小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

水素エネルギーの産業化に向けた今後の展開

2022年12月12日 | 政治・経済
令和4年第4回定例会(11月27日開会)では、脱炭素社会に向けた対応について、広瀬知事の提案理由説明で次の様な発言がありました。

 『これからの産業振興にあたっては、カーボンニュートラルの実現が不可避の命題であり、いずれの業界も難しい舵取りを迫られています。特に大分コンビナートは、もちろん県経済の牽引役でありますが、二酸化炭素を多く排出していることも事実です。このため、その事業継続と脱炭素の両立は、今後の県勢発展にかかわる死活問題となっています。将来世代のためにも、企業群・行政ともに、相当な覚悟をもって、この難局に挑まなければなりません。
 申すまでもなく、コンビナートは、基礎素材産業各社の工場施設等がパイプラインで繋がり、原材料などを相互利用しながら、全体として運営の効率性を高めています。こうした強みを脱炭素化にも生かしていくには、次世代エネルギー、水素を軸に、新たな企業間連携が求められます。そのため、関係各社と行政・有識者が集結した「ものづくり未来会議おおいた」において、「グリーン・コンビナートおおいた」を旗印に、大分コンビナートの将来に向けた多角的・現実的な論議を進めているところです。
 また、大分コンビナートと共にある大分港は、世界最大級の大型船が満載状態でも着岸可能な大水深の港であり、我が国有数の貿易港です。この先、水素を海外から調達するようなことになれば、そのメリットを存分に発揮してくれるものと思います。水素に関しては、足元でも、地熱などの再生可能エネルギーによるグリーン水素の製造実証をはじめ、大分コンビナートの副生水素を利用した停泊船舶への海上給電の可能性調査や産学官による「水素透過金属膜を活用した水素精製技術」の研究開発などが進んでいます。技術的なハードルはなお高いものの、水素の製造から利活用まで、様々なチェレンジが県下に沸き起こっているところであり、水素エネルギーの産業化に向けた今後の展開が楽しみになってきました。』

 以上が補正予算を提案する、第4回定例会の冒頭発言の一部ですが、私は、この中で県が今後の水素エネルギーの産業化にむけ、一つの決意を表明しているものとして受け止めました。もともとポテンシャルの高い大分県ですから、県の脱炭素の一環として充実した取り組みに、大いに期待していきたいと思います。
 最後に、訂正があります。前にアップしました「水素エネルギーの利活用」についてのブログの中で、「県がホーバーフェリー二台を購入し」と書きましたが、正確には「県がホーバーフェリー三台を購入し」でした。訂正し、お詫び致します。
 ちなみに、この三台の購入費用は約41億6千万円を予算化しています。今にして思えば、このホーバーフェリーのエンジンも水素エネルギーで動く様にしておけば良かったですけどね。少し高くつくかもしれませんが。CO2フリーですけどね。




物価高と円安

2022年10月22日 | 政治・経済
ガソリン価格
 このところ連日「物」の値段が話題になっています。その一つ、大分県内でガソリンの単価が高いのは既に知れたことで、隣県の福岡県域と比較して10円から20円の差があり、九州管内でも1位2位を争う高さです。車のユーザーは「大分市に石油精製基地があるのに何故」と疑問視する声は多く、おそらくは「カルテル」(販売地域協定)紛いの約束事があるのか、GSが多数設置され競争が厳しいからか。かつて、「激安!」をうたい文句に県内に参入し営業を始めた「○陽〇油」(現在は名称変更)も今や県内平均の数値に近似値です。消費者の立場から、これを疑問視するだけではなく、改善の方途がないのか、検討の余地が大いにあると思っています。
物価高
 一方、生活消費材の高騰が著しいことに目を見張るものがあります。今朝の地元紙でも「消費者物価3%上昇」(31年ぶり伸び率)と、一面で取り上げる程の上昇幅です。「消費税増税(2014年9月)以来8年ぶりの大きさで、消費税増税の影響を除けば1991年8月以来31年1カ月ぶりの伸び率」との報道でした。以下、詳細はその紙面にある通りですが、困るのは電気代13.8%、ガス代が11.6%と大きく値上がり、食料は5.2%、外食4.9%と驚くほどです。この状況がどの程度続くことになるのか、子育て世代や高齢者所帯への影響は大きく、開会中の国会での論議を通じ、何がしかの(緊急的)手立てが必要ではないかと思います。
「ゼロ金利」解消へ動くか
 こういう物価上昇の状況は、政府もおそらく想定外なのでしょうが、日米の金利差がまねく円安が無関係ではないと思います。この円安に対し、日銀も今のところ「ドル売り円買い」の方策(異次元の金融緩和)など残された手立ては先細く、あと半年となった黒田日銀総裁の任期いっぱい続くであろう「ゼロ金利」政策が、その後どのように動くのかに関心が集まっていると言えましょう。また、仮に日米の金利差解消策で金利が上昇すれば、国家財政にも大きな影響(債務残高1000兆円越)があり、日本経済の行く末は極めて不透明(でカオス)な状況に陥っています。今こそ政治が大胆に動く時だと思います。
 

この日本をどのような国にしようとしたのか!

