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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑫

2024-10-16 08:31:49 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.10] 正答「誤っているものは?・・・1」・・・はて?
1.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・構造計算の荷重・外力に関する規定は、第2款に規定され、地震力は令88条に規定されている。
 ・設問では、地下部分に作用する地震力を聞いてきており、技術的基準は令88条4項に規定されている。
 ・令88条4項では、固定荷重と積載荷重との和に次式に適合する「水平震度」を乗じて計算すると規定。
 ・従って、「地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない」という、設問の記述は誤り。
2.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令82条の6第一号により、許容応力度計算を行う場合には令82条の2の規定への適合を求めている。
 ・令82条の2では、地上部分について、地震力による層間変形角が1/200以内である事を求めている。
 ・従って、層間変形角が所定の数値以内である事を確かめる事を求めている設問の記述は、正しい。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令82条の6第二号において、許容応力度計算では、各階の剛性率を6/10以上とする規定がある。
 ・しかし、保有水平耐力計算の場合、令82条の3第二号において、剛性率の制限を規定していない。
 ・剛性率、偏心率に応じて、国土交通大臣が定める方法と規定している。
 ・従って、剛性率が6/10以上であることを確かめなくてもよいという設問の記述は正しい。
4.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令81条2項一号では、「イ」において「保有水平耐力計算」による安全性確認を規定している。
 ・同「ロ」において、「限界耐力計算」による安全性確認を規定している。
 ・しかし、同2項の規定では、一号、二号のいずれも「いずれかに該当する構造計算」と規定している。
 ・従って、「限界耐力計算をすれば保有水平耐力計算はしなくてもよい」という設問の記述は、正しい。

2024年10月16日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑪

2024-10-15 09:03:21 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.11] 正答「誤っているものは?・・・2」・・・はて?
1.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法20条1項二号イに基づく法6条二号の一定規模以上の建築物の技術的基準を令36条2項に定める。
 ・令36条2項一号で、令81条2項一号イ(保有水平耐力計算)をした場合の、仕様基準を規定している。
 ・原則、本節(第1節)~第4節の2までと第5節の定める仕様基準への適合を求めている。
 ・しかし、かっこ書きで、除くとしている(適用しなくてもよい)仕様基準が列記されている。
 ・その中に、令77条四号「柱の帯筋比0.2%以上」が含まれている。
 ・従って、設問の記述は、正しい。
2.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・前設問同様に令81条2項一号イ(保有水平耐力計算)をした場合の仕様規定の適用可否の問題です。
 ・除外する仕様規定の中に、令78条の2第1項一号「耐力壁の厚さ12㎝以上」は含まれていない。
 ・従って、設問の仕様は遵守しなければならないので、設問の記述は、誤り。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令81条2項一号ロに掲げる構造計算(限界耐力計算)をした場合の仕様規定の適用可否の問題です。
 ・令36条2項二号において限界耐力計算の場合、耐久性関係規定(令36条1項)への適合を求めている。
 ・令36条1項(耐久性関係規定)の中に令68条1項「ボルト等の相互間の中心距離」は含まれていない。
 ・従って、設問の仕様基準は遵守しなくてもよく、設問の記述は正しい。
4.この設問は、何故、正しいのか?
 ・前設問同様に、耐久性関係規定の中に、設問の規定(令73条1項一号)はない。
 ・令73条1項一号ただし書きで、原則、としての遵守規定がある。
 ・柱の出すみ部分の異形鉄筋の末端については、かぎ状に折り曲げることを要求している。
  ・しかし。令73条1項一号「柱の出すみ部分の異形鉄筋の定着の規定」は、耐久性関係規定ではない。
 ・従って、設問の仕様基準は遵守しなくてもよく、設問の記述は正しい。

※注意事項:令36条1項2項の構造計算方法による、仕様基準適合性有無の設問は、出題傾向が高い!

2024年10月15日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑩

2024-10-11 08:17:21 | ビジネス・教育学習

[No.10] 正答「誤っているものは?・・・4」・・・はて?
1.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令129条の13の3において、非常用の昇降機の設置及び構造に関する規定がある。
 ・問題文では、乗降ロビーの構造を聞いてきており、同3項に、その事を規定している。
 ・そして、第3項二号において、「バルコニーを設けること」と規定している。
 ・しかし、同13項において、設問の記述の場合には、第3項二号の規定は適用しないとしている。
 ・従って、設問の場合においては、バルコニーの設置を要しないという記述は、正しい。
2.この設問は、何故、正しいのか?
 ・非常用のエレベーターを設けた建築物とは、法34条2項に該当する建築物ということになる。
 ・令126条の3第1項十一号で、排煙設備の制御及び作動状態の監視を中央管理室で行う事を規定。
 ・令129条の13の3第7項で、非常用エレベーターの構造等に関して、中央管理室で行う機能を規定。
 ・従って、条文通りの設問の記述は、正しい。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令32条1項一号の表に、合併処理浄化槽の汚物処理性能の技術的基準の基準値が記述されている。
 ・処理対象人員400人の場合の生物化学的酸素要求量の除去率、生物化学的酸素要求量は表に記述。
 ・放流水に含まれる大腸菌群数の基準値は、表ではなく、令32条1項二号の条文に記述されている。
 ・いずれの数値も、表と条文の基準値を満たしており、設問の記述は正しい。
4.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・令129条の12第3項において、エスカレーターの踏段の積載荷重を規定している。
 ・基準に適合するには、条文に規定する式で算定した数値以上とする必要がある。
 ・踏段面の水平投影面積が13㎡の場合、2,600×13㎡=33,800ニュートン(33.8kN)以上とする必要がある。
 ・従って、設問の33 kNとすることはできないので、設問の記述は誤り。

