「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

EUの環境極左がEUを滅ぼす⇒EUのEV化戦略とドイツの脱原発の類似性<2024/09/21

2024-09-21 19:13:09 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

欧州の2035年EV化戦略、「自滅招く」とメローニ伊首相 業界は罰金と中国攻勢に悲鳴
2024/9/20 11:58
https://www.sankei.com/article/20240920-VOFHD63RSFDITAUUCMSEPLYHNI/

現在EU政府の主導権を握っているのはドイツです。
EU政府の首脳の選出方法については以前書きました。
EUの大国の密室の談合により選出されます。
今年のEU議会選挙後、ウルズラ・フォンデアライエン委員長が再任されました。
ところがこの委員長はドイツのキリスト教民主同盟系でEU議会では、緑の党がかなりの議席を持っていました。
(今回の議会選で大きく議席を減らしました)

ドイツの脱原発を最終的に決断したのは、当時ドイツ首相のメルケル(キリスト教民主同盟)です。そこに協力に関与したのが、ドイツ緑の党を中心とする環境極左です。
環境極左は、単に極端な環境保護を宗教的に主張するだけで、経済的合理性も政策的妥当性も一切無視します。ひたすら環境保護を主張するだけです。
しかも、このグループは組織の中で自分たちの主張を実現する方法に長けています。

このグループがドイツの脱原発を決定したのと、同じ方法でEUのEV化戦略を方向付けたのであろうと思います。
その追い風になったのが・・・・・・

焦点:「EV王座」狙う独VW、排ガス不正どん底からの復活劇
By Edward Taylor And Jan Schwartz
2019年2月14日午後 3:45 GMT+96年前更新
https://jp.reuters.com/article/world/-idUSKCN1Q108V/

第318回:VWのディーゼル不正はなぜ起きたのか――
エンジン開発のプロフェッショナルが事件の背景を語る
2015.10.19
https://www.webcg.net/articles/-/33361
VWとBMW、排ガス規制問題「不正」の境界線
2015/10/08 5:40
https://toyokeizai.net/articles/-/87403

実際には、この不正技術を利用していたのはVWだけではありません。EUの他のメーカーでも利用されていました。
ヨーロッパの大気汚染が深刻だったのは、このような排ガスを巻き散らかす車が沢山走っていたからです。

もちろんUE政府の環境保護派はEUの自動車業界を悪の権化とみなし、とんでもない厳しい環境規制を課しました。
そして欧州の車メーカーの支援として考えられたのが、EV化戦略です。
簡単に言うと前科持ちの欧州の車メーカーは、保護される代わりにEV車の生産を事実上義務付けられました。
環境保護と欧州の車メーカー支援と一石二鳥の政策のはずでした。
ここに経済的合理性も政策的妥当性も一切ありません。
ドイツの脱原発と酷似しているのは、実行主体がほぼ同じだからです。
中心になっているのはドイツの環境極左とその支持グループです。

EUは、ヨーロッパの市場を守るためにEV車に補助金を出して普及させようとしました。補助金があるうちはEUのEV車は売れました。ここにきてEUの各国政府は国庫が苦しくなり補助金を打ち切りました。
補助金がなくなればEUで生産されるEV車はバカ高いので途端に売れなくなりました・と言うわけです。

そして体力の弱いイタリアの車メーカーは立ち行かなくなりました。それが記事のイタリアのメローニ首相の発言です。

結局、EUのEV化戦略は排ガス偽装で倒産の危機に陥ったドイツの車メーカーの救済のためであったと言えます。
ドイツのVWは倒産を免れましたが、今度はEUの車メーカー全部の経営が苦しくなりました。

ドイツを中心とする環境極左に乗っ取られたEU政府が打ち出したEV化戦略は、EUの車メーカー全部に経営危機をもたらしました。

ドイツの脱原発は、ドイツの産業界全体に経営不振をもたらしました。その結果、ドイツの有力企業はドイツ国外に脱出しつつあります。

EV車について言えば価格競争力のあるのは中国のEV車だけです。そうなると中国のEV車しか売れないので、今度はEU政府は中国のEV車に高関税をかけて事実上の輸入制限を始めました。

ドイツの脱原発にせよEUのEV化戦略にせよ、経済的合理性と政策的妥当性を考慮することなく決められた無茶な政策は、やがて経済的不合理性から破綻すると言うことを端的に示しています。

ドイツのクリーンデイーゼル技術が単なるインチキであった以上、当時それに代わる技術は日本のハイブリッド技術しかありませんでした。
もし環境保護を重視するなら日本のハイブリッド技術を採用するのが合理的です。
それが嫌だから経済的合理性のないEV化戦略を採用した結果が、今のEUの車業界の苦境です。

EU政府は、非常におかしなことをやっています。
それほど環境保護に熱心なら、戦争も止めさせるべきでしょう❓
戦争の方は、思いっきり!煽りまくり!です。
結局、環境保護など「嘘っぱち!」にすぎないことを証明しています。

まあ、何というのか❓
頭が、バカでないのか!と思います。

※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d



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