to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

2015-03-19 21:40:01 | the cinema (ア行)

挑むのは、世界最強の暗号――。

英国政府が50年以上隠し続けた、天才アラン・チューリングの真実の物語。

原作 THE IMITATION GAME
製作国 イギリス/アメリカ
上映時間 115分
原作 アンドリュー・ホッジェズ
脚本 グレアム・ムーア
監督 モルテン・ティルドゥム
出演 ベネディクト・カンバーバッチ/キーラ・ナイトレイ/マシュー・グード/ロリー・キニア/アレン・リーチ/マシュー・ビアード/チャールズ・ダンス/マーク・ストロング/アレックス・ロウザー/ジャック・バノン

第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリングはドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。

今回は伝記ドラマというのもあって、少しネタバレで、
でも、感想はほんのちょっとだけ。
先日のスティーヴン・ホーキング博士と、ほぼ30年しか違わない同じ英国の天才でありながら、
コチラのアラン・チューリングの人生を懸けたエニグマ解読のマシン作りの、
その功績に対する評価…―それが当時は仕方がないにしても
その後の余りに酷い人生…を思わずにいられない。ナゼ?!

プロローグは不思議な窃盗未遂事件―、なのだが、、
この時のあるシーンが、実はとても重要だった…―
これ以下は、寄宿学校の少年期のアランのエピソードと
ブレッチリー・パークで過ごした日々の回想で構成され、知られざる彼の秘密を解いていく。

1939年に27歳の天才数学者が英国政府の機密作戦に、自ら売り込むところから、
若き天才数学者アラン・チューリングの、天才ゆえの傲慢さ全開で始まり、
ドイツ軍の暗号機“エニグマ”攻略に、文字通り心血を注いでいく。
この時ブレッチリー・パークに集まるメンバーが、もう、英国イケメン紳士だらけ。


MI6のミンギス役のマーク・ストロング「ロックンローラ」「シャーロック・ホームズ
チャールズ・ダンス「タロットカード殺人事件」『ラヴェンダーの咲く庭で
リーダーのヒュー役はマシュー・グード「マッチポイント」「シングルマン」
マシュー・ビアード『ワン・デイ 23年のラブストーリー
アレン・リーチは私は見逃した「グランドピアノ 狙われた黒鍵」というよりも、
TVドラマ「ダウントン・アビー」のトム・ブランソンが印象的。
そして、、

この天才の秘密を解き明かす、少年期の2人。
天才故に孤立し、親にまで変わり者だと言われていたチューリングを救い、
彼に道標を与えて、強く生きる事を教えた友人の名は―…



戦争は多くのものを奪うけれど、
戦う人間は、戦いを終わらせるためにまた凄いものを生み出す。そしてそれは、
変わり者の天才によって成し遂げられた。――

今のコンピューターの概念を創造し「人工知能の父」と呼ばれた英雄に対し、当時の英国政府が取った措置は致し方ないとしても、
今では考えられない同性愛者への法と人権を踏みにじる措置に、
怒りと哀しみで胸が震える、、、。
カンバーバッチ演じる天才数学者の愛と軌跡に心を添わせて、
アラン・チューリングの不器用ながら仲間と触れ合い変わっていく姿と純粋さに打たれ、
42年の人生の終末にただ涙。
しばらくはリンゴをみると切なくなりそうです。

2001年(マンチェスター大学に隣接するサックビル・パークにベンチに座っている形の銅像が設置された。
この銅像はリンゴを持っている。リンゴは古来「禁じられた愛」の象徴であり、アイザック・ニュートンの万有引力の法則も思い起こさせるし、チューリングの死の状況も思い起こさせる。
また、台座には「計算機科学の父、数学者、論理学者、戦時中の暗号解読者、偏見の犠牲者と記されている。」
)wikiより抜粋

1年前の記事・・・
あなたを抱きしめる日まで
それは、人生を取り戻す旅原題 PHILOMENA 製作年度 2013年製作国・地域 フランス/イギリス上映時間 98分原作 マーティン・シックススミス 『あなたを抱きし...
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アメリカン・スナイパー

2015-03-04 21:48:27 | the cinema (ア行)

原題 AMERICAN SNIPER
上映時間 132分 映倫 R15+
原作 クリス・カイル 『ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』(原書房刊)
監督 クリント・イーストウッド
出演 ブラッドリー・クーパー/シエナ・ミラー/ルーク・グライムス/ジェイク・マクドーマン
2001年のアメリカ同時多発テロをテレビで目の当たりにした青年クリス・カイルは、祖国の人々を守るために貢献したいとの思いを強くし、ネイビー・シールズで狙撃手としての過酷な訓練に励んでいく。やがてイラクに出征したクリスは、その驚異的な狙撃の精度で味方の窮地を幾度も救っていく。仲間たちから“レジェンド”と賞賛される活躍をし、無事に帰国したクリス。これでようやく、愛する妻タヤと生まれたばかりの長男と共に平穏な日常を送れるかに思われたが…。

公開して直ぐに観たのに、恭子ちゃん祭りの為(笑)感想が遅くなりましたが、
これ以上遅くなると未だに記事にしてない「インターステラ―」の二の舞になること確実なので
ひと言感想を。
過去にもアメリカ兵のPTSDをテーマにした作品は印象深いものが多いけれど、
本作は実話であり、また、奇しくも最新の悲劇を描いている、リアルな戦争ドラマでした。

主な舞台は9.11以降のイラク戦争。――なのだけれど、
クリスの少年期の、カイル家の教えが描かれたプロローグがあって、
ちょっと残念な青年期があって、、、2001年の同時多発テロを迎え、ネイビー・シールズに入隊する。
そこがやはり観客の心を掴むポイントだったと思う。さすが、イーストウッド監督!

