カヅさんの級友ちえ子さんに会って来た(1)

2020年03月18日 | 日記
以前ブログで書いた、カヅさんの古い英語のテキストだが、
https://blog.goo.ne.jp/kitiyakimura/e/583731cbe53ec781b771844bbebd5dfa
実はこの本の最後のページに、

『親愛なるカヅさんへ』

と、万年筆で達筆に書かれていた。

そして、日付と名前も書かれていた。

日付は『昭和二十二年十二月二十五日』と漢字で書かれていた。

計算すると、カヅさんが16歳の時に当たる。

そして日付の後に、書かれていた名前は『〇〇ちえ子』。

なんとなく、生前カヅさんが、ちえ子さんという友人が居たと話していたのをチラッと聞いたような気がする。

この英語のテキストを、高校時代カヅさんにあげたお友だちはどんな人だろうと思っていた。


そんな中、カヅさんが亡くなり、親戚の人が香典を頼まれて来たと持って来てくれたのがちえ子さんからの物だった。

ちえ子さんは存命なんだ!

そう思うと、ちえ子さんに会ってみたいという気持ちになった。

でもなかなか行くタイミングを逃して気になっていて、そして、

昨日ついに行って来た。

住所だけは知っていたけど、なかなか私は初めての地域を住所だけ見て探すのは苦手で、昨日は息子と一緒に探しながら行って来た。

お悔やみのお返しと、少しばかり菓子折を持ち、車で家から二時間弱のその地域に行ってちえ子さんを探した。

息子がGoogleで空からの写真を見て言った。

「え?この住所だと、なんかすごく広い敷地で大きい家なんだけど、もしかして施設なのかな」

どれ?と、息子のスマホを覗いた。

本当だ。広いし大きい家。

「うん、もしかして施設かもね」

とにかくちえ子さんの住む住所を目指して向かった。

車を走らせていると、結構ヒト気の無い、家もポツポツとしかない地域に入って来た。

「あとはここを真っ直ぐ進むと見えてくるはず」

息子の案内通り走っていたその時、

「あ、あそこじゃない?」

と息子が言った。

見ると、奥まった高い位置に、大きな家が立っていた。

その家に向かって行くと、敷地がこれまた広く、テニスコート3面は張れるくらいだった。

家は決して新しいわけではないが、施設くらいの大きさがあった。

でも施設ではなく、個人の家だった。

表札を見るとちえ子さんの名字。

間違いない。

緊張しながら玄関のチャイムを鳴らした。

・・・

出ない。

留守かな。急に来ちゃったもんなあ。

広い庭を見ると車庫に高齢者マークをつけた軽自動車が停まっていた。

家族何人かで住んでるんだろうから、車はあれだけではないだろう。家族で出かけたのかな。

もう一度鳴らしたが、やっぱり誰も出て来なかった。

しょうがないから息子と車に戻った。

置き手紙を書いて、持って来た物を玄関に置いて行くことにした。

そして車の中で手紙を書いていると、息子が、「あ!」と言った。

「出てきたよ!」

え!?

見ると、一人のお婆さんが玄関の前に立ち、こっちを見ていた。