立場によって違うと思います。ドイツ国内に重心をおくか、世界に重心を置くか。
メルケル氏については、私の評価は一般的でないかもしれません。ドイツ国内での業績に限っても、ドイツの景気が回復したのは、たまたま時期が良かっただけだと思います。ドイツの様々な改革をしたのは、メルケル氏の前の首相のゲアハルト・シュレーダー氏です。所属政党を見るとSPD(社会民主党)です。よく改革できたな、と驚きます。
メルケル氏の時代の「ドイツの一人勝ち」はシュレーダー氏の改革の果実と言えるでしょう。
メルケル氏のやったのは、その果実を収穫する事だけです。徹底的な行政コストの削減をして見かけの利益をかさ上げしました。利益の多い分だけ、より立派に見えます。そして致命的ともいえる間違いを犯します。何だと思います❓
「ドイツの脱原発」です。国の基本と言えるエネルギー政策を誤りました。以後、ドイツの電気代は高騰を続け、今ではヨーロッパ一高い電気代を生み出しました。これがドイツ製造業の輸出競争力の低下を招き、今ではドイツ製造業の海外流出=産業空洞化を引き起こしています。
他では、行政経費を削るために今必要でない経費を全部、削りました。軍事費に警察予算、インフラ投資、教育投資などドイツの未来に必要な投資も全部、削減しました。そのツケは、今ドイツ社会と経済界、政治の分野まで出ています。
ドイツ低迷の基礎を作った首相と言えます。それでもドイツ国内では評価が高いようです。
一方、トランプ氏です。日本には米民主党系メデイアの情報ばかりが流れてきます。民主党がトランプ氏をこき下ろし攻撃するから、それが日本の一般的なトランプ像になります。第1期目は、政治に不慣れですから目立った業績がないように見えます。世界平和の視点から見てみます。トランプ時代に戦争は起きませんでした。反対に泥沼化していたアフガン戦争で、タリバンと話し合いの場を設けてアメリカ軍撤退の道筋を付けました。しかし、任期切れとなりこれは後任のバイデンさんに引き継がれます。バイデンさんは、これを自分の手柄にしようとして撤退の期日を限定してしまいました。これがアメリカ軍の準備不足とヨーロッパ諸国への連絡の遅れとなり、大混乱の中で撤退することになりました。タリバンが約束を守り、どちらかと言うと撤退を保護しましたので、NATO自体は大体撤退できました。しかし、多くの協力者を置き去りにする結果になりました。これは、バイデンさんの責任と言えます。もちろん、アメリカ国内からもヨーロッパからも大批判が起きました。
この汚名挽回のためにバイデンさんが始めたのが、ロシアとのチキン・ゲームです。散々、ロシアを煽りまくって最後はゼレンスキーにミンスク2合意違反の東部独立派、軍事攻撃をけしかけました。低支持率に悩んでいたゼレンスキーは、これに乗りました。結果として、これがロシアのレッド・ラインを踏み越えておりロシアの軍事侵攻を招き寄せました。
どっちが悪いと言えば、バイデンさんとゼレンスキーが悪いに決まっています。
バイデンさんの時代に大きな戦争が二つ起きて、どちらも継続中です。戦争大好き大統領と言えます。さすが、ネオコンと仲良し大統領です。
トランプ氏は、反対にネオコンから憎まれています。ネオコンの意に沿う政策を取らないからです。それは共和党内ネオコン派閥がトランプ批判と民主党支持をしたのを見れば、分かります。
そしてアメリカの大物政治家では、ただ一人(だと思います)アメリカ・イラク戦争は間違いだったと発言しています。
こうやって見てくると今の米民主党は世界平和と言う意味では最悪です。民主党大統領候補であったハリスも全く同じです。その意味で世界平和にとっては、トランプ氏が大統領選に勝利したのは大きな幸運であったのかもしれません。
そしてトランプ氏の政策を聞くと妥当な政策が多いです。批判的な目で見るから悪く見えますが、実際には民主党の政策より優れている点が多いです。
一番分かりやすいのは、メキシコ国境の壁建設です。壁を建設して物理的に遮断する以外に、不法移民の流入を止める方法がなかったから、トランプ氏は2016年大統領選んで壁建設を公約にしました。
実際に壁建設を開始したら、民主党は人権だのなんだの言って大批判の合唱でした。
やはり不法移民の流入にどうしようもなくなったバイデンさんは、どうしたか❓
なんだか、そそくさと壁建設を再開しました。それどころか、一時的に鉄道のストップさえしました。
トランプ氏は、2018年6月12日、シンガポールで北朝鮮のキム総書記と会談しています。
これが、トランプ式です。実際に相手に会って人間を確認します。会わなければ、どんなヤツなのか分からないだろう❓と言うわけです。
バイデンさんや国務長官を見てください。ああやってウクライナ紛争を引き起こしておきながら、ロシアの政府首脳と会って話し合うことは、一切しませんでした。戦争で話を付けようというわけです。その結果、ウクライナが負けて潰れてしまえば、どうしようというのか❓
多分、何もしないで放置してボロ雑巾のように捨てると思います。アメリカの冷酷な、いつもの手口です。
誰が見たって、もうウクライナに勝ち目はありません。
強引にでも終戦に持っていく方が、ウクライナ国民には親切であると言えます。
ゼレンスキーは、最初から利用しただけなんだから、こっちをボロ雑巾みたいに捨てればいいでしょう❓
ゼレンスキー・一人を捨てるのと、ウクライナ国民を捨てるのと、どっちが害が少ないか❓
考える必要もないと思います。
バイデンさんとヨーロッパは、ゼレンスキー・一派を助けて、ウクライナ国民を見殺しにするようです。
どっちが正しいですか❓
考えてみて欲しいと思います。
☆12月7日の三者会談の内容を米ウオール・ストリート・ジャーナルが続報しています。
産経新聞 2024・12・14
『トランプ氏 ウクライナ停戦監視に米軍参加せず NATO加盟「支持せず」発言』
8日か9日のマスコミ各社の報道では、内容については報道がなかったように思います。20分程度の会談ですから中身はなかったのだろうと思っていました。しかし、言うだけのことは(一方的に)ゼレンスキーに言ったようです。
「ウクライナのNATO加盟は支持しない」
ゼレンスキーは、その後もNATO加盟を求めています。
しかし、明確にトランプ氏が否定している以上、加盟は出来ないと思います。
NATO加盟国には、数か国ウクライナのNATO加盟に反対している国があります。
だから、トランプ氏がどうあれウクライナのNATO加盟(招待)が行われる見込みはありません。
ゼレンスキーが停戦交渉をゴネれば、トランプ氏は停戦を遅らせる可能性があります。
遅れる分、ウクライナ領はロシアが削るでしょう。
トランプ氏の停戦案は、現状固定だと思います。
時間が経過すれば、ロシアが支配する領土が増えることになります。
ゼレンスキーが、ゴネることをロシアも期待していると思います。
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項目「ヨーロッパ」の目次②
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