2022年10月13日 | 政治・経済
 終わった話ではあるが、安倍晋三元総理大臣の国葬にはとても違和感があった。政府の説明は、「歴代総理の中で就任期間が長い」という。また、「国際的に世界各国との関係改善に貢献」も挙げたが、これは、日本としての経済援助を国として誰もが行う事に他ならない。
 違和感の二つは、誰もが知る「森友・加計問題」。我々から見て全くの「未解決」であること。政府関係文書の改竄等も真実はいまでも全く明確でなく一方的に終息させた形のままだ。
 まだある。特定機密保護法、集団的自衛権の法制化、黒川検事総長の定年延長問題、さらに「桜を見る会」問題もうやむやにしたのは、記憶に新しい。
加えて今回の(旧)統一教会問題。これは、結果として安倍氏の死後明るみに出たが、ここまで根が深い問題だと誰が知っていただろうか。それも、親、祖父の代からの因縁が明るみになるにつれ、いったい彼ら(自民党)は、この日本をどのような国にしようとしてきたのかが問われている。
 こうした背景から、県議会県民クラブ会派として「国葬中止」を中心とした意見書を提出した。しかし、自民党、公明党はじめ3つの一人会派による多数を以って。不採択。世論調査も6割以上が「国葬反対」を意思表示したが、民意は届かなかった。イギリスの国葬とこうも違えば、あきれるばかり。 
 結果的に予算委員会も経ずに用いた16億円余の税金の使い方も全く誤っていると、断罪するのは大勢の見方だ。(旧)統一教会問題はこのままうやむやにせず、関係議員の状況も明確にすべきと多くの国民が求めている。

議員のあいさつ文 官僚任せ」の記事

2021年12月22日 | 政治・経済
「一部の国会議員が(支援団体等での)あいさつ文や講演資料を、省庁任せにしており、年間400件程度の依頼」という記事を見た。「野党議員分も一部にそういうことが」と付け加えられていた。率直に言って、それくらいは自分が書くべきで、まして政策秘書を雇用できる立場にある国会議員であればなお更の事ではないだろうか。

 これに対し、政府は、「議員の調査事項の範囲」として、問題視していない。立法府の立場にある議員が、行政府の職員に挨拶の原稿や講演資料を作らせるとは本末転倒であり「馴れ合い」と見られるだけでなく、本格的な論戦(各委員会や本会議等)で、議員として行政府側の課題や問題点の指摘、さらには、政策の提言はできないであろうと思われる。

一方、省庁の公務員の働き方からしても疑義が生じる。職員の負担もさることながら、公務員は、議員の指示で働いておらず、この点、議員と行政職員との間では、しっかりとしたケジメをつけておくことにより、緊張感ある論議もできようというもの。「馴れ合い」では決して良い政治も行政も生まれない。

 県議会でもそういう側面はなくもないが、議会事務局という機能があり十分な役割を果たしている。議長や委員長による会議の運営に関し、それぞれが運営の手順書として「次第書」を作成するのは不可能な点が多々ある。したがって、議会事務局として過去の例なども引いて作成するのが通常の姿。議長や委員長などの挨拶文(の一部)もしかり。県議会や地方議会では政策秘書的な役割を果たす「職員」は確保されていないところに大きな違いがある。

 国会議員にまつわる話題がもう一つ。総選挙後の「文書通信交通滞在費」(文通費)が大問題になっている。文通費(月額100万円)は、歳費法で「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」と規定されている。日割り支給の仕組みはない。その上、領収書や使途の報告は不要のため、「第2の給与」とも言われているらしい。

 この点、県議会の政務活動費(月額30万円)とは全く異なる。「第2給与」どころか、当然のこととして、毎月1円以上の領収書の提出が必要。定期的に使途が公表され、残金は返納が当たり前。有権者に近い位置にある地方議会ではそうした「営み」だが、有権者の目の届きにくい場所では、ある意味“何でもあり”(みんな黙っていた)状態が長く続いてきた事に驚きを隠せない。これを機会に「税金の使い方」として早く正しい姿にすべきと思うのは、有権者としての思いだ。

日本はいつ頃から疑似的「社会主義国化」?

