原題 INGLOURIOUS BASTERDS
製作年度 2009年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 152分
監督・脚本・製作 クエンティン・タランティーノ
出演 ブラッド・ピット/メラニー・ロラン/クリストフ・ヴァルツ/ミヒャエル・ファスベンダー/ダイアン・クルーガー/イーライ・ロス/ダニエル・ブリュー/ルティル・シュヴァイガー
1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。
今年は、戦争を地味にリアルに再現したような「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」を観たので、どうしてもエンターテイメントとしてやり過ぎなところが目立ってしまいますが、
ストーリー、展開もスリルがあり面白かったです。
物語は第1章~最終章まで5つの章に分かれて繋がっていきます。
"その昔…ナチ占領下のフランスで" "名誉なき野郎ども" "パリにおけるドイツの宵"
"映画館作戦" "ジャイアント・フェイスの逆襲"
第1章で、冷酷なナチスのユダヤ狩りをさらりと描き、
密かに潜入した連合軍秘密部隊「栄光なき野郎ども(イングロリアス・バスターズ)」
が登場してからは、観客はレイン中尉率いるバスターズを正義の味方のように、
窮地に現れ迫害される市民を救う・・シーンを期待したかも知れませんが、
このバスターズもカッコよくは描かれていない。
既に人間味を持たない、残虐な恥ずべき野郎どもとして描かれているのです。
美しくて賢い二人の女性に対しても、同情のままで終わらせない。
ショシュナの映画館でプロパガンダ映画のプレミア上映会の夜、
奇しくも交錯する二つの打倒ナチの作戦。
各章にドキドキのシーンが盛り込まれていてスリリングですが、個人的には
第4章"映画館作戦"でヒコックス中尉(ミヒャエル・ファスベンダー )や2重スパイの女優たちがバーで、
運悪くドイツ兵たちと接触するハメになるシーンと、
最終章"ジャイアント・フェイスの逆襲"の、女性二人の其々の攻防!に戦慄しました。
“ユダヤ・ハンター”の異名を持つハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)が、
静かな、しかしねちっこく厭らしく、憎々しくて、そこが余計にこの作品を面白くしていたと思います。
人間味が残っている、普通に好い人や、甘さのある、或いは少しでも残酷になれない人は、
この作品の中ではバタバタと死んでいきます。
極論を言えば、戦争とはそうしたモノなのかも知れない。――そう明確に監督は言っているような気もします。
さて、では、最後まで生き残るのは誰なんでしょうか?
製作年度 2009年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 152分
監督・脚本・製作 クエンティン・タランティーノ
出演 ブラッド・ピット/メラニー・ロラン/クリストフ・ヴァルツ/ミヒャエル・ファスベンダー/ダイアン・クルーガー/イーライ・ロス/ダニエル・ブリュー/ルティル・シュヴァイガー
1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。
今年は、戦争を地味にリアルに再現したような「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」を観たので、どうしてもエンターテイメントとしてやり過ぎなところが目立ってしまいますが、
ストーリー、展開もスリルがあり面白かったです。
物語は第1章~最終章まで5つの章に分かれて繋がっていきます。
"その昔…ナチ占領下のフランスで" "名誉なき野郎ども" "パリにおけるドイツの宵"
"映画館作戦" "ジャイアント・フェイスの逆襲"
第1章で、冷酷なナチスのユダヤ狩りをさらりと描き、
密かに潜入した連合軍秘密部隊「栄光なき野郎ども(イングロリアス・バスターズ)」
が登場してからは、観客はレイン中尉率いるバスターズを正義の味方のように、
窮地に現れ迫害される市民を救う・・シーンを期待したかも知れませんが、
このバスターズもカッコよくは描かれていない。
既に人間味を持たない、残虐な恥ずべき野郎どもとして描かれているのです。
美しくて賢い二人の女性に対しても、同情のままで終わらせない。
ショシュナの映画館でプロパガンダ映画のプレミア上映会の夜、
奇しくも交錯する二つの打倒ナチの作戦。
各章にドキドキのシーンが盛り込まれていてスリリングですが、個人的には
第4章"映画館作戦"でヒコックス中尉(ミヒャエル・ファスベンダー )や2重スパイの女優たちがバーで、
運悪くドイツ兵たちと接触するハメになるシーンと、
最終章"ジャイアント・フェイスの逆襲"の、女性二人の其々の攻防!に戦慄しました。
“ユダヤ・ハンター”の異名を持つハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)が、
静かな、しかしねちっこく厭らしく、憎々しくて、そこが余計にこの作品を面白くしていたと思います。
人間味が残っている、普通に好い人や、甘さのある、或いは少しでも残酷になれない人は、
この作品の中ではバタバタと死んでいきます。
極論を言えば、戦争とはそうしたモノなのかも知れない。――そう明確に監督は言っているような気もします。
さて、では、最後まで生き残るのは誰なんでしょうか?