アウジーイウカ陥落は「時間の問題」 分析グループ、バフムートの轍踏
2024.02.09
https://forbesjapan.com/articles/detail/69050
「ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイト」の最新のリポートですから、疑問の余地はありません。
バフムトでの失敗にも触れています。
『しかし、弾薬が不足してくるとバフムートの守備隊は優位性を失った。フロンテリジェンス・インサイトは「ロシア軍がウクライナ側の両翼を制圧し、補給ルートを遮断すると、(ロシア側とウクライナ側の)損耗率はほぼ同じになった」と当時を振り返って警告している。
ウクライナ軍の指揮官たちは、バフムートからの撤退を遅らせすぎた結果、ロシア側よりかなり少なく抑えていた損耗を増やし、それによってウクライナ国民からの信用を失った。』
ウクライナ軍の参謀本部に見られる欠点は、撤退時期の判断を常に間違えることです。
バフムトと同じ間違いをするとアウデイーイウカ市街にいるウクライナ守備部隊には大きな損失が出ると思います。既に出始めているかもしれません。
2022年ロシア軍はそれとは正反対に持ちこたえられなくなったハルキウ州から遁走するように撤退し(これは命令だけがあって撤退計画がなかったからです)、ヘルソン市からは秩序ある撤退作戦に成功しました。その後、縮小した戦線に防御ラインを築き前線の安定化に成功しました。
進軍ラッパを吹き鳴らすのではなく、現実を見据えた全体の作戦計画が必要です。
タラレバ式の反撃作戦ばかり考えるから、結局東部戦線全域でロシア軍優勢の戦いが続いています。
ウクライナ軍に今、緊急に必要なのは東部戦線を縮小して(部分的撤退をして)後方で防衛ラインを作り直し、その上で東部戦線を安定させることです。
ゼレンスキー氏の大嫌いな「膠着状態」を作り出す必要があります。
その上で何をするべきか❓考えるべきでしょう。
今のままでは、少しづつロシア軍に寸土を削られるだけです。
それでロシア軍に不利は、ありません。
停戦を最終的にウクライナが申し入れるとして、それまでウクライナ領を削り続ければいいからです。
こうやってズルズルと戦争を続けると戦場になる村や町や市が次々に廃墟になっていきます。
セベロドネツク、バフムト、マリンカ、アウデイーイウカ・・・
次々と廃墟が増えていくだけです。
戦争を続ければ現状ではロシア軍のゆっくりですが進撃を止められません。廃墟が徐々に増えていくだけです。地上の戦闘でウクライナ軍がロシア軍に劣勢であれば、これは変わりません。
それをウクライナ大統領府は認識するべきだと思います。どれほどウクライナに廃墟が増えようが、どれほどウクライナ国民が死傷しようが、ロシアとの戦争を続けたところでウクライナが得られるものは、何もありません。
※そして万歳サイトなのでウクライナを応援するのは当然なのですが❓
まだヘルソン州ドニプロ川東岸の攻撃作戦を続行中のようです。ここには海兵旅団3個旅団を投入していますからこの兵力をアウデイーイウカの増援に振り向けていれば、現在のアウデイーイウカの窮状は、取り敢えず回避できていたと思います。
2024.02.11
『橋頭堡のウクライナ部隊がドローンで国旗掲揚 危険極まりない戦場で抗戦続ける』
https://forbesjapan.com/articles/detail/69081
※関連日記
ドネツク州アウデイーイウカ市街南部はロシア軍が包囲寸前<ウクライナ紛争2024.2.11
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/d2d8d3879fd1f52bbfa7b40e8dff9878
ヘルソン州ドニプロ川東岸の戦闘(ウクライナ軍壊滅寸前)<ウクライナ紛争2024.1.21
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/0042f52b2674bc956107179b6ee82b21
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27