2020年10月06日 | 政治・経済
 日本学術会議の会員任命について、今回改選対象の推薦者105名の内6名が、内閣総理大臣から指名拒否されたという事が物議を醸しています。(10月6日現在)
 政府は、指名拒否した理由を必ずしも明確にしていませんが、『現在は、会員が自分の後任を事実上指名することが可能な仕組み、前例踏襲でいいのか考えてきた。総合的・俯瞰的活動を確保する観点から今回の任命について判断した』とは述べている。
しかし、個別の人事に関してコメントはしていない。つまり、6名の個人的拒否の内容については明確にしていません。
 これに関して、マスコミで報道されている内容を見ると、それぞれ「安全保障関連法に反対した」「特定機密保護法案に反対した」「安全保障関連法に反対した」「安全保障関連法案に国会で批判した」「改正組織犯罪処罰法案に国会で批判した」からだという事がもっぱらです。
 日本学術会議の位置づけや存立意義などについて説明する紙数はありませんが、政府の説明(不十分さ)とマスコミで報道されていることが全く無関係には思えません。
この点、前安倍政権からの引き続きの案件だとすれば有り得る事案ですが、それにしても日本はいつ頃から“政府の意に沿わない人材を(無説明で)拒否する” 様な疑似的「社会主義国化」してきたのでしょうか。
かつての国会論議の中で、今は亡き中曽根総理も「推薦に基づく任命は正当」と述べていることからすれば、前安倍政権に引き続き菅政権も危ない側面を持っているとしか言いようがありません。
仮に政府が学術会議の組織改革をすべきと考えていたとしても、「学術研究は政府から自立している」という趣旨・原則から、人事は同一線上で処理すべきではないと思います。
 加えて、菅政権は「携帯電話料金4割削減」を強調しています。国民にはとても関心の高い事案ではありますが、政府が民間事業の営業活動に影響を与えて良いかと言えば、ここは競争原理のもと、自由主義経済が原則の市場経済に政府の意図が入り込む余地はありませんし、これがまかり通ると、資本主義社会は成り立たないのではありませんか。社会主義経済に等しい状況が生まれます。料金の低廉化は消費者にとっては有難いことですが、それ以上にとても危険性をはらんでいることを忘れてはならないと思います。

大きな塊

2019年11月02日 | 政治・経済
 第4次安倍改造内閣が9月に発足して約二ヶ月余りですが、なんとこの一週間で二人の重要閣僚が辞任するという「珍事」が起きています。
 お一方は、大臣の公設秘書が選挙区内で香典を渡した問題を受けて辞任。これと関連して、議員事務所内の様々な問題も顕在化しています。もうお一方は、妻の参議院選挙で、法を犯す選挙資金の使途が週刊誌に指摘され、法律の番人である法務大臣を辞任です。

 この他にも、「身の丈に合った」という文科大臣も出始てくる始末。無神経極まりない話で、頂けない。文部科学大臣ともあろう方が、「身の丈」という表現と言葉の持つ意味が理解できていないばかりか、受験生とその家族の真剣な思いとは裏腹に、日頃から持つ感覚をそのままつい口走ったが、これが何故こんなに問題視され批判されているのか、それもおそらく指摘されなければ分からなかったのではないかと思えてなりません。安倍総理の任命責任はとても思いと思います。

 ただ、前者のお二方、「風評」では、自民党内の権力闘争の影響(犠牲者)という情報がもっぱららしい。たくさんな情報を持つ陣営が、某幹部を狙い撃ちするために、小出しで事件性のある事柄だけマスコミにリークする。特に、前述の二人目の法務大臣に関しては、選挙後直ちに問題になってもおかしくない事案だが、この時期につまびらかにされるのは、時期を窺っていたのであろうか、いかにも権力闘争の末と言えそうです。
 
 こういう状況が起こり始めたということは、安部政権が末期の様相を呈しているのかもしれません。次期自民党総裁選に関連して、自民党内で様々な動きが顕在化しているらしいのですが、有権者はウンザリですね。ただ、こんな時期に野党が今ひとつまとまりきれないところにも歯痒さを感じます。こういう重要閣僚がドミノ辞任に追い込まれているような政治情勢に際し、それぞれに主張はあろうが、ここは一つに纏まろうではないですか。そして、大きな塊を作り、再び政権交代を目指すのです。その主体の名称は、心新たに「民主党」として。


