原作 重松清
演出 梶原登城
脚本 羽原大介
音楽 大友良英
出演 堤真一/小泉今日子/池松壮亮/西田尚美/塚地武雅/古田新太/徳井優/平田満/神山繁
昭和37年。高度経済成長期の活気に沸く瀬戸内海の港町・広島県備後市。運送会社のトラック運転手、市川安男(通称:ヤス/堤真一)は、妻・美佐子(西田尚美)との間にアキラ(田中奏生・今井悠貴)という名の男児をもうけ、幸せの絶頂にあった。
しかしある日、美佐子は会社の倉庫でアキラの身代わりになり命を落とす。
幼い頃に父親(平田満)に捨てられたヤスは、残されたアキラに父親としてどうしてやるのがいいのか、自問自答を繰り返しながらも、仕事と子育てに奮闘する。
ヤスの幼なじみで行きつけの小料理屋「夕なぎ」の女将・たえ子(小泉今日子)やその呑み仲間達が、ヤスの不器用な父親ぶり、そしてアキラの成長を我が子のことのように見守り、アキラは野球に打ち込む活発な少年に成長するが・・・
同じく堤さん主演の「ALWAYS 三丁目の夕日'64」が公開されますが、このシリーズには
不思議と全く嵌れなかったワタシですが、
同じ時代を生きた人々を描いたこちらのドラマ、とってもヨカッタです
ここでは不器用な昭和の男・ヤスの「男の子育て奮闘記」がメインに描かれていますが、
ヤスがヤスでいられる環境もちゃんと映し出しており、いい味付けになっています。
まだ美佐子とアキラと幸せな休日。ささやかに子供の成長を語る夫婦の会話が
微笑ましく、無欲で善良な二人の人柄を語っていて、、、
そして事故が起こり、、ヤスは「なぜ雨だったんだ」と・・天気にあたるのもさすが・・!
たらればは、こういう風に、の良い例です。
一緒に観ていた子供が「そこかよ?」と突っ込んでいましたが、
このシーンに、ヤスの内にある父性というか、優しさが象徴されていたように思います。
自然の所為にすれば、自分を呪うこともなく、後悔しないで前に進める。
まぁ、そこまで考えてのコトではないです。ヤスの愛すべき性格なんですね。
でも、事故の真相はいくら訊かれても周囲の誰にも答えられない。
ここにはヤスとアキラを見守りながら、温かい人たちが丁寧に描かれています。
子供に恵まれなかった夫婦。子供を授かりながら捨てざるをえなかった女。親をなくした男。
そして、父に捨てられたヤスが迷う時、厳しく父親のように叱り道を指し示す存在もあり、
ベタではあっても、生き生きとヤスの暮らしが描かれるのがイイ
結婚を控えた若い女性(岡本あずさ)が「夕なぎ」にやってくる。迎えるたえ子(小泉今日子)の
なんとも心苦しく切なく、動揺と安堵と自制の母の姿にやられます・・。
この若い女優さんが初々しくて、、とってもよかった!
―たえ子と泰子の再会を見届けたその夜、ヤスはついに事故の真相をアキラに話すことを決心する―
と、いう流れになるんですね・・・
母の死の「真相」を、父の口から聞いて、アキラは父の懐に飛び込めました。・・・
『平清盛』の、舞子の最期の行動同様、どんな状況下でも子を抱いた手の力を落とさない、
親の愛に溢れたヤスの100点満点の解答でした
アキラの幼少時代も可愛かったですが、
この小学6年のアキラを演じた今井悠貴くんも溌溂としたヤスとホンモノの親子のように似た雰囲気で
親戚のおばちゃんのように二人に寄り添え観ていました。
なんだかどこかで最近見たような気がして調べてみたら、「こち亀 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~」で
香取・両さんの小学生時代を演じていましたね~。そう、何度も登場したあの勝鬨橋をももこにジェスチャーで教える少年両さんでした!
反抗期に入ったアキラをがっちり腕の中に包んだところで、後編はいよいよ池松壮亮くんです!
次回、<後編>1月14日(土) よる9時~10時13分、楽しみです
こちらで予告ムービーがご覧になれます。堤さんでクリック(笑)