アン・ドゥ・トロワ

2019年12月22日 | 日記
今日はダンナの外出。

先日、閉鎖病棟から開放病棟に移った。

前に居た開放病棟は最悪だったのだが、もう一つ開放病棟があって、今回はその初めての開放病棟だ。

どんな感じだろうと心配だったのだが、普通だった。

良かった。普通で。

やっと病院らしい病棟だ。

この普通の病棟に居るために、ダンナにはもう問題を起こさないように過ごして欲しい。

だけど気になったのは、今日のダンナは異様なくらいぼんやりしていたこと。

なんか、いつも以上に話し方がおかしい。

ついこの前の四十九日と納骨式で会ったダンナはまだ話がまともだったし表情もあったのだが、今日はそれがどちらもなかった。

食欲だけは相変わらずだったが。

それでいてこんなことを言った。

「俺が死んだら二人は泣いてくれるのかな」

え?

何言ってんだ。

「何言ってんのっ?」

とだけ言ったらダンナは黙っていた。

もしかしたら、ダンナの母カヅさんが亡くなって、今になって実感してきて落ち込んでるんだろうか。

それとも強い薬に変わったのだろうか。

いつも以上にボンヤリして気になった。

そういえば、先日家にあるCDを整理していたら、ダンナが買ったキャンディーズのCDが出てきた。

若い頃、キャンディーズのファンだったダンナ。

車の中で聴かせてあげようと思って持って行ってかけた。

それでもやっぱりボンヤリダンナ。

運転は息子がしていたのだが、初めて聴くキャンディーズの曲に、

「なんか70年代の歌謡曲って、洋楽の影響受けてる感じだよね」

と言っていて、なるほどそうかもと思った。

それにしても、今どき車でキャンディーズのCDを聴く三人家族のエヅラ。笑

「春一番」とか「年下の男の子」のような、いかにもって感じの代表曲より、私は「哀愁のシンフォニー」が好きな曲だった。

キャンディーズのファンだったわけじゃないが、その「哀愁のシンフォニー」が流れてきた時に懐かしくて、「この曲好きだったんだよー」とか息子に言ったりしていた。

するとそのうちに、聴いたことがあるような無いようなイントロが流れてきた。

私は、

「ん?この曲は何だったかな…」

と一人言のように言うと、ボーッとしていたダンナが突然ひとこと。

「アン・ドゥ・トロワ」。

「あ、そうだ、そんな曲あった」。

てゆうかイントロが少し出て来ただけで答えるダンナ。

まだまだ大丈夫だダンナ。