9月3日は、京都最古の禅寺「建仁寺」を拝観しました。
建仁寺では、法堂の双龍図を描かれた小泉淳作さんの個展が今月23日まで開かれています。
庫裡ではいつもは国宝の"風神雷神図屏風"(複製)や金澤翔子さん揮毫の"風神雷神"が展示されていますが、ここからは小泉淳作ワールドが広がっています。
小泉 淳作(こいずみ じゅんさく、1924-2012 ) 日本画家。鎌倉に生まれる。
フランス文学に憧れ慶應義塾大学仏文学科に進むも、安岡章太郎に出会い文学の道では大成出来ないと思い、画家を目指す。東京美術学校(現東京芸大)へ入学し、日本画を山本岳人に師事。
戦時中、召集され、結核を患う。 戦後、復学し卒業。デザイナーの職につく。1962年頃、陶芸製作を始め、作品展開催。1974年にデザイナーの職を辞し、画家としての本格的な活動を始める。
大書院と小書院の間には「○△□の庭」や四面正面の庭「潮音庭」があり緑の空間に心癒される思いです。
大書院には一面に「蓮池」の大作が展示されています。
"唐子の間"には東大寺に奉納された見事な「しだれ桜」が展示されています。
方丈、南庭をゆっくりと拝観、、、
方丈の襖絵は全て海北友松の筆によります。
Canonの綴プロジェクトで高精細デジタル複写で作成された複製品が納められています。
原画は太陽光やフラッシュに弱いですが、こちらの複製品は耐久性があり劣化しないのが特徴です。
次に小泉淳作画伯渾身の双龍図を拝観に法堂へと向かいます。
小泉淳作画伯の筆による「双龍図」は畳108畳にも及ぶ壮大な水墨画です。
法堂の天井いっぱいに阿吽の口をした2匹の龍が描かれいるのが特徴です。
阿形の龍は手に玉をつかむ。仏法守護として、また水の神として仏法の教えの雨を降らせるたとえから、禅宗の法堂に描かれることが多いです。
建仁寺法堂は古くより龍は描かれず素木(しらき)とされてきたが、1年10ヶ月の歳月を経て、建仁寺創建800年を記念して平成14年(2002)4月に小泉淳作画伯の筆により完成したものです。
建仁寺法堂の双龍図を制作する5年前の平成9年(1997)には鎌倉建長寺法堂の天井画「雲龍図」制作に着手され、平成12年(2000)4月に完成しています。(10mx12m)
また、平成22年(2010)には東大寺本坊の襖絵56面を奉納されています。
今や法堂の"双龍図"は建仁寺の"顔"になっています。