県政報告会を開きました

2019年02月05日 | 政治・経済

2月3日(日)に、地元地域であるにじが丘公民館で、県議会報告会を開きました。多くの方々に出席を頂きました。(写真)
今回は、4月に県議会議員選挙が施行されるので、気合を入れて、これから取り組みたい事や、これまでに取り組んできたことなどをお話ししました。特に、前号のブログでも書きましたが、大分スポーツ公園へのアクセス改善がなければ、今後、ビックイベントは「アクセスが良くないから使えない」という風評被害が既に発生しているので、これを懸念している点、小中学校の校庭の芝生化、気象予報士の県政危機管理での活用策などです。

特に、小中学校の校庭の芝生化は、いろいろと課題はありますが、大阪府内で182校、東京都内で175校が既に布設していますから、地域の方々やPTAの理解を得るよう話し合いが必要です。是非とも実現したい課題と思っています。

報告会の終了時に、自治会長から激励のご挨拶を頂きました。引続きこうした課題を取り組むため、是が非でも生き残らねばなりません。



少し落ち着くまで・・・

2018年01月21日 | 政治・経済
 196回通常国会が開会しますね。昨年暮れの特別国会では、安倍政権が抱える諸課題に対する本格的な論議がありませんでしたので、今国会では、国民の皆さんも大いなる期待があるのではないでしょうか。

 今国会では、「働き方改革」が主要課題だと言われます。労働基準法の改正などがあるそうです。それぞれの課題に、それぞれの政党が正面から向き合って真摯な論議を積み重ねていただきたいものです。

 ただ、昨今の国会にはあまり期待ができないというのも、一般的な見方だと思います。それは、巨大与党に対峙する野党への期待薄ということです。野党各党はそれぞれにしっかりした考え方で臨まれると思いますが、必ずしも足並みがそろっていないと思うからです。

 昨年の10月に、突然の解散総選挙がありました。何のための総選挙と疑う声は多かったと思いますが、結果として野党が分断されることとなりました。考えようによっては、それぞれの主張が明瞭になったという点で、わかりやすくなりましたがその分、安倍一強に対しては、力がそがれた感があります。

 特に、野党第一党でありました民進党は、民進党を表看板にする衆議院議員集団がありません。党籍を持っていますが「無所属の会」という呼称のままだと思います。第一党、立憲民主党、第二党、希望の党、第三党として、無所属の会ですから、これまでの予算委員会模様もずいぶん風景が変わるのかもしれません。

 なので、野党三党による「統一会派」を模索しましたが、これも「見果てぬ夢」と化してしまいました。論議経過は、各党様々ありますが、昨年10月の総選挙からあまり時間が経過していませんので、民進党解体劇に関する、それぞれ関係議員の思いが「冷めやらぬ」間は、「統一会派」は無理でしょうね。この点、我々を含め民進党は焦り過ぎた感が拭えません。

 民進党全国幹事会に都度出席しましたが、実際に「排除」寸前に自主判断し、無所属で闘い当選した議員(無所属の会)各位の思いは、「統一会派」などとんでもないとの思いが相当に強い様です。

 こうなると、一旦通常国会へ臨んでいただき、様々な課題への取り組みを通じ、政党間の関係構築を手掛けていただき、国民が期待する政治体制を手掛けてほしいと思います。当面150日の国会日程。また秋には臨時国会もあるでしょうし、来年の通常国会までには、いくつかの動きも出てくるものと期待しています。少し落ち着くまで、じっくりと論議を行いましょう。

 民進党は、地方組織との連携をこれまで以上に強めた組織運営へ進化しようとしています。これにも大いに期待していますから、共に新たな民進党建設に、もしくは、場合によっては新たな党の立ち上げかもしれませんが、これらに携わっていきたいと思います。

懲りない面々

2017年07月11日 | 政治・経済
 閉会中審査は、地方議会にもあります。定例会が閉会する際、それぞれの常任委員会等で、閉会中に審査あるいは調査しなければならない案件が生じることもあるので、あらかじめ議長から宣告し、全議員の同意を得ておくというものです。

 昨日、国会でも同じことが行われていました。しかし、昨日の閉会中審査は、一人の持ち時間が極めて短く、答弁時間を含め一人当たり30分程度。問題の核心に到達するまでに終わってしまっているとの感が強くありませんでしたか。
 まして、とある大臣は答弁時間に4分36秒もの時間を費やして、あらかじめ準備した答弁書を長々と読み続け、挙句には、「求められれば、もっと答弁する(読む)ことはたくさんある」とまで、言い捨てるように自席についた様子が映されていました。これには、ブーイングが出ていましたし、委員長からも大臣に対し、注意が発せられていました。これは、答えたくない、問答したくないという大臣の意思の表れで、質問者の時間を短めようとする策略にすぎません。「懲りない面々」という以外にありませんね。まして、やり取りは、すれ違いばかりでしたし。

