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平成30年度二級建築士試験「建築法規」解説 Vol.1

2018-09-23 10:21:45 | ビジネス・教育学習
◇今週は、平成30年度の二級建築士試験「建築法規」の解説をします。
◇先週の木造建築士試験解説同様、毎日、5問づつ解説してきます。
◇巷に、二級建築士試験解説は溢れていますので、世間の解説とは、一味違うものを狙います。
◇二級建築士受験講座でのキャリアを活かし、受験生の反応を反映した解説とするつもりです。
◇なお、木造建築士試験同様に、問題文と正答表に関しては、公表されています。
◇公益財団法人 建築教育普及センターのH.P.で確認してみてください。

〔No.1〕は、定番の図形問題で、図形を参照して、敷地面積、建築面積、延べ面積、建物の高さ、階数を問う、比較的簡単な問題です。この問題では、建築面積の算定を間違いますと、正答は導き出せませんので、建築面積は間違えないようにしてください。
 正答5(令2条参照)
 1.正しい。令2条1項一号(敷地面積):(20-1)×25=475㎡・・・法42条2項道路の「みなし道路境界線」の理解が前提です。
 2.正しい。令2条1項二号(建築面積):(1+10+1)×15=180㎡・・・持ち出しバルコニーと庇の算定方法の理解が必要です。
 3.正しい。令2条1項四号(延べ面積):(10×6)+(10×15)+(10×15)+(4×6)=384㎡・・・床面積の合計です。
 4.正しい。令2条1項六号(高さ):建築面積(180㎡)×1/8=22.5㎡<4×6=24㎡(PH面積) ∴3.5+3.5+3=10m
 5.誤り。令2条1項八号(階数):PHも地下倉庫も建築面積の1/8を超えており、階数に算入し、階数は「4」

〔No.2〕は、制度手続き等の複合問題です。毎年のように法15条が出題されています。法15条は、暗記しておいた方が良いと思います。正答の「軽微な変更」の定義ですが、法令集に省令(施行規則)の参照するページ数まで記載があるので、早く法令集を引くことが大切です。
 正答4
 1.正しい。法12条5項一号
 2.正しい。法7条の6第二号
 3.正しい。法15条:床面積10㎡以内の場合、施工者は建築物除去届を都道府県知事に出す必要はない。
 4.誤り。法6条1項かっこ書き、規則3条の2:国土交通省令で定める軽微な変更には、確認申請を要しない。設問のものは、省令「規則3条の2第1項
      四号」の軽微な変更に該当し、計画の変更を行う場合、改めて確認済の交付を受ける必要はない。
 5.正しい。法89条1項

〔No.3〕は、毎年出題される確認済証の交付の必要性を問う問題です。今回の特徴は、建築物の定義(プラットホームの上家)を問う内容を含んでいる事だと思います。「プラットホームの上家」の定義を問う問題は、過去、用語の定義のところで出題されたことがありますが、今回は、確認申請の問題に含んでの出題です。確認申請の問題では、私の講座の受講生の演習経過からいうと、法6条1項の一号~四号の建築物への該当判断でつまずく場合が多いです。法6条1項の何号に該当する建築物かの判断がしっかりできるようにすることが肝心です。あと、法6条2項の増改築等への緩和規定が、よく出ます。法令集をみなくても理解できるようにしたいところです。
 正答4
 1.確認の必要はない。法88条1項、令138条1項五号:2m以内の擁壁は、確認対象外。
 2.確認の必要はない。法6条1項一号、別表第1(い)欄、法6条1項三号:100㎡を超えているが、患者の収容施設を有しないものは、一号に該当する
           特殊建築物ではなく、構造・規模も三号に該当しないので、設問の建築物は四号に該当し、大規模修繕は確認対象外である。
 3.確認の必要はない。法2条一号、法6条1項:プラットホームの上家は、建築物に該当しないので、法6条1項の確認対象外である。
 4.確認が必要。法6条1項三号:鉄骨造2階建ては、三号に該当するので、確認を要する。
 5.確認の必要はない。法6条2項:防火・準防火地域外の10㎡以内の増築は、確認を要しないので、全国どこの場所でも確認が必要ということでは
           ない。

〔No.4〕は、採光、換気、階段等の一般構造規定の複合問題です。採光計算における、境界線とみなす位置を問う問題で、日頃から受験勉強で把握しておくべき事項だと思います。また、ホルム対策の換気問題は、計算問題を含めて、重要事項と考えています。法28条2項の換気窓の規定を満足しても、法28条の2に基づく、ホルム対策規定が適用になり、居室には、原則、令20条の8による換気設備を必要とするからです。 
 正答5
 1.適合する。令23条1項、同2項
 2.適合する。法19条1項
 3.適合する。法28条の2第三号、令20条の7第1項一号かっこ書き
 4.適合する。令20条の8第1項一号イ(1):Vr=nAh
        n=0.5(住宅の居室)、A(居室の床面積)=16㎡、h(天井高)=2.5m 
        必要有効換気量:0.5×16×2.5=20㎥/h ∴20㎥/h 以上であればよい。
 5.適合しない。令20条2項一号:川などに面する場合、水面幅の1/2だけ境界線の外側にあるものとして算定する。反対側の境界線ではない。

〔No.5〕は図形問題で、建築基準法上の天井高さを算定する問題です。算数の問題といってもいいかもしれません。計算方法は複数ありますので、ここでは、あくまで、その中の一つの方法として捉えてください。算数の問題と同じです。
 正答4
 ・欠損部分が無いとした場合の全体の容積:10×6×3=180㎥
 ・欠損(勾配天井の三角柱部分の断面積)3×1÷2=1.5㎡
 ・欠損(勾配天井)部分の容積:1.5×6=9㎥
 ・全体の容積:180-9=171㎥
 ・建築基準法上の天井高さ:171÷(10×6)=2.85 m

◇問題文と正答表に関しては、公益財団法人 建築教育普及センターのH.P.をご参照ください。
◇過去3年分について公開され、ダウンロード可能です。
◇二級建築士については、下記アドレスにて、問題文を参照しながら勉強してください。

「建築計画と建築法規」の問題
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-mondai-h30-gakka1_2.pdf
「正答表」
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-h30-gakkagoukakukijun.pdf

2018年9月23日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」


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