9月20日(金) 19時 両国橋を渡る。
スカイツリーと屋形船の灯りが漆黒の波間に照り返す。
初秋、川面の風も肌に颯爽と抜ける。
国道沿いの空を見上げるとビルの真上横から
十六夜の月が恥ずかしげに覗いている。
十六夜の月の意味は 日の出満月より遅く出るので
ためらっていることかららしい。
居酒屋かちかち鳥のテラスで飲むことにした。
八海山、焼き鳥、店主が試作中のかちかちサラダを戴く。
実は年甲斐もなく 十六夜の曲が大好きで
気持ちが沈んだ時に聴くのだ。
http://www.youtube.com/watch?v=c5dtsnH_eFk
地球と月の関係は、人生の人間関係のようだ。
互いに相手との位置を引いたり、押したり
明るく照らす、少しずつ欠けてゆく
新月になる時もある。
微妙な間合いが取りながらも
切っても切れない関係。
恋愛も恋人同士が距離バランスを保ち互いの心を揺さぶる。
帰り際、店主が少しお待ちくださいと言った。
店内のライトが消され
キャンドルケーキがゆっくり現れた。
今日は店の女性の誕生日です。
まだまだ、未来ある明るいお年頃なのだ。
生きてきた時間よりも生きようとする時間が
加速度的に短くなった。
ビルの谷間の一隅のテラスで
今宵、十六夜の月を眺めて
過ぎ去った友情、愛情に想い馳せ
星になってしまった仲間と地上にしぶとく生きる
私とで酒を飲もう!