 昨日は、加計学園に関する審査が中心でしたが、参考人の前川前次官は、勇気ある人だと感心した方は多かったのではないでしょうか。もともと、この加計学園の関係する大学(獣医学部)新設に関しては、最初から「国家戦略特区」ということではありませんでした。地元では早くから大学の新設を要望していたが、小泉政権時に構造改革特区が設けられ、これに加えて、民主党政権時に(地域活性化)「総合特区」を新設。九州でも大分宮崎両県にまたがって、「メディカルバレー構想」が地域活性化総合特区として実現しています。その際、同じように加計学園の件も取り上げられていたのでしょう。

 その後、安倍政権に移行し、アベノミクスという経済政策の進展を図るべく、「国家戦略特区」が新たに加わり、どう言う訳か、この加計学園から申請されている大学(獣医学部)の新設は、国家戦略特区として位置づけられています。
 この国家戦略特区へ位置づけが変わることは、とても大きな意味を持つもので、これまで総合特区として取り扱われている場合は、文部科学省の見解や農林水産省の見解が折り合わなければ特区が特区として実現しないわけです(これを彼らは熱い岩盤規制というが、それぞれの省庁にはそれぞれに考え方がある)が、国家戦略特区ともなれば、官邸の意向が強いことは言うまでもありません。関係省庁の見解などは問題ではなく、一刀両断にできるわけです。

 だからこそ、官房副長官、内閣府担当大臣が強気で、「特区の審査には一点の曇りもない」言い張りますし、いわゆる「4つの条件」とは無関係に、前川前次官が述べる通り、内閣官房の一方的な動きの中で、獣医学部の新設が、しかも30年4月開学というスケジュールで進められているということになっていました。

 「官邸の意向」という表現が、文科省内部に保存されている文書にありましたが、文科省の役人たちは、国家戦略特区という位置づけや性格が理解できていなかったのか、特区一般、同じ取り扱いではなく「国家戦略」が冠ですから、これが実現しないと我が国の発展は期待できないという、そのトップの意向が全てであると考えておかしくありません。官房副長官が、「首相から何も指示を受けていない」と、いくらうそぶいても、国家戦略特区になった時点で、すべてが首相の意向であると解すべきで、文字通り「忖度」以前の問題だと考えるべきです。

 この点、「行政が歪められた」ということが話題になっていますが、そのように思われないよう、しかも、着実に加計学園にこれを創設させようとして、計画的に、あえて国家戦略特区に切り替えたと理解すべきだと思いますが、間違いでしょうか。昨日(7月10日)の閉会中審査は、逃げの姿勢の政府・与党がとても印象的でした。おまけに、与党の国会対策委員長にあっては、記者のインタビューに「何も新しいものが出てこなかったから、いくらやっても同じだ」と、いけしゃあしゃあといいのけただけで自室に逃げるように入り込む姿も、とても印象的で、あたかも逃げ回る様子にしか見えません。

 問題と思っていなければもっと説明すべきだと思います。逃げ回割るように見えるのは、やはり説明の機会を増やすとまずいと思っているに違いありません。192通常国会の閉じ方も、とても考えられない閉じ方でした。にもかかわらず、終わってすぐ首相が記者会見し、きれいごとばかり並べて「しっかり説明する」と言いながら、言っていることとやっていることの違いの大きさが、国民の目にはくっきり移り始めているのだと思います。大事なところでは逃げを決め込んでいたり、メディアでは一方的に「丁寧な説明」とうそぶいていると、国民を欺いているとしか見えませんよ。内閣の支持率も下げ止まらない様子。「おごれるもの久しからず」との格言は、まさに安倍❝一強❞内閣に向けられていると思います。




自民党歴史的惨敗

2017年07月03日 | 政治・経済
 昨日投開票された東京都議会議員選挙で、「自民党が歴史的惨敗」を喫しています。選挙前から半数以下の当選数ですから、マスコミもこのように書きました。しかも、自民党とは友好関係にある「読売新聞」の今朝の見出しです。所属する民進党がどうかといえば、現有7名から5名に減りましたから、国政野党第一党の民進党も「惨敗」といわねばならないでしょう。民主党政権時には50を超す議席数がありましたから。

