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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑰

2024-10-24 08:45:28 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.17] 正答「A点における地盤面からの許容最高高さは?・・・3」・・・はて?
◇出題された図形から、法規制にかかわる要素を整理すると
 ・法56条1項一号:道路斜線制限による規定で、法別表第3(は)欄の距離内で高さを規制する。
 ・同2項:道路境界線から後退した建物について、その後退距離の分だけ、一号の適用を緩和する。
 ・法56条1項二号:隣地斜線制限による規定で、一定の高さから上の部分に対して高さを規制する。
 ・法56条1項三号:北側斜線制限による規制で、真北方向に対して高さを規制する。
◇道路斜線制限(法56条1項一号、法別表第3、法56条2項)
 ・法別表第3 (に)欄より、第二種中高層住居専用地域の斜線勾配:1.25
 ・斜線制限の適用距離は、(ろ)欄の容積率(法52条を適用)の限度により(は)欄の規制値を適用する
 ・(前面道路による容積率)10×4/10=40/10 > 20/10(都市計画で定める容積率) ⇒ 20/10を適用
 ・法別表第3 (は)欄より、第二種中高層住居専用地域(容積率20/10以下)の適用距離:20m
 ・建物後退による緩和(法56条2項):5m
 ・南側道路斜線制限による高さの限度の算定:(5+10+5+1)×1.25=26.25m
 ・ただし算定距離を確認すると:5+10+5+1=21m>(適用距離)20m・・・適用距離を超えている。
◇隣地斜線制限(西側):法56条1項二号イ
 ・20mを超える部分からの斜線勾配は、法56条1項二号イに基づき1.25、
 ・建物後退による緩和(法56条1項二号の文中の記述):西側2m
 ・西側隣地斜線:20+(2+2+1)×1.25=26.25m
③北側斜線制限:法56条1項三号
 ・設問の図形内記述により、日影規制の条例制定はないので北側斜線を規定通り適用する。
 ・法56条1項三号に基づき、A点から真北方向の隣地境界線までの距離×1.25+10m
 ・A点の高さ:{(10-1)+3}×1.25+10=25m
∴A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、北側斜線制限の25m・・・「3」

2024年10月24日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑯

2024-10-23 08:32:16 | ビジネス・教育学習
2024年10月20日
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.16] 正答「容積率の算定の基礎となる延べ面積の最大値は?・・・1」・・・はて?
◇出題された図形から、法規制にかかわる要素を整理すると
 ・法42条2項:幅員4m未満の特定行政庁が指定した「道」があるので「みなし道路境界線」を想定。
 ・法52条1項:都市計画で定められた容積率がある⇒商業地域「50/10」、準住居地域「40/10」
 ・法52条2項:前面道路が12m未満の場合、幅員の最大のものに所定の数値を乗じた値以下で規制。
        ⇒道路幅員に、商業地域は「6/10」、準住居地域は「4/10」を乗じた数値以下とする。
 ・法52条7項:容積率の規制を受ける地域が2以上にわたる場合の措置
        ⇒それぞれの地域で算定したものを合算する(通称:面積加重平均)
◇みなし道路境界線による後退(法42条2項):川と道路の境界線から敷地側に4mの線を境界線とする。
 ・商業地域の敷地面積(2mセットバック):10×(10-2)=80㎡
 ・準住居地域の敷地面積(2mセットバック):10×(10-2)=80㎡
◇それぞれの敷地の容積率の規制(法52条1項、同2項)
 ・商業地域:(道路容積率)8×6/10=48/10<50/10(都市計画容積率)⇒規制する容積率は48/10とする。
 ・準住居地域:(道路容積率)8×4/10=32/10<40/10(都市計画容積率)⇒規制する容積率は32/10とする。
◇2以上の容積率の敷地にわたる場合は、それぞれの合計(法52条7項)
∴80×48/10+80×32/10=384+256=640㎡・・・「1」が正答

2024年10月23日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑮

2024-10-22 08:40:14 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.15] 正答「誤っているものは?・・・1」・・・はて?
1.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・法48条8項において、法別表第2(ち)項に掲げる建築物以外は建築できないとしている。
 ・法別表第2(ち)項一号において、同(い)項九号に掲げるものは建築できるとしている。
 ・九号では、政令(令130条の4)に定める公益上必要な建築物は建築できるとしている。
 ・令130条の4第二号において、用途上「老人福祉センター」は、建築できることになる。
 ・しかし、延べ面積600㎡以内という面積制限がある。
 ・従って、「延べ面積700㎡の老人福祉センター」は建築できない事になり、設問の記述は誤り。
2.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法48条9項において、法別表第2(り)項に掲げる建築物は建築できないとしている。
 ・法別表第2(り)項一号において、同(ぬ)項に掲げるものと規定し、建築できないことになる。
 ・(ぬ)項二号かっこ書きに、日刊新聞の印刷所は、建築できないものから除くと規定している。
 ・その場合、自動車修理工場は面積の規定があるが、日刊新聞の印刷所には、無い。
 ・従って、日刊新聞の印刷所は、面積・規模に関係なく、建築できるので、設問の記述は、正しい。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・「地方公共団体の支所」は、令130条の4第二号該当の、建築できる用途の公益上必要な建築物である。
 ・法別表第2(い)項九号、同(ろ)項一号、同(は)項一号において、建築できると規定している。
 ・同(に)項~(か)項においては、建築できない用途ものに該当していない。
 ・しかし、延べ面積600㎡以内という面積制限の規定がある。
 ・従って、設問の規模であれば、どの用途地域においても建築できるという設問の記述は、正しい。
4.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法48条14項において、法別表第2(か)項に掲げる建築物は建築できないとしている。
 ・しかし、床面積の合計が10,000㎡を超える店舗について、建築できないとしている。
 ・従って、設問の規模の用途の建築物は、建築できるので、設問の記述は、正しい。

