これは、マスコミで報道されることは、ほとんどありません。報道されても単に誰が何の役職か程度です。
ウクライナの政界で大きな影響力を持つのは、新興財閥です。言ってみればウクライナの政権抗争は、新興財閥同士の主導権争いとも言えます。
ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A4%E3%83%8C%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81
2014年クーデターで追放されました。親ロシア派の有力財閥です。
ペトロ・ポロシェンコ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B3
「チョコレート王」とあだ名のある有力な新興財閥です。
ウクライナのオリガルヒ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%92
こうして見てみると余り親ロ派と親欧米派は、関係なくその時々連携したり離反したりしています。
親欧米派のポロシェンコが、親ロ派のヤヌコーヴィチの有力閣僚を務めています。
ゼレンスキーは、コメデイアンから人気テレビドラマの主人公俳優として人気がありました。その後、大統領選に出馬してポロシェンコに勝利して大統領に就任します。ポロシェンコに勝利した理由の一つに財閥のオーナーでないことが、あったのかもしれません。ところが、ぎっちょん❓
バックにいたとされるのが、イーホル・コロモイスキーです。
イーホル・コロモイスキー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%A2%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
(ドニプロペトロウシクで、ユダヤ人技術者の家庭に生まれる)
(ウクライナ・イスラエル・キプロスの三重国籍をもつ)
(リナト・アフメトフ、ヴィクトル・ピンチュクらと並ぶウクライナ有数の富豪(オリガルヒ)の一人)
(2012年フォーブス誌ではウクライナ3位の富豪である)
イーホル・コロモイスキーは、相当裏のある政商と言うべき財閥でしょう。
ここからが本題です。
ゼレンスキーの大統領府にはテレビドラマ時代の仲間が大勢入閣しました。追放されたのも結構います。
誰がゼレンスキーに大きな影響力を持っているのか❓
ほとんど報道されたことがないですね❓
ROLES Commentary No.9 2023 / 06 / 01 (木)
田中祐真「ゼレンスキー政権におけるウクライナ大統領府の存在 ―イェルマーク長官への権力の集中―」
https://roles.rcast.u-tokyo.ac.jp/publication/20230601
どうやら、キエフ政府で大きな権力を握っているのは、アンドリー・イェルマーク大統領府長官であるらしいことが分かります。
経歴は、良く分かりません。政治的に優れた才能が隠されていたんでしょうね❓「優れた」と言う意味は政権闘争の意味です。
アンドリー・イェルマーク
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF
(イェルマークの母はロシア生まれで、ユダヤ系ウクライナ人)
(ゼレンスキーと2011年頃知り合う、友人、プロデューサー)
こうして見てみると現在のキエフ政府には、ある共通点が見えてきます。
ユダヤ系・ユダヤ人人脈です。
イーホル・コロモイスキー
アンドリー・イェルマーク
ゼレンスキー
BBC 2023年9月3日
ウクライナの富豪、詐欺や資金洗浄の疑いで勾留 ゼレンスキー氏の元後援者
https://www.bbc.com/japanese/66693600
この後、イーホル・コロモイスキーがどうなったかは続報がなく不明です。
アメリカ政府のお尋ね者みたいな人物ですから汚職対策を強く迫られて逮捕は、したのだろうと思います。
財産没収のような記事も、有罪判決の記事も見当たりません。
逮捕がアメリカ向けのポーズなら、まだ資産と権力を持っているかもしれません。
とにかく、ウクライナの内部のことは情報が少なく、外部からは分かりにくいです。
アンドリー・イェルマーク大統領府長官が大きな権力を握った背景には巨大スポンサーのイーホル・コロモイスキーの絶大な支持が、あったのだろうと思います。
ウクライナを今のような軍事独裁政権に近い政治体制にしたのは、イーホル・コロモイスキーだろうと思います。履歴を読むと2014年クーデター以降、そのような動きをしています。民兵組織も作っています。
(ア)個人的な推測ですが逮捕後が不明ですから逮捕は、アメリカの目を晦ます言い訳のように思います。
そうなると上にあげた3人は、まだ権力を持っているでしょう。
(イ)もし、イーホル・コロモイスキーが権力を失っていれば、残りの二人は弱体化していると思います。
そうなると、あと頼るのはゼレンスキーの大統領としての独裁的な地位だけになります。
(ア)なのか(イ)なのか?これは、今不明です。
最後に陰の実力者であるアンドリー・イェルマークのライバルと見られている人物です。
ウクライナ国防省情報総局長のキリーロ・ブダノフです。
この人物も長い軍歴以外の経歴は不明です。
しかし、新興財閥の誰かまたは複数が背後にいると思います。
結局、ウクライナで頻繁に起きる政治闘争は新興財閥同士の主導権争いのようです。
オレンジ革命(2004年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E9%9D%A9%E5%91%BD
ウイキペデイアの記述
「だがその一方で、他国勢力の介入という点では、ユシチェンコ陣営に対する米国からの介入があったとする見方も存在しており、具体例としては、米国の投資家ジョージ・ソロスの名などが挙げられている。」
結局、2014年クーデターと構図は同じです。
そして記事にある地図を見てください。
東部と南部がロシア支持。
中部と西部が、アメリカ・EU支持。(ウクライナ過激民族主義者)
これが2019年ウクライナ大統領選挙でゼレンスキーの支持の高かった地域です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
ほぼ重なっているでしょう❓
結論は、ウクライナは一つの国ではないと言うことです。
内戦から戦争まで行ってしまえば、もう元に戻るのは不可能です。
だから、ウクライナ国民のためを思うならウクライナをこの地図のように東西に分割して、二つの国家を作るのが一番良い方法だと思います。
無理に一つの国家にしようとしても主導権を持つ方が、持たない方を差別して弾圧すると思います。
2014年の暴力クーデター後は、西部のウクライナ民族主義者が東部や南部の住民を差別して弾圧しました。
これが本当の内戦の理由であり、最後はロシアが軍事介入にまで踏み切った理由です。
どこまで行っても救われない国だと思います。
結局は、第2次世界大戦後スターリンが、ポーランドから無理やり西ウクライナを分捕ったのが原因です。
さらなる間違いは、行政区画の編成の間違いです。
中部と西部、南部と東部を別々の行政区画にしておけば、おそらく独立するにしても中部と西部だけが独立したでしょう。
スターリンの「大間違い」が、結果としてウクライナ紛争を導き出したと言えます。
戦争が起きてしまえば、今更どうにもなりません。
後は、将来に禍根を残さないような事後処理をすることが一番大切だと思います。
今、どちらがいいの悪いのを言っても戦争が長引くだけです。
ウクライナと呼ばれる地域に住む人々の将来に最も良い解決をするべきでしょうね❓
今、地図上にあるウクライナと言う国は、元々なかったのです。
あるいは、本来二つの国家を無理やり一つにしているとも言えます。
それを考えるべきでしょうね❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27