 今回の選挙は、ほぼ小池知事が描いた通りの選挙戦の展開となりました。前の都知事選挙の際もそうした傾向がありましたから警戒心を以て戦略を立て直さなければならなかったのかもしれませんが、政権与党の自民党は、5年という安倍(長期)政権の下で驕りと緩みがあったのか、都知事選挙の総括ができていないとも感じます。

 これは、他党のことですからとやかく言えませんが、民進党も同じで都知事選挙以後の総括、課題の抽出が今一つうまくいっていません。それぞれは懸命に頑張っていますが、それにしても、こうした流れの時にはやむを得ないのかもしれないという事でもすまされないと思います。

 私も、一度だけ都議会議員選挙の応援に赴きましたが、都会の選挙と地方の選挙の違いを実感して帰ってきました。ただ、今回の選挙結果を見て感じることは、有権者の意識というか意志というか、政治に大きな変化を求めている。また、古い大きな権力に対抗して新しいものを作り出してほしいという思いがあるということです。

 この点、当時の民主党が政権を奪取したときにも、「古い自民党政治をどうにかしてほしい」という有権者の思いが、私たち地方議員にもビンビン感じる時がありましたし、街頭宣伝活動をしていてもよく演説を聞いてくれていました。

 こう考えてみると、今回の選挙結果からみて、民進党自体が有権者には「既成政党化」していると見られている。もちろん、中にいる国会議員も地方議員も懸命に努力はしていますが、そのことのアピール・発信力も弱くなっているのかもしれません。

 東京都議会議員選挙とはいえ、国政に大きな影響力があると言われる選挙でしたから、これを機会に今一度、一連の政治の流れを見極め、今後の戦いに備えることがなければ、ますます「既成政党化」し、その先の展望が見いだせないと思います。この点、ポピュリズムではなく、また、右顧左眄せずしっかりと有権者に寄り添い、課題抽出が確実にできる能力を培う中で新たな展望を切り開いていくことが大事ではないかと思います。
 

「共謀罪」の趣旨を含む「テロ等準備罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案を強行採決

2017年06月15日 | 政治・経済
 事もあろうか、国会の会期末を間近に控え、法務委員会の審査を打ち切り、いきなり本会議で議決するという手段に出た自公政権。民主日本の歴史に大きな汚点を残す結果となった。

 一強を背景に、今回のような決議の手法は、2院の構成を全く無視する暴挙だし、自公政権にこれ以上国政を任せておいて本当に良いのかとの思いをさらに強くした。まして、公明党の皆さんの中にも、忸怩たる思いをお持ちの方も多かろうと思う。

 日本の政治の在り方が、改めて問われる今回の暴挙を絶対に忘れることなく、これからの活動を強めないと、国民監視の状況がますます拡大することになる。すでに、昨年の七月には参議院選挙の折、公職選挙法を基に、既にビデオカメラによる一般の県民監視がおこりました。これからは、捜査当局の恣意的な取り締まりが行われ、一般国民がどこでも監視されることになることは確実となる。

 今回の改正法で、専門家はテロ対策には役に立たないという方が多いのに驚きます。国際的にも批判があり、なぜここまで急いで議決するのかその意思がわからない。民進党は、テロ対策を必要ないとは考えておらず、既に、国会にいくつものテロ対策に資する法律案などを提案していますが、これは、審査された経過はありません。
今回の暴挙を脳裏に刻みこんでおきたい。

今回の暴挙に対する、民進党 蓮舫代表の談話内容は、以下のとおりです。
『本日、参議院において「中間報告」というだまし討ちとしか思えない手段によって、共謀罪法が成立した。政府与党の、民主主義に牙をむいたかのような狂暴な国会運営によって、一億総監視社会を作りかねない、国民にとって凶暴な法律が成立したことに、言葉に言い表しようのない強い憤りを感じる。その成立に至るプロセスは我が国憲政に取り返しのつかない汚点を、その成立は将来の国民生活に大きな禍根を残した。安倍総理はじめ政府与党の責任は極めて重大である。

 民進党はテロ対策の強化に賛成であり、またTOC条約を速やかに締結すべきと考える。しかし、共謀罪法案はテロ対策ではなく、また共謀罪法案が無くともTOC条約の締結は可能である。本気でテロ対策に取り組むのであれば、民進党が提出した「航空保安法案」による水際対策の強化などに取り組むべきだが、政府与党はこうした実効あるテロ対策より国民監視を優先した。