2024年10月22日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑭

2024-10-21 08:46:15 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.14] 正答「誤っているものは?・・・4」・・・はて?
1.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法42条において道路幅員は4m以上と規定しているが、同条かっこ書きで、6m以上の場合がある。
 ・特定行政庁が、気候・風土の特殊性等により必要と認める指定区域内では、6m以上と規定できる。
 ・ただし、都道府県都市計画審議会の議を経て指定するという条件付である。
 ・従って、「6m以上とする場合がある」という、設問の記述は正しい。
2.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法43条で、建築物の敷地に、建築基準法42条に規定する道路に、2m以上接することを規定している。
 ・しかし同条かっこ書きで次のものを除くとし、接道義務対象としない道路を、各号に規定している。
 ・法43条1項一号で、自動車専用道路(接道義務の対象としない道路)
 ・同二号で、地区計画区域内における都市計画法12条の11に規定する併用利用区域内限定のもの
 ・ちなみに都市計画法12条の11では、道路上空・路面下に適切に建設される建築物の併用敷地と規定。
 ・従って、設問の自動車専用道路は、法43条1項一号に該当し、設問の記述は、正しい。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法44条において、道路内に建築物等を、原則、建築することを規制している。
 ・しかし、ただし書きで規制対象としないものが列記されている。
 ・同一号で、地盤面下の建築物は、建築規制の対象外であり、建築できることになる。
 ・設問の建築物付属の地下通路であるが、建築物の一部と解釈されている。
 ・従って、地盤面下の建築物の一部として、道路内建築物規制の対象外となり、設問の記述は、正しい。
4.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・前肢問「3」同様に、法44条における道路内建築物等の建築規制を問いかけています。
 ・法68条の7において、地区計画区域内で、特定行政庁が予定道路を指定する規定が記述されている。
 ・また同4項において、予定道路が指定された場合、法44条の規定は適用されるとしている。
 ・しかし、法44条1項ただし書き四号において、建築制限適用除外が規定されている。
 ・では、上空に設ける渡り廊下についての規定は、どこに記述されているのか?
 ・令145条2項に、上空に設ける渡り廊下につての規定があり、法44条1項四号に該当する事になる。
 ・すなわち、法44条1項に基づき予定道路上空の渡り廊下は、特定行政庁の許可が必要という事になる。
 ・従って、特定行政庁の許可なく新築できないことになり、許可なく新築できるという記述は、誤り。

2024年10月21日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑬

2024-10-17 08:25:29 | ビジネス・教育学習

◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.13] 正答「誤っているものは?・・・4」・・・はて?
1.この設問は、何故、正しいのか?
 ・建築物の実況によらないで、床の積載荷重として採用する数値は、令85条1項の表に規定している。
 ・また、同2項の表において、柱の支える床の数に応じて、数値を減じる措置の規定がある。
 ・設問の場合、表より、積載荷重を減じる数値は「0.95」となる。
 ・教室の柱の構造計算をする場合の積算荷重は、表(3)項(ろ)欄より「2,100 N/㎡」である。
 ・従って、「2,100×0.95=1,995 N/㎡」となり、設問は正しい。
2.この設問は、何故、正しいのか?
 ・木材の繊維方向の許容応力度は、令89条に規定している。
 ・令89条の表の下欄において、引張りの大臣が定める基準強度は「Ft」と規定している。
 ・令89条の表において、引張りの長期許容応力度は「1.1Ft/3」である。
 ・従って、設問の記述は、正しい。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・ステンレス鋼の材料強度は、令96条に規定している。
 ・鋼材等の種類・品質に応じて国土交通大臣が定める基準強度は、令90条1項表の下欄に「F」と規定。
 ・従って、引張りの材料強度を国土交通大臣が定める基準強度と同じ数値としている条文は、正しい。
4.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・鋼材の突合せ溶接における、溶接継目ののど断面に対する許容応力度は、令92条に規定している。
 ・令92条の表に基づき、設問の数値は、長期の許容応力度である。
 ・短期の許容応力度に関しては、表記載のそれぞれの数値の1.5倍と規定している。
 ・また、同表下欄において、Fは国土交通大臣が定める基準強度と規定している。
 ・従って、短期は「(1/1.5√3)×1.5」となり、「基準強度の1/√3」が正しく、設問の記述は、誤り。

2024年10月17日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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