闘えない「羊」.....その羊を喰う「オオカミ」、、、、羊をオオカミから守るのは「犬」だ。
そしてクリスは射撃の腕を買われ、戦場で「どんな過酷な状況でも仲間を守る」スナイパーとなり、
“レジェンド”と崇められる存在となり、愛国心の強い、忠実な「犬」となる
しかし、度重なるイラクでの戦闘では、「守れなかった」作戦もあり、、
アメリカの正義を信じ、任務に実直なクリスが、次第に病んでいく過程が苦しい・・・。


原作にあるのかどうか知らないけど、この作品のテーマを見事に描いた一瞬。
それが、クリスが「犬」に殴り掛かるシーンに象徴されているのがイーストウッド監督の凄さだと思うけど
それは実際のエピソードなのか、
イラク戦争の是非を問う、監督の変化球なのか。。。

ざらついた映像も、無音のラストも素晴らしかった

1年前の記事・・・
ホビット 竜に奪われた王国
原題 THE HOBBIT: THE DESOLATION OF SMAUG製作年度 2013年製作国・地域 アメリカ/ニュージーランド上映時間 161分監督 ピーター・...
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オーケストラ!

2015-02-19 12:39:27 | the cinema (ア行)

原題 LE CONCERT 
初公開 2010年
上映時間 124分
製作国 フランス
監督 ラデュ・ミヘイレアニュ
出演 アレクセイ・グシュコフ/メラニー・ロラン/フランソワ・ベルレアン/ミュウ=ミュウ/ドミトリー・ナザロフ
かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレは、今はさえない劇場清掃員として働いていた。ある日、出演できなくなった楽団の代わりのオーケストラを探しているというFAXを目にした彼は、とんでもないことを思いつく。それは、いまや落ちぶれてしまったかつての仲間を集めて楽団を結成し、コンサートに出場するというものだった。

公開当時、かなり評判が良かったコチラの作品、録画鑑賞。
アチラのユーモアのセンスを受け入れられるか、が結構比重が高いポイントになる。

ソ連時代、国がユダヤ人排斥の政策を強行、ユダヤ系の演奏家たちも例外なく排斥されることに反旗を翻した天才指揮者は、
音楽界から追われて30年。現在の楽団員の練習を観る事も禁じられ、
劇場の清掃夫に甘んじていたが、彼の脳内にはいつも音楽があった。
そんなアンドレに千載一遇のチャンスが降ってきた!

奴らの代わりに俺たちがパリに行くんだ!
何としても。昔の仲間で!
ソリストのアンヌ=マリー・ジャケとチャイコフスキーは譲れない!!


アンドレは元チェロ奏者、サシャの救急車を足に共に音楽界を追われた元楽団員の元へ。
今はタクシーの運転手、蚤の市業者、ポルノ映画の効果音担当など
楽器から離れて生計を立てていた人などを集めまくり、
ボリショイ交響楽団に成りすまして憧れのパリに降り立つ一行の喧騒の日々。

カネ無し、人なし、時間無し!という、まるで『超高速!参勤交代』のよう(笑)
ここでもパスポート無し、を乗り越えるウルトラ業が(笑)
幾つもの障害を強引に、生き生きと、ユーモラスに乗り越えていくのだが…

人の寿命的には、30年は半分より短い。
だけど、円熟期からの30年は、、如何にも長い。。。が、アンドレは諦めない。
失われた30年は取り戻すことは出来なくても、
取り戻したかったモノ!

答えはラスト10分ほどの彼らの演奏の中で明かされる。

パリ到着以降の団員たちの行動など、よりドラマティックに、の展開が、
如何にも都合良すぎて、心は「あり得ない!」と叫んでいるのに
圧巻のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲に心を持って行かれる、やられてしまう1本。
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映画 ST赤と白の捜査ファイル

2015-02-05 20:06:04 | the cinema (ア行)

最後の敵は、昨日までの“バディ”。

…キャップ、サヨナラだ…。

上映時間 109分
原作 今野敏 『ST 警視庁科学特捜班』シリーズ(講談社刊)
脚本 渡辺雄介
監督 佐藤東弥
主題歌 ファンキー加藤『太陽』
出演 藤原竜也/岡田将生/志田未来/芦名星/窪田正孝/三宅弘城/ユースケ・サンタマリア/安達祐実/鈴木梨央/田中哲司/林遣都/瀬戸朝香/渡部篤郎

警視庁の特殊機関「ST」はキャップである百合根のもとに優秀だが変わり者の分析官が集まっていた。トラブルを起こしながら(?)乗り越えながら(?)数々の難事件を解決してきた「ST」だったが――
囚人の脱獄事件を引き起こした天才ハッカー鏑木徹の焼死体が発見され、容疑者として警視庁科学特捜班STリーダー赤城左門が逮捕されてしまう。リーダー不在のSTは解散を余儀なくされるが、そこへ拘置所から赤城が脱走したとの知らせが。そして皮肉にも、赤城を捕まえるためにSTが再結成されることに。2日後に異動を控えた“キャップ”こと百合根友久も捜査に参加する。赤城の無実を信じる彼は、やがて事件のカギを握るあるコンピュータ・ウィルスの存在に辿り着くが…。

コチラは公開して直ぐに観たのに、記事が今頃になってしまいましたが、
ドラマの大ファンでしたので、満足の1本でした

映画化といっても、舞台が外国になるとか、ゲスト俳優陣が大物とかで釣るのではなく、
あくまでも天才軍団・STメンバーを中心に置いて事件が、物語がいつものように展開されるので、
はらはらはなくてもわくわく、うきうきだろうか


天才ハッカーによる囚人脱獄事件。そしてその首謀者である鏑木徹の焼死体の現場に居合わせ、
いきなり事件の容疑者として逮捕された、リーダー赤城左門の謎の言葉!
――「鏑木は許し難いことをした」――
コレが、最後に効いてくる~!!
で。
すぐさまリーダー不在で解散に追い込まれるST!
しかし!――飼い主を追いかける仔犬のように(笑)留置所にまで追いかけてきたキャップを尻目に
赤城左門は脱走!?
逃亡する赤城を追い詰める嘗ての仲間たちの行く手に、どんな結末がっっ!!

2時間弱の映画版といえども、主要キャストの個性は十分描かれていて
ドラマファンには嬉しいラスト!

