Newsweek 2024年12月20日
(1)『シリアXイランXヒズボラ「シーア派の弧」破綻後の中東の地政学』
ミレイユ・レベイズ(米デイッキンソン大学准教授)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/529929.php
ウイキペデイア【中東戦争】
1948年~1973年まで4度の大規模戦争
※記事には詳しい説明があります。
現在の中東のアラブ諸国とイスラエルの不安定な状況は、ここからの対立関係の延長線上にあります。
しかし、第4次中東戦争後は大規模なアラブ諸国VSイスラエルの戦争は起きていません。アラブの国の中には、戦争ではなく話し合いでパレスチナ問題の解決を志向する国が現れたからです。
しかし紛争が終わったわけではなく、シリアはレバノンへの内政干渉を通じてイスラエルとの闘いを継続させます。そしてレバノンは、ヨルダンを追放されたパレスチナ・ゲリラ(パレスチナ解放機構PLO)を受け入れたため、PLOもイスラエル攻撃を行います。当然、イスラエルは反撃に出て1982年レバノン軍事侵攻を行います。イスラエルは、その後レバノン駐留を継続し、完全撤退は2000年です。
レバノンは、各勢力が争う内戦状態に陥り政府は失われました。
ウイキペデイア【レバノン内戦】1973年~1990年
詳しく書くのは、到底無理なので後は、資料を読んでください。知ろうと思うなら、その程度のことはしてくださいね。
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(1)の記事は、大体この後のことを大雑把に書いています。
シリアがレバノンへの内政干渉をする中で支援したパレスチナ武装組織が「ヒズボラ」です。イスラエルとの戦争やシリア内戦の中で勢力を拡大していきます。
しかし初代アサド政権が力を失うと、今度はイランが支援を始めます。
イランは、憲法に「イスラエル撲滅」を書き込んでいます。イランはヒズボラ支援を通じてレバノンに進出します。シリア内戦が始まるとアサド政権への支援を利用してシリアへも進出しました。その道具になったのが、ヒズボラです。ヒズボラの部隊をシリアに送り込み政府軍を支援しました。こうしてイランは、シリアの中で影響力を強め、「イラン~イラク~シリア~レバノン=ヒズボラ」のイスラエル撲滅を目的とする勢力を束ねた「陸の回廊」を完成させました。⇒「抵抗の枢軸」
ガザ紛争から派生したイスラエルとヒズボラの戦争は、イスラエルに千載一遇のチャンスを与えました。
「抵抗の枢軸」のうち、シリア~レバノンを破壊するチャンスです。
これを考えるとレバノンとの戦争やシリア反政府勢力の革命にイスラエルは何らかの形で深く関与していると思います。裏事情が表に出てくることは、多分ないと思います。しかし、イスラエルが反政府勢力の都合のいいようにヒズボラとシリア政府軍を叩きまくったのは、表に見える事実です。
結果として、シリアからヒズボラとイランの勢力は叩き出されました。ヒズボラはイスラエルとの戦争で大きく弱体化しました。これをイランがテコ入れしようとしても「陸の回廊」は、失われました。今後は地中海経由の海路しかありません。海上はアメリカ軍が「バッチリ!」監視しています。思うようには行かないでしょうね❓
中東の不安定要因は、最初はアラブ諸国のイスラエル撲滅のための戦争です。
これが失敗した後は、イランが介入してパレスチナ過激派を育ててイスラエル撲滅に利用しました。シリアにも内政干渉してシリアも傀儡化しようとしました。
ガザ紛争からシリア内戦の終結の過程には、イスラエルと同盟国のイラン勢力叩きがあります。そして、それは見事に成功しました。
次は、どうする❓
イラン弱体化に動くと思います。
トランプは、イランを思いっきり敵視してます。
まだまだ続きそうな中東での影の戦いです。
結局、この流れを見ると中東からイランの勢力を完全に排除しないと中東は安定しないでしょう。
もうアラブ諸国はイスラエルとの対立は望んでいないと思います。
レバノンからイランの勢力を完全に排除すれば、一応はイランの勢力は中東から排除されます。
何しろイランは、「イスラエル撲滅」を憲法に書き込んでいますから、どう見てもやりすぎだと思います。
こうしてしまえば、イランかイスラエルのどちらかが壊滅しないと争いは終わらないことになります。
どっちを、やっつけるの話になれば❓
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項目「アフリカと中東」の目次②
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