この真実に、ついてこれるか。
原題 THE DEVIL'S DOUBLE
製作年度 2011年
製作国・地域 ベルギー
上映時間 109分 映倫 R18+
原作 ラティフ・ヤヒア
脚本 マイケル・トーマス
監督 リー・タマホリ
出演 ドミニク・クーパー/リュディヴィーヌ・サニエ/ラード・ラウィ/フィリップ・クァスト
イラクの独裁者サダム・フセインの息子、ウダイの影武者だったラティフ・ヤヒアの自伝を映画化した衝撃作
家族を愛し、明るい未来が約束されていたはずの青年ラティフ・ヤヒア。しかしある日、狂気のプリンスと恐れられたウダイから自分の影武者になることを命じられる。家族を人質に取られたラティフに選択の余地はなかった。こうして彼は、ウダイの想像を絶する狂気の日常を目の当たりにしていくことになるのだが…。
コチラは予告を数回観ていたんですが、その時から私の中のセコムが作動し(笑)
観る予定はなかったんですが、「ヒミズ」に間に合わず、エイッとばかりに観てきました。
予想通り痛いシーンはありましたが、すっかり引き込まれて観ていました。面白かったです。
イラクの独裁者サダム・フセインの長男ウダイ・フセインは鬼畜でした。
長い間イラクを支配してきた父親の権力を笠に、殺人、強姦などあらゆる犯罪を犯し、父親のサダム・フセインでさえ、「生まれた時に殺しておけばよかった」と言ったほどの狂気のウダイに、
超進学校で同級生だったというラティフ。その当時から似ているといわれていたらしい。。。
その出会いがなければ、或いはラティフは青年になってからウダイに呼び出されることもなく、
家族とともに幸せな人生を送っていたのかもしれない。
ダブル(影武者)になるという事は、自分の人生を消し、その悪魔の人生を歩くこと。
それを受け入れられるほどラティフは諦めのいい柔な男じゃなかったから、
見ているコチラの心臓はいつもバクバク!
この、全く性格の違う二人の男を演じたドミニク・クーパーは「マンマ・ミーア! 」で新郎、
「ある公爵夫人の生涯」でキーラの恋のお相手でしたが、今回180度イメージの違う濃いお顔
痛くなりそうなほど目を剥いてウダイに反抗するラティフは、「スターリングラード」の頃の
ジュードを思い起こさせます。目元が!
原作者であり実際に4年間もウダイのダブルをし、その後亡命したラティフ・ヤヒアさんの
来日時のインタビュー記事をみて、この映画の60~70%は原作に沿ったものだと知り、
更に劇中のバイオレンスシーンは当初の予定の10~20%程度になっていると知って、
現実はいかに狂気の世界だったのか、想像もしたくないです・・・。
惨かったり腹が立つシーンの連続でしたが、
なんといっても、危険を察知して逃げる高校生と、晴れの日の惨劇が許せない......
どこからどこまでが事実だったか、
事実は映画に出来ないって事のようですが、ラストはちょっとハリウッド的!
でも――、そうでなくっちゃ
監督は『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリですので、惨忍、イタイだけではない
スリルとサスペンスもあり、面白かったです。覚悟してどうぞ