「北の山・じろう」日記

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独ソ戦クルスクの大戦車戦に見る戦訓(ジューコフ元帥の戦術)<ウクライナ紛争2024・12・22

2025-01-13 02:02:52 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ここまでウクライナ紛争を見ているとロシア軍の戦術にクルスクの大戦車戦と共通する部分多いことに気が付きます。
ウイキペデイア
【クルスクの戦い】(1943年)
東部戦線でナチス・ドイツ軍の進撃が失敗し、戦線が膠着状態になりかけた時、ナチス・ドイツは主導権を握るべく一大突破作戦を実行しました。これが史上最大の戦車戦「クルスクの戦い」と呼ばれる一戦場の戦いとしては史上最大の激戦です。

詳しいことは、記述を読んでください。
投入戦力
ソ連軍
歩兵など190万人、戦車5128、迫撃砲・大砲25013、航空機2792~3459
ナチス・ドイツ軍
歩兵など78万人、戦車2928、迫撃砲・大砲9966、航空機2110

そして驚くことにソ連軍がその後、追撃戦に移るときは兵員数と武器の数が、この数字から大幅に増えています。当時のソ連の兵士動員能力と工業生産力の巨大さが分かります。

ドイツ軍の大攻勢を探知したジューコフ元帥は、予定される戦場のクルスク周辺に大防御網を建設します。今の陣地防御とほぼ同じです。当時は、土木建設用の機械などありませんから数十万人の市民や兵士が、この作業に従事しました。

戦車の威力ではナチスドイツのタイガー戦車が圧倒的に強いです。そこでジューコフ元帥が考えたのは、防御網を利用してドイツ機甲部隊の進撃を足止めして消耗戦に持ち込むことでした。双方、甚大な損失を出しながら7日間の戦いは互角でした。
8日目の戦いはありませんでした。
アメリカ軍がシシリー島に上陸したのを知ったヒトラーは、攻撃部隊をイタリアに転戦させるために攻撃中止と撤退を命令したからです。この撤退が、ソ連軍の追撃を招きドイツ軍は撤退時に大きな損失を出します。この損失が、戦力バランスを崩し以後は、東部戦線でソ連軍の優位が形成されていきます。結果として、クルスクの戦いが独ソ戦の雌雄を決めることになりました。それは、後から分かる話です。

これと全く同じ戦いがウクライナ戦線でも起きました。
2023年ウクライナ軍のザポリージャ州反撃作戦です。
ロシアのスロビキン将軍が命じたスロビキンラインが半年程度の短期間で建設されました。
クルスク周辺にジューコフ元帥が建設した巨大な防衛網に似ています。
それだけでなくウクライナ軍の進撃ルートのトクマクの前面に分厚い防御網を建設してウクライナ軍を迎撃しました。
ナチス・ドイツ軍と比較するとまるで弱いウクライナ軍は、第1次防衛ラインを突破するのが精一杯で攻撃は頓挫し、反撃作戦は失敗しました。その過程で多くの武器と甚大な人的損失を被りました。これ以後、ウクライナ軍は兵士不足に悩まされることになります。
ウクライナ軍も西側も防御戦におけるロシア軍の強さと、ロシア軍が建設する防衛網の強靭さを想像することが出来なかったようです。

バカのチョンのカスの散々罵倒されたロシア軍は、独ソ戦の教訓が戦訓としてロシア軍の戦略や戦術の中に生きていました。

そしてジューコフ将軍は、ナチス・ドイツとソ連の工業生産力と兵士供給能力を勘案して圧倒的な物量作戦を展開しました。その結果、ソ連軍の方が損失が多くても補給・補充能力で勝れば、最後はソ連軍が勝てる・と考えその通りに戦いました。

ロシア軍の戦略もそれに沿ったものです。ウクライナ軍より多くの兵士を戦場に投入し、多くの武器や砲弾を戦場に投入する計画を、2022年の段階で建てています。と言うのはドローン工場の建設や武器生産ラインの拡大に、短期戦が失敗した段階で取り組んでいるからです。これは秘密ではなく当時、ニュースになっていました。

圧倒的な物量作戦を展開するための準備に、早い段階で着手したと言うことです。
大体、今年の前半で一応それが完成したと言えます。だから、今ロシア軍が砲弾やドローン、ミサイルの不足に悩むことはありません。ロシアの生産量だけでは足りない武器は、北朝鮮から買い付けやがてウクライナ戦戦に送られてくるでしょう。170ミリ自走砲や、250ミリ多連装ロケット砲、あるいはやや大型のドローンなどです。これらの武器が戦場に投入されるようになれば、更に火力でウクライナ軍を圧倒できます。

振り返り考えてみれば、独ソ戦でジューコフ元帥が考えた戦略や戦術を、現在のロシア軍の将軍たちが忠実に再現していると言えます。ロシア軍を侮って馬鹿にし切ったウクライナ軍と西側は、今どうなっていますか❓

どう負けるか・だけの話になりました。
この辺りで負け逃げするのか❓
無条件降伏まで負けるのか❓

ヒトラーは、ベルリン陥落まで悪粘りしてドイツ全土が焼け野原になりました。

 

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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