逃亡中のTwitter場面では、なんか「白雪姫~」を彷彿させますが、
コミカルに描かれていても、コチラの方がインパクトあった。
スマホ片手のみんなの視線を受けるざっとらしい竜也@赤城サン、ナルホド~ですよ

現場検証からその天才ぶりをいかんなく発揮し、鋭く分析。
散々周囲をバカ呼ばわりし「反論はきかない」までの畳み掛ける竜也クンの長台詞が
今回はやや少な目だったのが個人的には不満だけど、
男女問わず、誰もが憧れるであろう赤城サンとキャップの人間関係を堪能~

ラストで流れるお馴染みの主題歌が、まんまテーマで、ムネアツでした


藤原竜也&窪田正孝“キャラ交換”希望?密かな憧れを明かす
これを受け窪田も「僕は謎解きがしたいです」と告白。「僕はしゃべらない役なので、もうちょっとしゃべりたかったです。(藤原の決め台詞)『謎がすべて解けてしまった』を言ってみたいです」と密かな願望を明かし、「やっぱりもうちょっとしゃべりたかった(笑)」と何度も主張した。
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悪童日記

2014-10-07 23:30:30 | the cinema (ア行)


原題 Le Grand Cahier
製作国 ドイツ/ハンガリー
上映時間 111分 映倫 PG12
原作 アゴタ・クリストフ 『悪童日記』(早川書房刊)
監督 ヤーノシュ・サース
出演 アンドラーシュ・ジェーマント/ラースロー・ジェーマント/ピロシュカ・モルナール/ウルリク・トムセン/ウルリッヒ・マテス

第2次世界大戦下、双子の兄弟が「大きな町」から「小さな町」へ疎開する。疎開先は、村人たちから「魔女」と呼ばれる祖母の農園だ。僕たちは、粗野で意地悪なおばあちゃんにコキつかわれながら、日々の出来事を克明に記し、聖書を暗唱する。強くなることと勉強を続けることは、お母さんとの約束だから。両親と離れて別世界にやって来た少年たちが、過酷な生活のなかで肉体と精神を鍛え、実体験を頼りに独自の世界観を獲得していく。

この作品では、少年2人の名前は明かされない。
「魔女」は彼らをメス犬の子供と呼び、母親もまた名前で呼ばないからだ。
そして、二人きりになった「ぼくら」の日記がめくられていく。
淡々と、無感情な「ぼくら」の過酷な日々が…―
父の教え、母の願い、それを守りながらも、
それよりも二人で決めていくルールで、大きなノートには、
一心同体の2人が目にし、成したこと。その事実のみが映され、記されていくのです。
以下はネタバレを含んでいます。


ハンガリーの国境付近の、周りを樹や畑で囲まれた、郵便配達以外近づかない農家。
毎日逞しくなっていく兄弟は、そこで空腹で動けなくなった兵士に出会い、
少し頭の弱い少女と出会い、
教会に行きつき、、司祭館の女と出会う…―

「“汝、殺すなかれ”っていうけど、みんな、殺してる」

悪びれもせず、司祭に向かって彼らは言う。聖書なんかもう暗記してしまうほど読んでいた。
痛さに屈せず、襲い来る不条理に立ち向かう準備もしていた。毎日...。

何としても生き抜く為に、窃盗や恐喝などを覚え、その一方で、
餓えた者、弱き者を援けるという・・・かれらの中の正義。価値観。

両親と離れて疎開先で生きる少年たちは、何を得て、、何を失ったのか?
また、何は失わずにいられたのか?

彼らの課題の、最後のテーマ・・・
予感はありましたが、もうひとつの方は予想外で、、
何とも云えない想いで胸がいっぱいに......
そして――唐突に思い出すのですよ、、最初の方で父親が言った
双子は目立つ」......
最後まで厳しい試練を自らに課す、生き抜くために。

矛盾と不条理に溢れた現代社会は、
親の都合で離婚し、また勝手に再婚とか、、挙句、子供をないがしろにする大人は後を絶たず・・。
彼らの目にどう映っているのだろうか?
戦争という事を抜きにしても、この生き難い世を、子供だけで生き抜くとしたら??

どなたにもオススメの作品とはいかないけれど、
鋭く突き刺さる、子供の問いかけ。
ちょっとシュールな戦争ドラマですが、私は結構好きな作品でした。

  少年たちのその後、を祈らずにいられない.....
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アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

2014-10-06 22:29:43 | the cinema (ア行)

今日を生きることが
好きになる。

原題 ABOUT TIME
上映時間 124分
製作国 イギリス
脚本:監督 リチャード・カーティス
出演 ドーナル・グリーソン/レイチェル・マクアダムス/ビル・ナイ/トム・ホランダー/マーゴット・ロビー/リディア・ウィルソン/リンゼイ・ダンカン

イギリス南西部コーンウォールに住む青年ティム(ドーナルグリーソン)は、両親と妹、そして伯父の5人家族。 どんな天気でも海辺でピクニックを楽しみ、週末は野外映画上映を楽しむ、風変わりだけど仲良し家族。しかし自分に自信のないティムは彼女がいないのが悩み。 そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされ、衝撃を受けるが…。

ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズの日記」の監督だし、
ジャンルとしてはSFロマンスになるのでしょうが、私的には
家族ドラマとしての印象が残りました。素敵な、優しい作品でした~

自分に自信がなくて、ちょっと頼り無げな青年ティムはまだ恋人もいないので、
伝承の(笑)トクベツな能力を使って恋人ゲット~までのアレやコレや。
さえない男子が恋をして、躓いたりしたあのシーンもう一度やり直せたら…が、
ティムは瞬時に、何度でもOKなのが凄い~(笑)

ひたすら自分が幸せになるために、まるで動画をリプレイするように瞬時に決行~♪
しかもそのツールときたら超~簡単。自分過去限定版・どこでもドア~(笑)
まあクローゼットって、ちょっと昔の日本なら、押し入れってところでしょうか?
物置とか押し入れって、一番最初の秘密基地、かくれんぼの定番だからアリだと思います~。


妹、キット・カットの出会いのシーンなんか忘れていたし、中盤は
何かが起こる?!ってざわざわしたんだけど、繰り返せない切ない別れの決断も成長の道しるべ......
この作品のメッセージはちゃんと伝わる温かなラスト

上手くいかなかったアンナことや、無かった事にしたいあの時を、
好きなだけやり直せるティムに云われても~
と思わなくもない、
ちょっと説得力はないハズの彼の言葉も素直に受け入れられるのがスゴイ