2024年10月11日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑨

2024-10-10 08:20:57 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.9] 正答「誤っているものは?・・・2」・・・はて?
1.この設問は、何故、正しいのか?
 ・法35条の3において、無窓居室(令111条に規定)は、原則、耐火構造又は不燃材料で造る事と規定。
 ・しかし令111条後段かっこ書きで大臣が定める基準(告示249号)に適合するものを除くとしている。
 ・告示249号第一号イにおいて、「30㎡以内の居室」であることに適合し、設問は該当している。
 ・同・第二号ヘにおいて、警報設備(自動火災報知設備に限定)の設置を規定し、設問は該当している。
 ・従って設問の措置(示249号に適合)により、無窓居室であっても、設問の記述は、正しい。
2.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・令123条2項二号により、設問の出入り口の防火設備は、前項(令123条1項)六号に規定としている。
 ・同号では法2条九号の二ロに規定する防火戸とし、令109条の2により「20分遮炎性能」を要求。
 ・従って、「10分遮炎性能」では基準に適合しないので、設問の記述は誤り。
 ・なお、令112条19項二号において、遮煙性能も要求していることにも注意が必要。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・設問の建築物は、令128条の4第1項一号の表(1)項に該当する、内装制限対象の特殊建築物である。
 ・内装制限対象の特殊建築物の仕上げに関しては、令123条の5第1項に規定されている。
 ・令128条の5第1項一号イの規定に基づき、2階建てなので、難燃材料で仕上げることができる。
 ・準不燃材料以上の仕様を要求しているのは、同かっこ書きで、3階以上の天井部分である。
 ・従って、設問の記述は正しい。
4.この設問は、何故、正しいのか?
 ・設問の建築物は、令128条の4第1項二号に該当する、内装制限対象の特殊建築物である。
 ・自動車車庫等は、規模に関係なく、令128条の5第2項に該当する。
 ・従って、同1項二号に基づく準不燃材料以上の仕上げを必要とし、設問の記述は正しい。

2024年10月10日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2024年(R6年)一級建築士試験問題の解答を考えよう! ⑧

2024-10-09 08:53:41 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の一級建築士試験の問題文と正答表が公表されています。
◇公表された試験問題を参照しながら、設問ごとに解答を、一緒に考えていきたいと思っています!
◇問題文と正答表は、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページをご参照ください。

[No.8] 正答「誤っているものは?・・・1」・・・はて?
1.この設問は、何故、誤っているのか?
 ・法36条において、第2章(単体規定)の実施を補足する技術的基準を政令に定めるとしている。
 ・政令の第5章に「避難施設等」の規定があり、非常用進入口は第5節(令126条の6、同7)に規定。
 ・令126条の6において、原則、高さ31m以下の建築物の3階以上の階への設置を義務付けている。
 ・令126条の7において、その構造を規定し、同二号において、進入口の間隔を40m以下と規定。
 ・ただし一号において、幅員4m以上の通路等に面する外壁面に設けることとしている。
 ・その意図は、消防隊の進入を妨げない通路でなければ、活動ができないという考え方のようです。
 ・従って、「外壁面の長さ40m以内ごと」と、外壁面の接面条件を付けていない設問の記述は、誤り。
 ・なお本年(R6年)二級建築士問題では、二号の条文通りの進入口の間隔だけの記述なので正しい設問。
2.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令123条3項十二号において、特別避難階段の構造の、15階以上の階におけるものを規定している。
 ・各階の階段室及びこれと屋内とを連絡するバルコニー又は付室の床面積を、用途別に要求している。
 ・法別表第1(い)欄(1)項又は(4)項に掲げるものは、居室の床面積に「8/100」を乗じたもの以上を要求。
 ・法別表第1(い)欄(1)項又は(4)項以外のものは、居室の床面積に「3/100」を乗じたもの以上を要求。
 ・従って、設問のホテルは、同(2)項に該当するので、設問の記述は正しい。
3.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令121条1項五号において、共同住宅等の特殊建築物の2以上の直通階段を要求することを規定。
 ・同六号ロにおいて、一般建築物の2以上の直通階段を要求することを規定。
 ・両方の条項共、原則、100㎡を超えるものは、2以上の直通階段を必要とすると規定している。
 ・しかし、同令2項において、耐火構造、不燃材料で造られている場合は、200㎡に緩和すると規定。
 ・従って、設問の建築物は、2以上の直通階段を設けなくてもよいので、設問は正しい。
4.この設問は、何故、正しいのか?
 ・令125条2項において、集会場等の客用の屋外への出口の戸を内開きとすることを禁じている。
 ・令128条において、敷地内通路の幅を規定しており、原則、1.5m以上を要求している。
 ・なお、条文かっこ書きで、階数3以下で延べ面積200㎡未満の場合、90㎝とできる緩和条項がある。

2024年10月9日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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