階段には、両側に側壁を設けた場合であっても、必ず、片側に手すりを設けなければならない。

「No.5」正答 3
法28条1項:必要とする採光有効面積=政令で定める居室の床面積×政令で定める割合以上
令20条1項:法28条第1項に規定する採光有効面積=居室の開口部面積×採光補正係数(λ)
同2項一号:採光補正係数(λ)=採光関係比率(D/H)×6-1.4(第一種住居専用地域の場合)
  採光関係比率(D/H)=開口部直上部分から隣地境界線までの水平距離÷居室開口部中心までの距離
令20条2項一号後段:隣地との間に公園・広場・川等がある場合は、幅の1/2外側を境界線とする。
  D=(3.5-0.5)+(2.0×1/2)=4.0  
  H=5+(2.0×1/2)=6.0
  D/H=4÷6=2/3
採光補正係数(λ)=採光関係比率(2/3)×6-1.4=2.6
採光有効面積=居室の開口部面積(4.0㎡)×採光補正係数(2.6)=10.4㎡・・・「3」

2024年9月12日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士
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2024年(R6年)二級建築士試験問題解説・知っ得講座 ③「確認申請」

2024-09-11 09:38:14 | ビジネス・教育学習

◇本年度(2024年)の二級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説を進めていきます。
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

◇「No.3」の問題のキーワードは「全国どこでも&都市計画区域内」・・・はて?
◇過去、二級建築士試験では「全国どこでも確認済証を・・・」という設問ばかりでした!
◇ところが今年(R6年)は、準防火地域内の確認手続きの問題です・・・というより、都市計画区域内???
◇加えて、法6条2項の10㎡以内の増・改築・移転の扱いが、防火・準防火地域内だと異なるところを・・・!

◇防火・準防火地域は、都市計画法9条21項において定義され、都市計画区域の事だと理解できます。
◇四号建築物の建築(新築、増築、改築、移転)の扱いが「全国どこでも」とは扱いが、少々、異なります!
◇今年初めて、地域指定をしてきたのは、来年(R7年4月)施行の改正法対策なのかもしれません!
◇注意点は、法6条1項の確認申請件名は、建築物省エネ法との手続きのリンクがあることかも???
◇手続きの規定については、建築物省エネ法の処で解説しますが、同法12条7項の参照をお勧めします!

◇少々気が早いかもしれませんが、来年度を見据えて、国交省の確認に関する公表資料を添付します!
◇来年に備え、確認申請の枠組みが変わることの意識をしましょう!・・・チョットだけぇ~・・・!
◇今回の改正法に関する国交省主催の改正法説明会が、全国展開されます!・・・申込受付中!
◇ご興味のある方は、国交省のホームページを参照し、申し込むといいかも???

◇余計な話、正答は来年(R7年4月)の法改正を見据え、影響のない部分の用途変更確認申請でしたねっ!
◇また、一級建築士試験では、用途変更に特化した法制度の手続き規定の問題としていましたねっ!
◇という事で「NO.3の確認申請」の問題解説を記述します。

「No.3」正答2
1.確認済証が必要。法6条1項一号:法別表第1(2)項に該当する特殊建築物で、200㎡を超えるものを新築する場合は、確認済証が必要。
2.確認済証を必要としない。法87条、法6条1項一号、法別表第1(4)項、令115条の3第三号:「飲食店」は特殊建築物であり、用途上は確認が必要な建築物であるが、規模的に
 は、規制対象としているのは、法6条1項一号において「200㎡を超えるもの」としているので、確認済証を必要としない。
3.確認済証が必要。法6条2項:10㎡以内の増改築であっても、確認を必要としないのは、防火地域、準防火地域外のものであり、設問の準防火地域内のものは、確認済証が必
 要。
4.確認済証が必要。法6条1項三号:木造以外で、階数が2以上のものは、確認済証が必要。
5.確認済証が必要。法88条、令138条1項三号、法6条:政令に指定する高さ4mを超える広告塔(工作物)は、法6条の規定を準用するとあり、確認済証が必要。

2024年9月11日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士
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2024年(R6年)二級建築士試験問題解説・知っ得講座 ②「検査規定等の手続き制度」

2024-09-10 08:38:06 | ビジネス・教育学習

◇本年度(2024年)の二級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説を進めていきます。
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

◇「No.2」の問題のキーワードは「名は体を表す」・・・はて?
◇指定確認検査機関というのは、「建築確認と中間・完了検査」を、建築主事に代わって執行する機関です!
◇勿論、法87条に基づく、用途変更申請の「建築確認と中間・完了検査」も執行しますが・・・
◇ただ法87条で、完了検査に変えて建築主事への届け出制度になっている事に注目!⇒完了検査が無い!
◇「名は体を表す」という諺がありますが、この機関もその通りで、手続きだけの業務はしないのです!

◇来年(R7年4月)の法改正で、現在の法6条に基づく二号建築物(木三、500㎡の木造枠)が無くなります。
◇現行法に触れず改正法にも触れない確認・検査規定は「用途変更」ですので、今年の出題の注目分野!
◇確認申請は指定確認検査機関に申請できても、検査が無い「完了届」を受けるのは、建築主事だけです!