「ラブアク~」「パイレーツ~」に続いて本作が3本目なのに、
リチャード・カーティス監督は引退宣言してるとか。勿体ない!!
まだまだ素敵な愛を届けて欲しいです。。。

現在、恋人がいなくても、片恋中のひとも、
恋愛進行中の人も、めでたくゴールインした方も、、ご覧になって、
特殊な能力がなくても訪れる、当たり前の日常の幸せを感じて欲しいと思います
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イン・ザ・ヒーロー

2014-09-07 16:11:06 | the cinema (ア行)

オレがやらなきゃ誰も信じなくなるぜ
夢は必ず叶うってことを

上映時間 124分
脚本 水野敬也/李鳳宇
監督 武正晴
出演 唐沢寿明/福士蒼汰/黒谷友香/寺島進/草野イニ/日向丈/小出恵介/及川光博/杉咲花/加藤雅也/和久井映見/松方弘樹
この道25年のスーツアクター本城渉(唐沢寿明)。゛顔出し゛で映画出演することを夢見ながらも、新人・一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)にその座を奪われるなど何度も辛酸を舐めてきた。そんな本城に一世一代のチャンス到来!ハリウッド映画のアクション大作からオファーがかかった。しかしそれは、命をも落としかねない危険なスタントだった。周囲の制止する声を振り切り、自分の夢のため、誰かのヒーローになるために、本城は撮影スタジオへ向かった…。

誰に教えられなくても、子供たちの中にあるヒーロー願望。
そして子供たちに夢を与える、数多くのヒーローが生み出される。
しかし、変身して強くなるヒーローは、実はスクリーンで顔を出さない名も無きヒーローたち。
モチロン、クレジットに名前さえ連ねることは無い、誰も知らないアクションの達人たち。
スーツアクターと呼ばれ、アクション映画や特撮ヒーローものに無くてはならない彼らの、
夢を追い求め、心も身体も軋むような現実の日々を追う物語・・・。

制作発表の時に感じた、予測した流れではあるけれど、
期待通りの、こころに響く男のドラマ
期待以上の、クライマックスの、夢を背負うアクションシーンに震えます

ヒーローのスーツを脱いでも、心は武士!
男はいつも、誰かのヒーロー!

好きで拘り、追い求め、
地道な努力に埋もれた日々が、決して何も無駄ではないと、
大きくてもちいさくても、、、誰かの夢を嗤わないで、応援し、
息を合わせる仲間がいること・・―苦しい日々を乗り切るために大切なこと。。。
ここでも、人生の出会いの大切さを思わずにいられない。


テーマはか?と思いきや、、愛じゃね?!
唐沢さん演じる本城渉の、大人の男の、
ブレない同志愛というか、人間愛にアツク感情を揺さぶられます....。


途中「蒲田行進曲」を思い出しましたが、
子供が小さい頃、ヒーローショーに並び、特撮ヒーローものに慣れ親しんだ親としては、
グッとくるシーンも多かったです。
また、
無名のころにスーツアクターやスタントなどして食いつないでいたという唐沢さんだから、
そのセリフが全てスッと入ってきたのもあるでしょう。
51歳の唐沢さんが、30年ぶりに本気のアクション!クライマックスは凄いです

今までその人気ぶりがピンと来なかった生意気アイドル俳優を演じた福士蒼汰くん、
初めてイイと思えた
もさっとしたマネージャー@小出恵介クン、凄い!しばらく解らなかったから~
絶対いそうなプロデューサー@加藤雅也さん(笑)もはや職人♪
トンデモ台詞が飛び交う(まるごと無くしちゃえ)現場のシーンも有りがちで笑った

B級感満載のポスターも、観れば納得のアクション映画や特撮ヒーローものを支える裏方を
愛を持って描いた作品

益々唐沢さんが面白くて好きになる記事
唐沢寿明、アクションスタントに挑戦も「頑張っても初老ですから」
「イン・ザ・ヒーロー」唐沢寿明、ファンに熱烈メッセージ!福士蒼汰、寺島進らも胸を張る
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オール・ユー・ニード・イズ・キル

2014-07-23 22:16:28 | the cinema (ア行)

原題 Edge of Tomorrow
製作年 2014年
上映時間 113分
原作 桜坂洋『All You Need Is Kill』(集英社スーパーダッシュ文庫刊)
脚本 クリストファー・マッカリー/ジェズ・バターワース/ジョン=ヘンリー・バターワース
監督 ダグ・ライマン
出演 トム・クルーズ/エミリー・ブラント/ビル・パクストン/ジョナス・アームストロング/トニー・ウェイ
舞台は侵略者から熾烈な襲撃を受けている近未来の地球。現在の人類の軍事力では、その攻撃に耐えうる術はない。対侵略者の決死の任務に就くことになったウィリアム・ケイジ少佐は戦闘の端緒で一矢を報いることもなく戦死してしまう。しかし、次の瞬間、ケイジは自分が不可思議なタイムループの世界に囚われていることに気づく。無限に繰り返される戦闘、そして死…。しかし、永遠に続くかのように思われた閉ざされた世界に、やがて一筋の光が差す。特殊部隊の軍人であるリタ・ヴラタスキと共に敵との戦いを繰り返す間にケイジの戦闘技術は次第に磨き上げられていく。そして、…。

日本のSFライトノベルを、トム・クルーズ主演でハリウッド実写化という情報だけでもう
観に行くと決めていました♪

タイムループものと言う事で、ややもすると単調でその落としどころがあっけなかったりするものだけど
(「ミッション:8ミニッツ」がそうでした)が、
トムちん演じる、口は達者だけど戦闘経験がなく逃げ腰のケイジ少佐のキャラが
何度も死んで、同じシーンで目覚める事を繰り返すうちに少しずつ変わるので、
観ている方も侵略者“ギタイ”攻略ゲームをやり直している感覚で、楽しい。(笑)


