「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

帝国の興亡(ロシアとイギリス)<2023年9月

2023-09-10 12:40:58 | ロシアと周辺国

帝国主義の時代、世界の覇を競い合いました。
七つの海を支配する大英帝国に勃興するロシア帝国が挑戦しました。
それがロシア帝国の南下政策から、第1次世界大戦・ロシア革命・第2次世界大戦・冷戦時代に続く流れです。

覇者である大英帝国は第2次世界大戦後、世界帝国の座を降りてヨーロッパの大国になりました。
現在の状況
『校舎が崩壊、医療サービスは1年以上の待ち、国内最大の自治体が自己破産...英国、債務危機の深刻すぎる現状』
2023年09月07日(木)17時30分
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2023/09/1-1.php

ユーロ離脱以降のイギリスは、「秋の日は鶴瓶落とし」の状況にあるのは、単なる気のせいかもしれません。

大英帝国の話は、また今度にして今回はロシア帝国です。ロシア帝国は、共産主義革命を経て旧ソ連になり、かなり長い間世界の超大国でした。
ロシア帝国(1721年 - 1917年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%B8%9D%E5%9B%BD

ソビエト連邦 - Wikipedia(1922年から1991年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%88%E9%80%A3%E9%82%A6

約300年近く続いた世界帝国と言えます。ソ連崩壊後、その帝国は消え去ったかに見えます。1991年は歴史的には、つい最近です。

世界の人々もロシア人も、ロシア帝国の崩壊を認識することが出来ません。もはや亡霊にすぎない、偉大なロシア帝国が今もあるような錯覚を持っています。

特にロシア人にはそうです。300年近い世界帝国の時代を忘れることが出来ません。
『まだロシア帝国は存在する!(あるいは)復活できる!』
このように考えるロシア人が多いようです。これは、現在のロシア政府の幹部ばかりでなく、ロシア国民に共通する一般的な概念のようです。
だから、旧ソ連圏から独立した諸国は裏切り者であり、謀略や軍事力によりそれを回復するのは、自分たちの領土を回復するのであり正義だ!と考えるわけです。

それ以前にロシア帝国の時代に軍事力で簒奪した領土であることは、きれいに忘れるのもロシア人の特徴です。これは民族的特性だと思います。一旦、自分たちが足を踏み入れた土地は、全部ロシアの領土です。それが元は他人の領土であり、今も異民族が居住していることは忘れて無視します。

ロシア人の感覚は、今も帝国主義ロシアの時代とほとんど同じだと思います。強力な軍事力で他人を弾圧支配し、それを拡大するのが正義です。これ以外にロシアの正義は、ありません。今時、帝国主義時代の考えが残っているとは、他の国は普通思いません。

しかし、ロシア帝国の思想的残党と言うべき現在のロシア政府は、帝国主義時代の軍事行動を、大ぴらに開始しました。ウクライナへの白昼堂々の軍事侵略の開始がそれです。

最初、どこの国も理由が理解できなかったと思います。今の社会にそんな無茶苦茶をする国があろうとは、誰も思いませんでした。だから識者や専門家と称する人々が、あれこれ理屈を付けていました。

しかし、今わかることはロシア政府(特に独裁者)は過去の帝国主義ロシア帝国の時代に生きており現代とは遊離しています。やっていることは、帝国主義ロシア帝国の時代そのままである事を見れば、その時代の解決方法を持ち出すしか解決しないことが分かります。

軍事力には軍事力をもって対抗する以外には、方法はありません。最近、ロシア政府の高官たちの言うことは更に現実離れしています。まるで自分たちがロシア帝国であり(=絶対正義)、それ以外は奴隷(絶対悪)か敵であるような発言しかありません。金太郎あめのように同じことを繰り返して過激化しています。

ほぼ、ヒトラーやスターリンと同じに見えます。要は、普通の人たちではないと言うことです。精神病院などに行くと、よく見かけるような人が多いように思います。

ロシア帝国の没落を信じられない人々が、今のウクライナ戦争を遂行しています。だからどちらかが負けるまで戦争に終わりはありません。ナチスドイツ、旧大日本帝国がどのようになった時に、敗戦を受け入れましたか?
ロシアも同じです。

今回、ロシアがウクライナと長期戦を戦えるのは、戦争の方式が旧式だからです。旧ソ連の時代な膨大な武器弾薬の備蓄があるから継続できます。それほどに旧ソ連軍は強大であったことになります。しかし、旧ソ連がその膨大な備蓄を持っていたのは、過去に巨大な生産設備を持っていたからです。ナチスドイツとの戦争を支えた工業生産力です。それは、徐々に失われ今は貧弱な工業生産力しかありません。
今保有している装備・武器一式を使い切れば、それを補充するのは不可能です。戦争が長引くほど、装備・武器の損失は増えていきます。戦車はもう今の規格の戦車は、在庫がないと思います。ほんとに旧式のTー55をどうやら送り込んでいるようです。
ミサイルも使うほどに在庫が減るでしょう。

何より人員が減ります。減った人員は、そう簡単には補充できません。訓練不足の兵士や将校や将軍を送り込めば、すぐ戦死します。
戦車兵、パイロット、砲兵などは、簡単に育成でません。将校や将軍は、もっと養成に時間が必要です。戦死者が増えるほど、無能な素人に近いような動員兵か徴収兵を送り込むしかありません。それが戦力になると思うのは、大きな間違いです。
人的犠牲を無視するロシア軍の戦術は、既に推定30万人程度の戦死者と負傷者を出していると思われます。訓練の行き届いた部隊は、ほぼ壊滅しているでしょう。有能な将軍や将校にしても同じです。

戦争を続けてもロシアに勝ち目はありません。しかし、独裁者がロシアが勝利すると決めているので、止めることすら出来ません。

ウクライナ側にも今後も犠牲は出続けます。
しかし、ロシア側にはそれ以上に犠牲が出るでしょうし、装備・武器の消耗が続きます。補充する装備・武器はやがて枯渇します。その結果、更にロシア軍の前線では犠牲が増えるでしょう。

それでも戦争を止めようとは、しないと思います。ロシア人が自分たちの手で、それを解決しなければなりません。

植民地帝国主義ロシアは、革命により終わりました。
ロシア人は、どうするのか・・・



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