◇余計な話ですが、今年(R6年)の一級建築士試験では「用途変更の完了届」の規定が正答出題です!
◇一級、二級のダブル受験の人は、法改正が控えているおかげで儲けものですねっ!・・・知らんけどぉ~
◇という事で「NO.2の検査規定等の手続き制度」の問題解説を記述します。

「NO.2」正答 1
1.誤り。法87条:法87条において、法7条1項における建築主事への検査申請について、「建築主事への届け出」と読み替えるとしているので、用途変更の場合、完了検査では
 なく、建築主事への完了届である。
2.正しい。法93条1項ただし書き、同4項、令147条の3:防火地域、準防火地域内の場合、一戸建て住宅であっても、消防同意を必要とする。
 また、防火地域、準防火地域外の一戸建て住宅であっても、住宅以外の用途に供する部分の床面積が1/2以上、又は50㎡を超える場合には、消防同意を必要とする。
  なお、消防同意を必要としない場合であっても、法93条4項に基づき、消防通知は必要である。
3.正しい。法15条1項:床面積が10㎡を超える建築物の除却の工事を施工する者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。また、建築主が
 建築物を建築しようとする場合も同様に、床面積が10㎡を超える場合には、同様に届け出る義務がある。
4.正しい。法7条の2第4項:工事が完了した日、検査の引受けをした日の「いずれか遅い日から7日以内」に実施すればよく、設問の場合、工事が完了した日の方が遅いの
 で、設問は正しい。
5.正しい。法12条:定期報告制度の条文(法12条)のままの設問である。

2024年9月10日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士
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2024年(R6年)二級建築士試験問題解説・知っ得講座 ①「用語・面積計算」

2024-09-09 09:11:02 | ビジネス・教育学習

◇本年度(2024年)の二級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説を進めていきます。
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

◇「No.1」の問題のキーワードは「土台無理」・・・はて?
◇広辞苑を調べますと、建築的意味(名詞)の他に「物事の基本、もとい、基礎」という意味の記載がある。
◇凡例的使い方として、「土台無理な相談だ・・・」という、副詞的使い方があるのです。
◇そう!この試験問題では、もともと「大規模修繕」の定義では、「土台」は「土台無理」な話なのです。

◇「大規模修繕」は、法2条十四号において、「主要構造部」の一種以上の過半の修繕と規定している。
◇「土台」は、令1条三号において「構造耐力上主要な部分」と規定しているが「主要構造部」ではない。
◇この区分けをすることが大切であることの認識は、必要だと思っています!
◇と、いうことで、冒頭の出題傾向分析表を見て、重要事項の一つであることを理解していただければ・・・!

◇用語定義の問題で、もう一つの重要事項は、「防火性能」と「準防火性能」の相違点を問う問題です。
◇来年(R7年)の出題予測も、面積計算の図形問題ではなく、用語定義の文章問題と想定しています。
◇勿論、他の用語も大切なのですが、試験で受験生を惑わす、この二つの部分は、特に重要なのです。
◇「防火性能」と「準防火性能」の相違点は、「外壁だけなのか、軒裏にまで規制しているか」なのです。

◇余計な一言を付け加えると、今年(R6年)の一級建築士試験では、正答ではない肢問ですが・・・
◇「防火性能(令108条)と準防火性(令109条の9)」の技術的基準の違いを聞いています。
◇「二級では、政令の技術的基準は出ないよっ!」と、切り捨てずに、法令集の参照が大切だと思います!
◇下記解説文の文末の記述も、頭の片隅に置いておいても損はないと思いますよっ!
◇という事で「用語定義の重要事項」を2つ意識して頂いたところで「NO.1」の問題解説を記述します。

「NO.1」正答 3
1.正しい。令1条二号:床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものをいうと規定しているので、1/2のものは「地階」に該
 当する。分り難い場合は、少数に変換して比較すると分かり易いと思います。
2.正しい。法2条二号、令115条の3第一号かっこ書き、別表第1(2)項:特殊建築物の定義である法2条二号に「その他これらに類する用途」との記述があり、これは別表第1の
 用途を指していて、別表第1の表中に「類する用途として令115条の3」との記述があるので、その用途をも含んで「特殊建築物」として規定している。従って、令115条の3第
 一号かっこ書きで、(2)項に類する用途の建築物として「幼保連携型認定こども園」が記述されており、「特殊建築物」に該当する。
  なお、(2)項の用途に類する「児童福祉施設等」とは、令19条において規定していることに注意する。「特殊建築物」の定義は、様々な分野の問題で関連してくるという意味
 で、重要な用語です。
3.誤り。法2条十四号、同五号:「大規模の修繕」は、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいい、主要構造部とは、「主に防火上の重要性」から規定されている部
 分を指しており、「土台」は、主要構造部には該当しないので、過半について行う修繕であっても、「大規模修繕」には該当しない。
  なお「土台」は、令1条三号において規定する「構造耐力上主要な部分」に該当し、「力学上の重要性から定められている部分」である。
4.正しい。法2条三号:「煙突」は、法2条三号に規定する「建築設備」に含まれている。
5.正しい。法23条かっこ書き:設問は、法23条かっこ書きに規定する、「準防火性能」の定義を記述している。
  また、対比する規定として、法2条八号において、防火構造の規定があり、外壁だけでなく、軒裏にも必要とする性能として「防火性能」を規定し、条文のかっこ書きで定
 義している。
  なお、必要とされる性能の技術的基準に関しては、政令で規定しており、令108条で「防火性能に関する技術的基準」として、30分以上の非損傷性、遮熱性能を要求してお
 り、令109条の9で「準防火性能に関する技術的基準」として、20分以上の非損傷性、遮熱性能を要求している。

2024年9月9日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士
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