主人公が目覚める、生き返るシーンは毎回同じでも、
戦闘スキルが上がっていくので、ちょっとずつ前進し、
オトコマエ女戦士リタと繰り返す、ちょっとずつ違う敗北…―

これは、観ている分にはショートカットもあるのでいいんだけど、
本人には記憶があるのでやっぱり使命感があったとしても相当つらい。
その辺が、やっぱりトムのイメージキャラに合ってて、
出撃までの仲間のやり取り、いなし方が結構カルイ(笑)

ラストはトム作品らしく原作とは変えられているようなので、
原作ファンも楽しめるのではないでしょうか。

お顔立ちはジミ目なエミリー・ブラントが、脱いだら凄いんですね~。
あ、筋肉のことです(笑)
「鍛えてます」なアクション女優は苦手ですが、コチラはカッコよかったです
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X-MEN:フューチャー&パスト

2014-06-09 21:41:38 | the cinema (ア行)

原題 X-MEN: DAYS OF FUTURE PAST
製作年度 2014年
上映時間 132分
脚本サイモン・キンバーグ
監督ブライアン・シンガー
出演 ヒュー・ジャックマン/ジェームズ・マカヴォイ/マイケル・ファスベンダー/ジェニファー・ローレンス/ハル・ベリー/ニコラス・ホルト/ジョシュ・ヘルマン/エレン・ペイジ/イアン・マッケラン/パトリック・スチュワート

2023年、バイオメカニカルロボットのセンチネルの攻撃により、X-MENと地球は危機的状況に陥る。プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)は宿敵マグニートー(イアン・マッケラン)と共闘し、1973年にウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の魂を送る。しかし、1973年の地球でセンチネル・プログラムの開発を阻止しようとする間も、2023年では地球滅亡の危機が迫っており……。

一つ目の舞台は、2023年の地球の、中国って、
今から10年も経たずの地球の荒廃っぷりに、なんか違和感を感じつつ、
序盤がもう、ミュータントvsロボットですからね~。。。
この新作を観る為に家にある過去の4作品を復習してから観に行きました。が、

ウルヴァリンの″魂″の転送、、、と言う事を、
まあ、観ているときにはどこか引っ掛かりながらもストーリー展開を愉しめたのですが、
こうして4,5日経って振り返るとやっぱり無理がある(笑)
早い話が、時代を超えて未来を変える。「バックトゥーザ・フューチャー」の魂転送版。
「ターミネーター」とも通じる発想ですよね。


未来の地球では、プロフェッサーXとマグニートーが協力
彼らの元にいるミュータントはウルヴァリンを始め、アイスマン、テレポーター・ブリンク、ビショップなどがいるが
センチネルとの戦いにほぼ壊滅寸前!

そこでこの強敵、センチネルが存在しない未来にしようと、50年を遡り、
50年前のウルヴァリンの肉体に、未来の魂だけをテレポートすることに成功♪

で、その1973年のアメリカ。
科学者とは思えないチャールズ・エグゼビアのロン毛にシャツ(笑)
ヒッピーじゃないんだから~と突っ込みながらも懐かしい(笑)
その点、どの時代に行ってもウルヴァリンって楽だわ。

この過去パートでは犠牲になった仲間も、書面上で一瞬登場しますが、
メインに描かれるチャールズ、マグニートー、ミスティークの関係から目が離せない!
しっかし、アメリカの歴代大統領ってヴァンパイアにされたりミュータント仲間にされたり(爆)
過去パートの人間関係ミュータント関係が
キャラが際立っていてやっぱり面白い

この、未来と過去が同時進行していく見せ方はスリリングで面白かった!

そして、1973年の魂は未来からのウルヴァリンの、あの記憶に繋がるラストはさすが!!
なのだけど、、、やっぱりあそこのあのセリフは、どう考えてもおかしい。
ご覧になった方だけ→(ミッション成功で、未来は変わったはずなのに、
老年期のプロフェッサーXに、パラレルワ-ルドの記憶があるのはヘン


それと・・・
もしかしたら次の作品で、ナゼ2023年に、プロフェッサーX(老年期)がいるのか?は説明されるのかな?


ともあれ、やっぱりミュータントの戦いは驚きに満ちていて面白い♪
3Dじゃなくても、ぜひ映画館で
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X-MEN: ファースト・ジェネレーション

2014-06-08 02:26:24 | the cinema (ア行)

原題 X-MEN: FIRST CLASS
製作年度 2011年
上映時間 131分
脚本 マシュー・ヴォーン /ジェーン・ゴールドマン
監督 マシュー・ヴォーン
出演 ジェームズ・マカヴォイ/マイケル・ファスベンダー/ケヴィン・ベーコン/ローズ・バーン/ジャニュアリー・ジョーンズ/オリヴァー・プラット/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/ニコラス・ホルト/ジェニファー・ローレンス/エディ・ガテギ/アレックス・ゴンサレス/ヒュー・ジャックマン

裕福な家に生まれ、名門大学に通うチャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)は強力なテレパシーを使うことができるミュータントだったが、自分と同じような能力を持つ者の存在に気付き始めていた。やがて強力な磁力を発生させ、金属を自在に操ることのできるエリック(マイケル・ファスベンダー)と出会う。彼らは親友となり、自分たちと同じような若者たちを探し始めるが……。

『X-メン』シリーズの5作目にして、初期3部作の前日譚であり、X-MENの起源を描いた物語。

始まりは1944年の2人の少年の、それぞれの運命的出会い。

ポーランドで、ナチに母親を連れ去られた少年が、無意識下で起こした奇跡をナチのシュミットが知り、
卑劣な手段で少年を覚醒させるところから始まる。
少年はエリック。彼の宿敵となる科学者シュミット(後のセバスチャン・ショウ)との出会い

同じ頃のNY。
裕福な家で育ったチャールズはテレパス。ある日迷い込んできたミスティークの正体を見抜き、
同じミュータント仲間との出会いを心から喜び、妹のように迎え入れる


1962年。
成長したエリックはスイスにいて、復讐の為セバスチャン・ショウを追っていた。
同じ頃のイギリスにチャールズはレイブン(ミスティーク)といて、オックスフォードで突然変異の研究をしていた。が、
CIAのモイラがショウ率いるミュータントの危険な計画を知り協力を乞われる。


