京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

十輪寺(洛西) ご本尊延命地蔵菩薩坐像ご開帳

2024年09月01日 08時10分00秒 | 日記
 8月23日、リストランテ野呂さんでランチを頂き、次に京都市営地下鉄、阪急電車、阪急バスを乗り継ぎ、洛西にある十輪寺を拝観しました。







通称「なりひら寺」とも言われ平安時代の歌人・在原業平が晩年を過ごした地です。

毎年5月に「業平忌」、6月第3日曜に「聲明と三弦を聞く会」、11月に「塩竈祭」と、業平にちなんだ行事が行われます。



何より今日、8月23日は、年に一度だけ本堂の秘仏ご本尊・延命地蔵菩薩坐像がご開帳されます。

伝教大師最澄の作と伝わり、その御腹に巻かれた腹帯で染殿皇后が安産されたことから腹帯地蔵尊とも呼ばれています。





本堂の屋根の形が珍しいです。
現在の本堂は江戸時代寛延3年(1750)の再建ですが、屋根が天皇のみが乗る事が許されている輿の屋根(鳳輦型)になっています。















庭園も美しく、いかにも洛西の山寺の雰囲気がたっぷりです。









本堂の裏山に登ると在原業平の墓と伝わる宝篋印塔があります。

更に登ると「塩竈跡」が復元されています。
「伊勢物語」の主人公・在原業平が晩年に隠棲し、塩焼きの風流を楽しんだと伝わります。

在原業平は浪速から運んだ海水を境内の竈で焼き、その煙の風情を楽しむ塩焼きを好んだと言われています。

寺の北にある大原野神社に参詣した、かつての恋人・二条后(藤原高子)への思いを託して塩を焼いた時は、立ちあがる煙を見て二条后が涙したと言う逸話が残っています。
ロマン溢れる逸話ですね。

山号、地名の「小塩」は業平卿のこの故事によるものです。









書院に来ると庭園「三方普感(さんぽうふかん)の庭」が見えて来ます。

庭園にある一本桜は通称"なりひら桜"と呼ばれ、推定樹齢は200年だそうです。

書院の縁側に寝転んで見上げると"桜の天蓋"が降り注ぐような見事さです。



10年前にはJR東海「そうだ 京都、行こう。」春のキャンペーン寺院に選ばれています。

その時に会員向けのイベントで一夜限りの夜間拝観があり、副住職さんとその時の思い出話に盛り上がりました。



ご本尊さまご開帳の日にのみ授与される御朱印です。

そろそろ最終便の阪急バスに乗ろうと受付前まで来ると、2年前に菊乃井での食事会で偶然にお隣でご一緒させて頂いたOさんとお会いしました。

一日だけのご開帳に来られるとはなかなかの"京都通"になられています。

京都検定を2年続けて3級、2級と合格されるほど熱心な勉強家です。

僕のことを"師匠"と呼ばれ、嬉しいような恥ずかしいような気分です。

こんな出会いや偶然があるのも京都の魅力のひとつです。