ありがとう、お世話になりました。

　ずっと仕事で使ってきたファンカーゴくんがその役目を終え引き取られていった。
思えば９年間、納車されてすぐの頃は大切に大切にしていたけれど、
だんだん雑になり、時にはやや乱暴に扱ったこともあった。
でもいつも文句をいうこともなく僕を安全に運んでくれた。
約１８万キロを走行しほとんど故障したこともない優等生だった。
雨の日は傘になり
極寒の冬には母のようにあたたかく包んでくれた。
素敵な音楽もいっぱい聞かせてくれたっけ。
時に読書部屋にもなり、
寝室として、友と語り合うリビングにも変身した。
クルマは正に最も従順な現代の魔法のランプのようなもの
そういえばこのファンカーゴ、どこか魔法のカボチャの馬車にも似ている。
出たばっかりの頃は「変なデザイン・・・。」と思っていたけれど、
今じゃこの手のクルマばかりで、セダンの方が珍しくなった。
このクルマこれからどこに行くのだろうか？　できることなら見知らぬ国でもいいから
いつまでも元気に走っていてほしい。
♪～ありがとう友よ　さらばファンカーゴ～
　　　　　　～キミの事は忘れないよ～