チャールズたちは、そこから獣の脚と明晰な頭脳を持つ天才科学者ハンクとの出会いを果たし、
ショウがCIAやロシア軍をあやつり、キューバ危機を目論んでいるのを知り、
ショウを追いかけてきたエリックを見つける。
そして、ショウたちに対抗するべく世界中に点在するミュータントをスカウトする。

登場するミュータント第一世代の面々がフレッシュ♪

新薬でミュータント的要素を消し去ることに失敗し、ビーストとなるハンク。
チャールズに想いを寄せるも、子ども扱いされるミスティークは、エリックに惹かれ、、、

磁力を自在に操るマグニートーと最強のテレパス・プロフェッサーXの出会いと、袂を分かつまでが、
博愛主義で、ミュータントと人類の共存を目指すプロフェッサーXと
幼い頃に芽生えた怒りで復讐を果たし、人間を敵視、支配したいマグニートーの相反するキャラを
戦いの中にも描き飽きさせない。

あらゆるエネルギーを体内に吸収、蓄積、放出する能力がある、セバスチャン・ショウが
付け入るアナがないほどの能力なのに、、そうよね、あの状態しかないわのラストだった。
結局マグニートーは美味しい(笑)

で、コレを観てから(ホントは「X-MEN 2」も)X-MEN:フューチャー&パストを観るとより面白い
まあ、復習しないで観てもちらりと映像は映るので大丈夫かもしれません
ただ、「X-MEN:フューチャー&パスト」の感想を書く前にコレは書いておきたかったので、
かなりネタバレで書いちゃいました。

あと、口から高振動波をだすミュータント、ショーンを演じたのは「ビザンチウム」で
シアーシャ・ローナンの恋人を演じていましたね。コレを観直してようやく思い出しスッキリ♪
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アメイジング・スパイダーマン2

2014-04-25 23:22:52 | the cinema (ア行)

原題 THE AMAZING SPIDER-MAN 2
製作年度 2014年
上映時間 143分
原作 スタン・リー /スティーヴ・ディッコ
脚本 アレックス・カーツマン /ロベルト・オーチー /ジェフ・ピンクナー
監督 マーク・ウェブ
音楽 ハンス・ジマー
出演 アンドリュー・ガーフィールド/エマ・ストーン/ジェイミー・フォックス/デイン・デハーン/キャンベル・スコット/エンベス・デイヴィッツ/ポール・ジアマッティ/サリー・フィールド

キャストとスタッフを一新した人気アメコミ超大作の第2弾
普通の青年として恋人グウェンとの愛を育む一方、スパイダーマンとしてニューヨーク市民の安全と平和に貢献する充実した日々を送るピーター・パーカー。そんなある日、ピーターの幼なじみで巨大企業オズコープ社の御曹司ハリー・オズボーンがNYに舞い戻り、2人は10年ぶりの再会を果たす。やがてピーターは、ハリーからオズコープ社がピーターを幼い頃から監視しているという衝撃の事実を知らされ、考えもしなかったオズコープ社との恐るべき因縁に混乱していく。そんな中、事故に巻き込まれたオズコープ社の電気技師マックスが、電気を自在に操る怒れる魔人エレクトロとなってスパイダーマンの前に現われるのだったが…。

楽しみにしていたアメイジング・スパイダーマン2、3D吹替え版で観てきました♪
前作「アメイジング・スパイダーマン」は3D字幕鑑賞だったと思うのですが、
ちょっと字幕を追うのも疲れそうなので、珍しく日本語吹き替えでしたが、
2時間越えなので正解だったように思います

優しくてちょっと優柔不断な普通の高校生だったピーターと、
賢くて勇気も備えている恋人のグウェンも、卒業式を迎え、新たな一歩を踏み出す時…
幼馴染のハリーにも重すぎる運命の時が近づいていて――と、

両親の失踪という心の孔を埋められないピーターの孤独と恋と友情、
特殊能力を持つヒーローならではのピーターの葛藤と戦いの日々が描かれて、
今回は謎に一つの答えはあるものの、
どうしようもない運命も待ち構えています。――


このシリーズのハリーにデイン・デハーンくんがやっぱりイイんです
ガラスのような危ういハリー・オズボーンが御曹司からグリーン・ゴブリンへと変わっていくのも、
マックスがスパイダーマンの大ファンから敵に転じていくさまも、
ピーターがヒーローである事の代償には違いないものの、、
このドラマ部分が、王道であってもやはり胸を熱くします。

前作を観ていなくても今作の説明は十分で、楽しめる内容ですが、
やはりこれは、3Dでなくても映画館の大スクリーンで観るべき作品ですね
あっ!そうそう
エンドロールが始まっても直ぐに席をお立ちになりませんように
美味しいオマケを逃さないで
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大人ドロップ

2014-04-05 00:01:55 | the cinema (ア行)

厄介だけど愛おしい。甘酸っぱくもほろ苦い。それは忘れられないあの日の味。
製作年度 2013年
上映時間 119分
原作 樋口直哉
脚本 監督 飯塚健
出演 池松壮亮/橋本愛/小林涼子/前野朋哉/美波/香椎由宇/河原雅彦

いいようのない焦燥や不安を抱える4人の高校3年生が、思春期を脱していく姿を見つめる青春ドラマ
周りがどんどん大人になり、ひとり取り残されていくような不安にかられる高校3年生の浅井由。ある日、女子とまともに話も出来ない親友ハジメに、彼が想いを寄せるクラスメイト入江杏との仲を取り持って欲しいと頼まれる。そこで女友達のハルにお願いしてダブル・デートをセッティングしてもらう。ところが浅井たちのある小細工がバレて入江を怒らせてしまう。そして仲直りも出来ないまま迎えた夏休み。彼女が突然、行き先も告げずに遠くへ引っ越してしまったことを知る浅井だったが…。

ありふれた日常を繰り返す高校時代の最後の夏を迎える4人の姿に、
誰もが少し“あの頃”をオーバーラップさせる。アノ頃特有の切なさを思い出させる作品でした

空想、妄想、、逃走、、迷走、、暴走、、
誰かの変化に敏感になり、焦り、もがきながら大人への階段をのぼっていく....
高校時代に別れを告げるその前に―。



自転車 縁日 初デート
こういう青春映画に欠かせないアイテムに、懐かしく分け合ったドロップ・・・

後悔のない青春なんてきっとない、
恥ずかしい想い出も含めて、意味のないことなどひとつもなかった。
大人になればそう思える、
普通の高校生のこころの軌跡を丁寧に描いた、佳い作品でした