 安倍総理は共謀罪法案について「丁寧な説明」と繰り返していた。しかし、実際には総理は印象操作を繰り返し、法務大臣には全く説明能力が無い。挙げ句、加計問題で苦しくなると、国民の8割近くが「説明不十分」と言っているにもかかわらず、これを無視して、暴挙に踏み切った。「丁寧」の意味さえ全く理解しない安倍総理に総理たる資格は無い。

 これまで安倍総理は特定秘密保護法で国民の知る権利を制限し、安保法制で立憲主義を踏みにじり、今回の共謀罪法で内心の自由を侵害するなど国民の基本的な権利を脅かしてきた。そして次の狙いが憲法9条であることを明らかにしている。民進党は、これ以上の国民生活の破壊を食い止めるため、国民の理解を得て安倍政権を打倒することに全力を挙げていく。』

当選しましたよ。真心の1万票で・・・・・。

2015年04月25日 | 政治・経済
 久しぶりにアップしました。友人から、「久しく書いていない様だけど。ブログ。」との指摘がありました。そういえばそうだナァと思いつき、書くことにしました。

 県議会議員選挙二期目に当選しました。仲間のみんなが、前回、4年前より1321票増やしてくれました。順位も二つ上がりました。10,002票を戴きましたが、御礼を言いに伺うと、「あの2票は私と女房の2票だな」とおっしゃる支援者に何人も会います。そんな時、「ごもっともです」と申し上げた上で「みなさんから真心の10,000票を戴きました」とも申し上げます。


 今回の選挙は、これまで5回の選挙とは比較にならない程、とても厳しい選挙でした。定数13に対し、17名が立候補するという構図でしたが、内心、誰がいちばん弱いかと詮索するにつけ、前回4年前の結果と比較して、やはり自分以外に無い。これは大変だと一念発起しました。

 とにもかくにも、結果の数字がどうであれ、当選すればまた4年間、目指す政策の推進ができることを喜ばねばなりません。課題の多い大分県に対し、積極的な提言を来ないたいと考えています。

高速道路

2011年06月20日 | 政治・経済
 高速道路の社会実験が昨日までで終了ということになりました。自民党政権時代に、平日以外の「上限1000円制度」が導入され、それ以前には、通勤時間帯に限った「半額制度」がスタートしていました。

 東日本大震災前には、様々な論議が交わされてはいましたが、文字通り、東日本大震災の影響で、財源確保を最優先に、被災地域以外の社会実験をやめるということになりました。あくまで、社会実験ということでしたから、それはそれで理解ができるところです。

 民主党が政権を担うようになり、早い段階で社会実験を開始し、前原国土交通大臣の下で、第二弾までエリア拡大となりましたが、この社会実験の成否について、後に成果や課題について説明責任を果たしていただきたいと、みんなが期待していると思います。

 ご承知のとおり、高速道路料金は、国際的にみても日本ぐらいらしいですね。こんなに高い料金体系になっているのは。一部、ヨーロッパに料金を徴収している国があると聞きますが、それ以外に、あのドイツの高速道路さえ無料でした。

 広い所では5車線でした。走る車の量も半端ではなく、相当量の車両が走行しています。また、この高速道路には速度制限を示す標識も何もありません。ドライバーの良識に依拠しているということでした。にもかかわらず、ほとんど事故はないともいいます。

 こうした国際的な傾向が一つの根拠になってか、日本でも無料化が実験的に実施されましたが、実は、日本の高速道路は、無料を前提に建設していませんので、社会実験がはじまると、いたるところで渋滞や事故多発など問題が発生しました。

 この社会実験には、つねに賛否両論がつきまとっていましたが、いざ、一旦終了となると、昨日までのマスコミ報道でもそうですが、惜しむ声が強調される傾向にあります。この点、政府の政策実施の一貫性について、今後に期待するところ大きいものがあります。

 ところで、日本の高速道路は、実際の料金から換算しても整合していましたが、1km当り24円と言われています。前述したヨーロッパ(どの国か覚えていませんが)の有料道路は、確か1km当り8円ということを聞いたことがあります。

 実に日本の1/3の料金体系のようです。日本の料金がこんなに高いのは、建設費用やファミリー企業の問題など、すでに様々取りざたされましたから、ここで述べるまでもありません。そうしたこともあってか、日本の高速道路は、「民営化」されました。

 民営化の意図は、必ずしもよく承知していませんが、私がここで述べたいことは、高速道路の無料化は賛成。ですが、将来的にということです。その前段として、ソフトランデングで、料金体系を徐々に見直すことに手掛けるべきであったと思います。

