3月10日(土)10時半 漁港の水門を抜ける。
2月中、漁港を通ると凍るような海風だったが
今日は、潮の香りと海風の薫りは柔らかく春近づく港だ。
毎土曜は私が買出しに出かける日だ。
漁港の魚屋で鍋用のタラを買う。
国道14号線を横切り、明治38年創業の豆腐屋で木綿豆腐を一丁
そこから、御殿通りに出て乾物屋で煮干を量り売りで買う。
そして製麺所に向かい、ラーメンを買う。
製麺所のオバサンに、「ラーメン店こまつや」の場所を尋ねた。
居酒屋あんこうの常連客、町内会長が旨い店だと言った。
又あんこうの店主もスープまで飲み干せる
昔ながらの醤油ラーメンだと教えてくれた。
但し、午前11時より麺がなくなり次第閉店。
午後2時頃で終わるようだ。
製麺所のオバサンに「旨いか」?聞くと
食べたことないし、あたしはラーメン好きではない」と返事した。
製麺所から表通りに出て左折して
2分程歩くと対面に暖簾が見えた。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hidepark/mise-komatuya.htm
今日はラーメン買ったので食べられないが、自ら確かめればならない。
午睡後14時半 BSでイタリア映画ニューシネマパラダイスを見る。
同時に
先ほど買った煮干の頭と腹の黒くなった部分を取り出し
ミキサーでミールにする。
煮干は前日から水出汁するのが面倒になり
粉末にして、味噌汁、ラーメンスープ、その他にぶち込むようにした。
経済的、カルシウムも取れ、血圧も下がり、食道癌予防もなり
老化した身体には良いのだろう。
禿げにならないとの話も聞くが幸い禿げではない。
3年前血圧が180~100だったが、
血圧降下剤、運動もあるが
去年 10月頃より血圧が朝120~65に下がった。
さて今まで、ニューシネマパラダイスは4回見ている。
煮干をほぐしながら、笑ったり、微笑んだり、涙目になったり。
年齢重ね、人生の苦楽を経て見ると一層映画の味わいが深まる。
娘にニューシネマパラダイスの感想を聞くと
「音楽は良いけれど、内容はつまらない」と言う。
至極当然の答えだ。
そうだったのかと感ずる年齢に達するにはまだ若過ぎる。
これは男が幼少、青年、壮年、老年を辿る人生劇場だ。
年代でいけば私と同世代。
冒頭シーン、第二次世界大戦で主人公の父親がソ連で戦死したことを
暗示させる。イタリア映画の名作 ひまわり を思い出す。
敗戦国になったイタリアの子供も日本の子供も同じような
家庭環境で貧しいけれど逞しく成長して
青春期、感受性が溢れ、押し留められない情念にまっしぐら。
恋、そして失恋、軍隊、上京、一人暮らし
人生を導き人との出合いと死。
そうやって壮年、老年になって走馬灯のように
背負ってきた過去を振り返る。
一言。
この映画をつまらない、コメディーだとか言う
50代過ぎのオジサンとは話したくないし、付き合いも拒絶する。
人生の哀歓を共有できない老人程
物欲が体全体に滲みでて卑しい。
恩ある人
怨ある輩
逝ってしまった友
逃亡した愚か者
添い遂げられなかった女
そんな過去を自分に置き換えて眺める。
かけ替えのない日々を懸命に生きている。