23歳でも高校生が全然違和感ない池松壮亮くん、声も素敵でした
むしろ撮影当時リアル高校生の橋本愛ちゃんが大人びていて、この役に嵌っていた
そしてハルを演じた小林涼子さん!TV版「砂時計」の子供時代の人だったんですね~、
とっても魅力的でした

私が観た回は圧倒的に男子率が高かったのが解る気がします。
藍色夏恋」「九月に降る風」がお好きな方には女性でもきっと楽しめると思います♪


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あなたを抱きしめる日まで

2014-03-19 21:24:48 | the cinema (ア行)

それは、人生を取り戻す旅
原題 PHILOMENA
製作年度 2013年
製作国・地域 フランス/イギリス
上映時間 98分
原作 マーティン・シックススミス 『あなたを抱きしめる日まで』(集英社刊)
脚本 スティーヴ・クーガン/ジェフ・ポープ
監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ/スティーヴ・クーガン/ソフィ・ケネディ・クラーク/アンナ・マックスウェル・マーティン/ミシェル・フェアリー/バーバラ・ジェフォード

10代で未婚の母となり幼い息子と強制的に引き離された女性の実話を、スティーヴン・フリアーズ監督が映画化したもの
1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは強引に修道院に入れられた上に、息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。その後、息子をアメリカに養子に出されてしまった。それから50年、イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じ、ひそかにその消息を捜していたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)と共にアメリカに旅出つが……。

ロマンス小説が大好きで、誰にでも遠慮なくものを言う田舎者のフィロミナと、
元エリート記者で今は崖っぷちのマーティンの、再起をかけたアンソニー捜しの旅。
旅の初めこそ、自分の好きな小説をまるごと話し続けるフィロミナを疎ましく感じていた
エリート意識の強いマーティンの、心に芽生えるもの、、、

女性であればフィロミナに寄り添い、
男性であればマーティンのように、、そんな理解と決断ができるか問いながら
2人の会話にクスリと笑い、ずっと秘めてきた母としての愛に胸を熱くし、
最後にはやはり、引き裂かれた母の想いの深さに辿り着く心の旅のドラマです。


家族の恥だからと家を追い出され、修道院に入れられた1952年の少女たち。
わずか1時間の面会時間に廊下を走る、まだ幼い母たち―…この修道院の描写があったから、
その後の47年という長い月日を、フィロミナがわが子のことを一瞬たりとも忘れたことがない
という、切なさが説得力を持って、私も感情移入できたと思う。。。

ガンコなまでに世間ずれしていない、信心深くてお茶目なフィロミナに
老いて尚、様々に繰り出される、選択の時…―
行くか行かないか、逢うか止めるか、帰るか泊まるか・・・公表するかしないか.....

インテリで紳士だけど神を信じないマーティンにとっても
再起をかけた記事という以上の、記者魂に触れる旅の終わり....
後悔し、苦しむフィロミナの傍にいて、彼自身も揺らぎ変化をする様子が、
大げさな演出も無く映されていくのが、却って観客と一体化していくように感じたというのか、
哀しい実話であるけれど、このフィロミナの旅のお供がマーティンで良かった!
という想いで帰ってきた二人を迎えることが出来る。

エンドロールに流れる実際の写真の数々を、誰もがフィロミナの目で追うでしょう.....

いつもは強力なインパクトのジュディ・デンチがコレは可愛さ全開
スティーヴ・クーガンも私は初めてでしたが、ステキに変わっていく紳士がお似合いで、
佳い作品でした
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偉大なる、しゅららぼん

2014-03-10 22:05:14 | the cinema (ア行)

不思議な力、使えます。
※「琵琶湖エリア」限定

製作年度 2013年
上映時間 114分
原作 万城目学 『偉大なる、しゅららぼん』(集英社刊)
脚本 ふじきみつ彦
監督 水落豊
出演 濱田岳/岡田将生/深田恭子/渡辺大/貫地谷しほり/田口浩正/大野いと/柏木ひなた/小柳友/佐野史郎/笹野高史/村上弘明

不思議な力を持つ一族の跡取り息子と彼のお供をする分家の息子が世界滅亡につながる大事件に挑んでいく。万城目原作の映画化作品。
琵琶湖畔の街、石走。そこには、琵琶湖の神より賜りし摩訶不思議な力を1300年にわたって守り伝える一族がいた。その一族、日出家は、江戸時代から現存する石走城に居を構える街の最高実力者。跡取りである高校生の淡十郎は最強の力を持つとされ、崇められることが当たり前の人生を歩む生まれながらの殿様気質。そんな中、分家の涼介が高校入学を機に、修行のため本家へとやって来る。しかし淡十郎とお揃いの赤い詰襟で登校させられるなど、常人には理解不能の淡十郎の言動に振り回される涼介。すると、そこに淡十郎の恋のライバルとして現われたのが、同級生の棗広海。彼もまた不思議な力を持ち、日出家とは長年の宿敵関係にある棗一族の跡取りなのだが…。

奇想天外、摩訶不思議。だけどユルイ、万城目ワールドってことで、
一緒に映画鑑賞は久々の友人と行ってきましたが、
上映前の舞台挨拶のキャストのユル~イ会話を聞いていて大分免疫が出来ていて(笑)
そのマタ~リな雰囲気のまま上映となったので、違和感もなく入っていけました

「鴨川ホルモー」は友人のご主人が、「鹿男あをによし」はウチの男子どもが面白かった!と言っていましたが、
なるほど。心にくすぶってる憧れとか妄想の世界観、より男子に受ける気がします♪

琵琶湖限定という強力なチカラを継承してきた日出一族と棗一族の、
またもアメコミみたいに世間を壊しまくる戦いになるのかと思いきや?!
ちょいと意外なラスボスの正体~~!