 つまり、先ずはヨーロッパ並みの料金に値下げをすることからはじめ、これも社会実験として実施すると共に、最終段階の一歩手前は1/3まで下げて、その推移を見守るという事でも良かったのではないかと考える次第です。

 高速道路の無料化社会実験が開始されたのち、民主党県連には輸送船関連の団体、運輸部門の団体、バス事業者などが「政策提言」として、無料化反対をベースとした料金体系の見直しについて、随分多くの「陳情」団がお見えになりました。

 結果として、本日から、通勤時間帯限定の「半額制度」のみが残されることになりましたが、これまでにお見えになりました方々には、提言内容を超越して「ご期待に応える」という、皮肉な結末になりました。

 高速道路の無料化については、また、そう遠くない時期に論議が再燃されることを期待しています。将来は、徐々に料金が見直され、限りなくゼロ円に近づくよう、大きな期待を持っておきたいと思います。

大連立

2011年06月12日 | 政治・経済
 「大連立」が政界で大きな話題となっている。

 3月11日に東日本大震災が発生し、その復興・復旧が急であるあまりに、この論議が加速しているように見える。

 ただ、この論議は、大震災より約二年前から既に開始されている。

 たぶん、無理。

 政治家が本当に「大連立」をやる気ならば、既にその緒についていてもいい。

 まして、大震災の復興・復旧を「スピード感持って」と、どの政党も口にしている。

 あの大震災から3か月以上たった今、何も進んでいない現状では、実現不可能と言う以外にない。

 本気で「大連立」を実現するならば、まず、いわゆる「55年体制」からの完全な脱皮が必須だ。

 旧態依然とした政治が今なお尾を引く政治体制の下では、間違いなく無理に違いない。

 その証拠に、政権交代で攻守所を代えた今も、「55年体制」下の政治と全く変わらない国会運営(攻防)が続くことに、それは端緒だと感ずる。

 二つは、「健全な二大政党制」。

 つまり、政策論争による政党政治が成り立っていなくてはなるまい。

 現下の議院内閣制では、健全な二大政党制を「育む」システムになり得ていないとしか言いようがない。

 「大連立」で、逆にそれが益々遠のくのは明白だと思うが如何だろう。  


「自民党がんばれ!」

2011年05月29日 | 政治・経済
 6月の初旬を一つのポイントに、自民党が内閣不信任案を提出すると、息巻いているらしいことが、マスコミを通じて伝わってくる。

 このタイミング(いろんな意味があるが)で、どうだろう。「政治的パフォーマンスとしか受け止められないのではないか」や、「会期末だし、野党だから当然だろう」という評価で、まずは二つに割れる。

 ただ疑問は、衆議院で70人程度の(与党内)賛同者を得なければ、可決することができない事情にある中で、それが可能かどうか。単に、相も変わらない手法を踏襲しているのではないかとの批判を浴びないか。

 また、衆議院で可決されない場合は、参議院で「問責決議案」になるであろうことは容易に想定されるが、合計数で勝る野党が挙ってこれを可決するならば、以降、内閣から提出する法案などは全ての審議が止まることも意味する。

 時あたかも、東日本大震災による被害の復旧・復興を大きな政治課題に取り組むわが国で、野党政治家の「大義」思いがどれだけ国民の支持を得られるか、疑問視するのは私一人ではあるまい。大震災がなければ別の話であることは述べるまでもない。

 昨今の政治状況は、いわば「攻守所をかえても」やることはほぼ変わらない。自民党が与党の時代は、できるだけ国会の会期末を以て閉会とする意向が際立っていた。しかし、野党となった今は、会期延長で審議を尽くせと主張する。

 一方、民主党が与党を担う現在、以前の野党時代とはまた趣を異にしていると映る。しかし、政治日程というものは与党を中心に運ぶことが許されない限り、国会の運営は混乱するばかりとも言えよう。ただ、有権者にはそうした有り様が理解ができない。

 大切なことは、「国民の生活が第一。」を大前提に、どのように効率的な議会運営を行うかであり、今、この時期にナンセンスな「党派闘争」まがいの「政治戦」を繰り返している時ではなかろうと、一般国民は、白けている。

 ここに及んで、一番わかりやすいのは、相当なリスクは伴うものの、来週にも、自民党がやりたいと意気込む「内閣不信任決議」と「問責決議」をやる以外にない?。そうすれば、どのような反応があるか、おのずと判明することになる。

 「自民党がんばれ!」やりたい様にやってみるのもいい。ただ、このやり方を何度も使っていては、かつて政権政党として君臨していた党の名が廃ることにもなりかねない。