地下鉄を降りてビックリ。「大分県」と書かれた「小旗」がそこにあるからです。小旗のそばには、どこかで見かけた面々が数人。「エッ!今日は何事ですか?」「今日は、地元出身の国会議員の皆さんに面会で・・・」と。
次年度予算要求やそれぞれの自治体の重点事項について「陳情」のため、かなり多くの県単位の自治体責任者が上京しているとのことでした。ただ、九州は「九州市長会」が同じ日に開かれているため、ほとんどが代理出席の模様。
「へぇー!まだこんなことがやられているの」「でも、何のために・・・?」「そりゃー既存の予算を引き続き確保するためだろ」と、その場で勝手に思いを巡らせては見たものの、しかし、市町村長(しかも代理)が国会議員に要望(陳情)することで実効あるの?
確かに、旧自民党政権時代には、県選出国会議員のもとに市町村長を集めることで、次の選挙での応援を(暗黙の裡に)約束させるという意味では、国会議員の方には大いなるメリットがあったと思われる。
一方、市町村長の方も、住民に対し「県選出国会議員にお願いしてある」と説明すれば、一時的にその責任は国会議員のもとに置くことができるというわけだ。また、国会議員も「聞いていますが、財政面ではすぐに思うようにいかない」と言えば済む。
こんなことの繰り返しで、これまで全国3000を超す市町村から「要望」や「陳情」を受けこむこととなり、政府自民党と与党国会議員によって、これまで60年間のうちに、莫大な財政赤字を国民にもたらしてきた。
各県や市町村から出される要望や陳情のすべてが「悪」ということではない。その時代や社会情勢に沿って確かに重要な事項があることは否定するものではないものの、いわば「国家戦略」の基で、何が必要かしっかり判断する機能がなかった。
それが莫大な国家の財政赤字を作った原因といえる。卑近な例に、東京近郊の県で、「わが県には空港がないから建設してほしい」という要望が挙がり、一昨年それが完成した。がしかし、国内線の就航が皆無、つまり、JALもANAも今のところ就航なし。
中国や韓国からのオファーはあるようだったが、数百億円もかけて建設したものの、成田や羽田があるので、国内線が就航しないとなれば、莫大な費用をかけて建設した理由が成り立たないではないか。
このように、県知事はじめ市町村長が「我田引水」のごとく陳情合戦を毎年繰り返すことで、大きな無駄もかなりの規模で発生しており、これを見直すべきだという思いも一つはあって、実は、政権交代が二年前に実現することとなったのでした。