主演の2人のキャスティングも然ることながら、脇を彩る個性派俳優もこれ以上ない怪優たち
キャストのどなたのファンであってもきっと満足の、見せ場がそれぞれ用意されています
でっ、やっぱり恭子ちゃん演じるグレート清子の際立つ存在感~

浮世離れ殿様が嵌り過ぎの濱田クンに圧され気味だった涼介と、敵対する棗一族の長男、広海の
実年齢もどこかに吹っ飛ぶ(爆)青春の悩み。
そうなんです。
これは、因縁の名家に生まれても、普通に恋をし、普通に傷つき、誰より家族を愛する彼らの
青春ストーリーでもあるのですよね
そして、、もう一つの失われた青春の・・・
キーワードは、恋人・・ 記憶… 琵琶湖限定…
ということで、「時をかける少女」の切ないラストも甦りましたが、
クライマックスからのCGは凄いです!!

琵琶湖周辺に、こんなところが?という、1ヶ月に及ぶロケ地も堪能できますが、 
何といっても国宝の彦根城での撮影が許可されたのはスゴイ
これからご覧になる方は、淡十郎くんが絵を描いていた部屋に注目してくださいね。
あれは、彦根城の中でも実際、殿が趣味を楽しむ間だったそうです。

何度も言いますが、これは主演を含めた、味のあるキャストの怪演で愉しむ映画で、
性別、年齢を問わずにゆるり楽しめるファンタジー、コメディですが、
終盤、ちょっと胸にクル彼らの因縁の顛末。。。デートムービーとしてもオススメです♪

ただ、、終わってみると・・・じゃあ、アレ、あの子をあんな目に遭わせたのはダレ??
ってことで、2回目、鑑賞行ってきますね~


エンドロール、最後までご覧になると、ある秘密が・・・

ドSな恭子ちゃんがすっごく可愛い~
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家路

2014-03-05 13:55:32 | the cinema (ア行)

ここで、生きていく
製作年度 2014年
上映時間 118分
脚本青木研次
監督 久保田直
音楽 加古隆
出演 松山ケンイチ/田中裕子/安藤サクラ/内野聖陽/山中崇/田中要次/光石研/石橋蓮司

東日本大震災の原発事故で故郷を追われた福島の農家の家族を主人公に描かれるヒューマン・ドラマ。
原発事故で立ち入り禁止区域となり、避難生活を余儀なくされる農家の沢田家。一家の大黒柱で長男の総一は、代々受け継いできた土地を奪われ、家業の農業も出来ずにすっかり誇りと自信を失っていた。継母と妻子を抱え、光の見えない仮設住宅暮らしに身も心も荒んでいく日々。
そんな中、かつてある出来事をきっかけに家を出て以来、音信不通だった次男の次郎が、無人となった故郷に人知れず戻ってくる。二度と戻らないはずだったこの土地で、電気もガスもない生家に住みつき、たった一人で苗を育て、田んぼの再生に取り組む次郎。やがて次郎の帰郷は総一の知るところとなるが…。


立ち入り禁止の警戒区域。今は電気もガスも通っていない民家に一人、食事の支度をする青年。
偶然迷い込んできた、嘗ての高校時代の同級生は男を覚えていた。
でも――男の方は覚えていなかった。子供時代の、この町が嫌いだったから・・・。

―なぜ震災後の今、次郎は無人になった故郷に帰ってきたのか…。

長男だから―。頑張って農業に精を出してきたのに、今はその仕事も奪われ、成すべき仕事も無い。
デリヘルで働く妻を追いかけ、毎日を鬱々と過ごす総一。

その総一は夫の前妻の子。血のつながらない家族と暮らす登美子の心に去来するのは、
20年近く前、夫に言われるがままにたった一人の自分の血を分けた息子の背中を見送った事への深い後悔。
登美子もまた成すべき仕事もなく、喪失を抱えながら虚しく日々を生きていた。

そんなある日、登美子は白昼、仮設住宅の敷地内で帰るべき家を見失う。―

この先↓ネタバレを含みます・・・
    ↓

故郷を持つ人にとって、そこは度々は帰れなくても、家族や幼馴染の待つくつろげる場所であるはずが、
その場所を奪われ、家と同時に仕事も生きる情熱もなくして立ち尽くす人の姿を、
沢田一家の"現在"を、その心模様を静かに見守る作品となっていました。

ずっと夫(石橋蓮司)に縛り付けられていた登美子の空洞・・・
田中裕子さん、巧いです。思わず肩を抱いてやりたくなります

その継母にも次郎にも負い目を感じながらも、ぶざまに彷徨い、救いを求めていた総一・・・
JINの闊達な坂本龍馬や、エースをねらえ!の宗方コーチ、或は臨場の「持ってる男」はどこにもいない。
牙を抜かれた男、、内野聖陽さんも滲みる演技。
負い目を感じながらも、次郎に救いを求めていた。……十分伝わってきました。

外出のままならない母の為に遠征試合の多い部活をやり、
父と兄を守るために故郷を捨てた…。二度と帰らない決意だった.....。
でも、誰もいなくなった故郷が呼ぶ。―
ご飯に味噌汁、お漬物。被ばくしているだろう卵を使って、種をより分け苗を作る。。
優しくて芯の強い次男坊を演じるケンイチくんの表情に惹きつけられます。

老いて痴呆の始まった母を背負い、けもの道に入っていく。
それは、そのまま、彼らの家路の厳しさ、寂しさなのだけれど、
いつも他者の為にシンプルに決断していた次郎が、まさにシンプルな、
自分らしい生き方を決めた嬉しさも感じさせる、松ケンの想いを秘めた笑顔が心に残ります。

震災後の福島で、オールロケーションとなった本作が映し出すのは、
今、現在の立ち入り禁止区域―。今突きつけられている、『避難』と『移住』。
けれどその故郷は、新しい土地で頑張っている人たちにも届けられる―それだけでも意味のある、
そしてこの被災家族という特殊な状況ではあるけれど、傷ついた沢田一家を通して、
改めて、帰るべき自分の大切な場所、
家族と自分らしく生きることを考えさせられる、素敵な作品でした

僕が”3.11後の物語”を作ったワケ 『家路』久保田直監督が切り取る”フクシマ”の今
映画『家路』公式サイト

     
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